熱論!Mリーグ【Tue】
ファイナルのキーに
なるのはやはりこの男!
最終日に見せた
沢崎誠・変幻自在の麻雀!
文・ZERO【火曜担当ライター】2020年3月31日
ついこの間始まったばかりと思われたセミファイナルも、あっという間に最終日を迎えてしまった。
今シーズンが始まった直後の観戦記に「セミファイナルの追加」や「二度もポイントが半分になる」という新たなレギュレーションに対し、「見直しが必要なのでは」という苦言を書いたことがあった。
新レギュレーションが良くないと感じた理由として、レギュラーシーズンの90試合の意味が薄くなることと、守りに入るチームが続出して見栄えが悪くなる可能性が高いことを挙げた。
しかし、いざ蓋を開けてみて、とても素晴らしいレギュレーションだと感じている。
自分の思慮の浅さに驚くとともに、ここは堂々と手のひらを返していく。
まず、2チームずつチームが消え去っていくのがとてもいい。
とくに今、桜の季節になると実感するが、日本人は散り際に美徳を求める文化だ。
Mリーグで役満以上に盛り上がるのが
・どのチームが敗退するか
・誰が選ばれるのか?というドラフト会議
この2点であり、これは優勝チームが決まるのと同等、いやそれ以上に盛り上がると言っても過言ではない。(今後は誰が離脱するのか、にも話題が集まりそうだ)
そういった意味で敗退チームが少しずつ出ていくのは、ハラハラするし、その分ドラマも生まれる。
今シーズンで言うと
赤坂ドリブンズの驚異的な追い上げで、レギュラーシーズンは最後の1半荘まで盛り上がったし
前日には
この夜のコメント欄・ツイッターでは
「黒沢さん本当にずっとカッコよかった!」
と賞賛の嵐だった。
勝者よりも敗者の方が光り輝き、我々の胸を打つのは、なかなか思うように勝つことのできない麻雀の持つゲーム性が関係あるのかもしれない。
あるいは…
私は小学生のときに見たキン肉マンの映画を思い出す。
「俺のことは構わず、先に行ってくれ!」
と、お決まりのセリフで仲間が次々と倒れ、ラスボスに辿り着くころにはキン肉マン1人で、まぁ結局みんな生きていて最後の最後に助けてくれるのだが、この映画が少年ZEROの心を突き動かしたのだ。
後々、仲間が死んでしまうのはマンガの鉄板パターンであることを知るのだが、まさに今季のMリーグのレギュレーションは、私の中の少年心をくすぐった。
ポイントが半分になることによって、最終戦まで条件が残る可能性は高くなり、残りさえすればファイナルまで、あるいは優勝までする可能性が十分にある。
やっている方はたまったものじゃないかもしれないが、見ている方としてはドラマが生まれやすく、ハラハラして、とても刺激のあるレギュレーションだと思う。
守りに入るチームが多くなるのでは…という懸念も、そもそも麻雀は守っていてもポイントが増えるわけではなく、とくにMリーグのルールではどこかでリスクを背負ってトップを取りにいかないといけない。
多少は安定する選択をとりすぎている場面もあったが、興醒めするほどでもなかったと思う。
さて、前置きが長くなったが、そんな最終日の1戦目を軽く振り返っていこう。
1戦目
南家 茅森早香(セガサミーフェニックス)
「さ」ばかりが並んでいる。
私は観戦していて、気になった選択があったらメモしているのだが、そこに並んでいるほとんどが「さ」「さ」「さ」
つまり
今シーズン、沢崎の話題を取り上げることが多かったのも、あまりに一般的ではなく、それでいて考えさせられる選択が多かったからなのかもしれない。
東2局
例えばこの14枚からみなさんは何を切るだろうか?
沢崎はひょいとをつまんだ。
早速私のノートには「さ・」と書き込まれる。
ぱっと見て浮いているに手を掛ける人が多いと思う。