【 #神域リーグ2024 第28試合観戦記】結果だけが、全てじゃない #長尾景 が見せた 成長の証【文 #後藤哲冶 】

チームヘラクレスの新人、長尾景は、今シーズンめざましい活躍を見せていた。

初陣となった第4節では監督陣2人を相手に2着を持ち帰る大健闘を見せ。
続く第5節では見事トップを獲得し、大きくプラスポイントを伸ばすことに成功。
ここまで盤石の戦いを見せているヘラクレスにとって、欠かせない一員となっていた。

そんな、順調な結果を残し続けている長尾だが、実は初陣となった第4節のインタビューで、とても印象に残っているシーンがある。

「天開さん、俺悔しいよ」

それは、対局後のインタビューが始まってすぐ。
長尾が最初に口にした感情だった。
結果から見れば、新人枠の長尾が、監督2人と神域リーグ3年目且つ魂天の咲乃もこを相手に2着という結果は、手放しに喜んでも良いものだ。

実際、長尾も試合が終わった瞬間は、喜びの感情もあった。

だが、対局が終わって、熱が少し冷めて。
冷静に対局を思い返した時に、「俺もっと打てたよな」と後悔の念に駆られたのだ。

この時、私は長尾景という選手に、底知れない伸びしろを見た。
麻雀というゲームは、内容と結果が必ずしも比例しない。
だからこそこの時、結果ではなく、内容を振り返って「悔しい」と思えた長尾景に、はっきりと期待感を持った。

この選手は、もっともっと強くなるんじゃないか、と。

第10節 第1試合

東家 える  (チームアキレス)
南家 長尾景 (チームヘラクレス)
西家 朝陽にいな(チームアトラス)
北家 桜凛月  (チームゼウス)

東1局

長尾がドラの【9ソウ】を持ってきて、【6ピン】切り。
これで【3マン】【6マン】引きでのメンツ手の他に、【4マン】【5マン】引きでのツモ三暗刻【7ソウ】【8ソウ】引きでのチートイツを見る事ができる。
よもやのドラの【9ソウ】引きは、四暗刻まで伸びることがある大物手だ。

狙いの1つである、【6マン】を引き入れてリーチ敢行。
【3マン】【6マン】待ちは、高目の【6マン】ツモなら8000点から。これは間違いなくリーチで良いだろう。

そこに追い付いたのが、親番のえるだった。
【1ピン】を引き入れて【6ソウ】【9ソウ】待ち。【6ソウ】【9ソウ】は長尾の現物待ちだが、関係ない。リャンメン待ちなら十分と見て、リーチへ。
東1局から、大物手がぶつかり合う。

これを制したのは、えるだった。長尾から【6ソウ】を捉えて12000の先制パンチ。

「長尾君新キャラ引いた~? 新キャラ引いてんのよこっちは! 」

……雀魂に課金したからといって、麻雀への影響は一切無いと、明記しておく。

冗談は置いておいて、かつて悔しい想いをしたのは、えるも同じ。
負けて良い人など、この舞台に1人もいない。

東2局

点棒を失うスタートとなった長尾だったが、全く気持ちは切れていなかった。
流局を挟んだ東2局の親番、桜からリーチを受けるも、自身の手が良いため果敢に攻め込む。
まずは通っていない【9ソウ】をプッシュ。

怖い【2マン】も通した後、【7ピン】を持ってきて選択。
ここで、長尾が選んだのは、【6ピン】切りだった。
良い選択だと思う。
桜のリーチには【9ピン】が通っていて、【6ピン】【9ピン】の形では当たらない。
36の形では当たるが、それは長尾自身が【5ピン】を3枚持っているため、そもそも【4ピン】【5ピン】と持っている確率が下がっている。

567三色だけ消えてしまうが、そもそも手牌は赤2枚で打点十分なため、三色にこだわり過ぎる必要はない。

【6ソウ】を引いて追い付いた……!
この形なら文句無し。【3ソウ】【6ソウ】での追いかけリーチを敢行。
アガればどんな形であれ12000からの超勝負手だ。

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