勝てるギャンブルと
勝てないギャンブル
先日カジノ法案が国会を通過しました。
実際に開業するまでには、様々な関連法案を整備するので、まだ少し時間がかかりそうです。
できたらぜひ遊びに行きたい。
若い頃にヨーロッパアルプスのスキーリゾートのシャモニのカジノに行きました。
私はフランス語はおろか英語もできないけど楽しかった。
もちろん負けました。
国内では六本木や歌舞伎町に地下カジノが林立していた頃にずいぶんやり、けっこう勝ってたような気がしますが、勘違いでしょう。
ずいぶんやったとなれば、結果はゲームのデザイン通りの確率に収束するハズなので、期待値がマイナスのゲームで勝てるワケがありません。
ただし当時のカジノはバカラが中心で元もとコミッション(控除率)が低い。
さらに入店時にサービスチップを提供する店が多く、そのまま換金すればプラスになる計算です。
もちろんハウスルールで禁止されていますが、他のゲームより有利なのは確かです。
しばらく遊んだフリをして、店の監視をごまかして、プラスのまま換金する「ガジリ屋」もいました。
ハウスルールは私法なので、公法に違反するワケではありませんが、いきなり私刑(リンチ)になる事がある分こっちのほうが怖い。
カジノはコミッションが小さくても勝てない。
例外にブラックジャックのカードカウンティングがありますが、ハウスで禁止です。
カジノはずいぶん前から、監視カメラによる生態認証システムが進んでおり、プロが変装して入って来てもロックオンされます。
推測ですが、数種類にのぼるカウンティングを見抜くのは、今やディーラーでは無く、コンピュータによる画像解析になってるんじゃないでしょうか。
Amazon Goのような人工知能店舗や、テスラなどの自動運転の車がある時代ですからね。
もう一つ例外で、数年前にルーレットの玉の落下位置を予測するソフトで大儲けしたグループがいましたが、もちろん禁止です。
公営ギャンブルも勝てない。
こちらは25%という致命的なコミッションの高さです。
ファンや専門家の推理は素晴らしいので、コミッションを下げれば常勝軍団が登場しそうですけど。
ここがギャンブルには大事な所。
コミッション無しでの勝率が、コミッション率を上回るかです。
フリー雀荘なら平均収支がゲーム代を吸収できるか。
腕で決まると思いがちですが、レートが重要なことが多い。
ノーレートならどんな天才でも負けるし、レートとゲーム代のバランスによっては、低い勝率でも(マイナスはダメ)勝てるんです。
そういう意味では、麻雀は勝てるギャンブルの代表で、あとはパチンコ・パチスロ。
どちらも民間経営で法的にややグレーで、顧客獲得の競争原理が働く所がミソです。
勝てるギャンブルで
勝てないのはなぜ?
私はギャンブルを勝てる構造かどうか機械相手か人相手かに分類することが多い。
勝てるギャンブルでより大きく勝つためです。
ただし私はギャンブラーではなくライター兼雀荘経営者なので、ギャンブルをいつもやってるワケではなく大きく稼いでもいません。
パチンコの攻略法全盛のころ、あるいは麻雀の東風戦高レートが流行っていたころは、「生涯収支は一億くらいか」と予測してたんですが、従業員に私の自腹で打たせていたら、逆にそれくらい負けてるし。
マイナスの期待値が大数の法則に従って収束すれば当然です。
麻雀は勝てるギャンブルかつ対人ゲームです。
基本、勝敗を決めるのは、腕・レート・コミッションの組み合わせ。 腕が良く、レートが大きくてコミッションが小さければ楽勝です。
腕は相対的でいいですよ。
麻雀などの対人ゲームのおもしろさの一つに、ゲーム中に相手の性能(期待値・平均収支)が変わってしまうことが挙げられます。
機械相手なら確変みたいに。
カジノのルーレットやバカラにはこれがありません。
「ディーラーは客の張り目を外すようにシュートする」
無理です、狙えません。
対人ゲームだと勘違いすれば、さらなる勘違いを生んで勝てないゲームにハマりますが、麻雀は僅かな実力の差で、状況によって大きくバランスが崩れることがある。
みなさんご承知のとおりです。
リーチすべき所をダマ。
引くべき所で暴牌。
などはさらなるミスを生みます。
私のミスで多いのは、1巡リーチを見送ると「さっきより期待値が下がった」と考えて、いつまでもリーチに踏み切れなかったり。
ダマで少し増やしてトップに立つと、次もダマにしたくなったり。
勝てるゲームのハズなのに、自分の性能を落としてしまうんです。
これらは相対的に相手に利するだけでなく、相手の能力そのものも上げてしまうのが怖い。
現代の麻雀は攻め得なのでさらに攻められます。
これらがフィードバックしあい、スパイラル状に勝者と敗者が上下に離れて行くんです。
固定メンツでこれが次回に持ち越されるようだと、勝敗も固定化しかねません。