“軍師”勝又健志の奮闘
真冬の風林火山城防衛戦
文・後藤哲冶【木曜担当ライター】2024年2月1日
2月に入り、Mリーグレギュラーシーズンも、いよいよ佳境が近づいて来た。
全チーム3分の2を消化し、残るは3分の1。もうシーズンは終盤と呼んで差し支えないこの季節。
これが、今日の試合が始まる前のチームポイントランキング。
1戦目に風林火山は二階堂瑠美が出場し、苦しい4着。
これで風林火山は、次の第2試合で4着をとってしまうと、レギュラー敗退となる7位に順位を落とすことになってしまう。
現状の順位に、大きな意味があるわけではない。
それでも、風林火山がレギュラー突破ボーダーラインにまで叩き落されていることは事実。
下位3チームは、決死の思いでこの風林火山の城に攻め込んできているのだ。
それをなんとか跳ね返すべく。
第2試合に起用されたのは勝又健志。
チーム唯一のトータルスコアプラス。まさに大黒柱ともいえる存在の勝又。
風林火山の頼れる軍師は、この難局を乗り越えることができるか。
2月1日 第2試合
東家 瑞原明奈 (U-NEXT Pirates)
南家 勝又健志 (EX風林火山)
西家 渋川難波 (KADOKAWAサクラナイツ)
北家 高宮まり (KONAMI麻雀格闘倶楽部)
東1局
チームで唯一プラスポイントを持っているのが勝又というのは前述したが、その勝又とて、直近は決して楽な成績ではない。
むしろ、ここ2戦で連続4着を喫しており、ここで嫌な流れを断ち切りたいところだ。
が重なって、ここで打としてチートイツに狙いを絞る。
ドラが1枚浮いており、他の形が良くなく、メンツ手で打点や速さはない。
であれば、安全牌も比較的持ちやすく、完成した時は高打点に化けるチートイツへ決めようという判断だ。
ドラのを重ねて、狙い通りチートイツドラドラのイーシャンテン。
打として、全員に後々危なくなる牌を切って、押し返しやすい手牌に。
先制リーチはサクラナイツの渋川からだった。
第1試合、堀がトップを獲得し、満を持してのホリシブリレー。
今日はサクラナイツ監督森井監督の誕生日ということも(きっと)あって、是非とも連勝を持ち帰りたいところだ。
そしてそこに追い付いたのが、勝又だった。
狙い通りを引き入れて、単騎のリーチ。
リーチ宣言牌の東は3枚切れの安全牌で、とてもチートイツの河には見えない。
リーチ者の渋川以外からの出アガリが期待できる良い待ちだ。
更に勝又は渋川の待ちを2枚使っており、はもう山にない。
対して勝又の待ち牌は2枚山に残っている。
チートイツ対メンツ手でありながら、2対2のめくり合い――
が、そのを勝又が掴んでしまった。
しっかりと裏ドラも乗って、リーチ赤ドラ裏の8000点の放銃。
勝又でさえも、この悪い流れを断ち切ることはできないのか。
東1局から嫌な雰囲気が風林火山を襲う。
東2局
親番で、手牌をイーシャンテンまで育てていた勝又だったが、ここで手が止まる。
渋川の仕掛けが奇妙なのだ。
カンをチーして打。続けざまにをチーしてドラの打。
2つのチーの間に手出しは挟んでおらず、渋川の手に元々という形があったのが確定。
そしてそこから、わざわざドラのを引っ張った。