地震・竜巻・火事・日吉!?
大嵐に飲み込まれた
女海賊・瑞原明奈の運命
文・真中彰司【金曜担当ライター】2021年2月5日
※文中のセリフはフィクションです。
【2月5日 第1試合】
東家:瑞原明奈(U-NEXTパイレーツ)
船長・小林剛とキング・石橋伸洋の活躍により、ようやく負債を返し始めたパイレーツ。
カットラインの6位とは約180ポイント差。残り20戦なら、まだ逆転可能だ。
パイレーツが先発に抜擢したのは、女海賊・瑞原明奈。
1月26日の試合では不完全燃焼に終わっただけに、今節の気合いは並々ならぬものがある。
その気合に、すぐに牌が答えてくれた。
東1局
最初の親番、この手牌からをポンして切り。
露骨なドラ色のホンイツで他家にプレッシャーをかけつつ、もう1つ字牌を重ねてアガリ切ろうという狙い。
意外にもが重なり、さらにを引き入れて2600オール。先制パンチに成功した。
テンパイ流局を挟んで2本場も順調に手を進める。
しかし、この萬子とドラのくっつきイーシャンテンがなかなか聴牌しない。
「どうしてこの手がテンパイしないの?」
それもそのはず、周りの牌はほとんど滝沢が持っていた。
待ちは悪いがロンで跳満、ツモで倍満の大物手を入れている。
索子を引いても待ちは極薄…と思ったところに、引いてきたのは絶好の!
迷わずドラ切りリーチをかける。
「ほら、8位の私に放銃したら上位争いのあなたたちは大損でしょう?」
8位という立場、そして親を最大限に活かした瑞原のリーチ。
上位3チームの他家、特に風林火山と雷電は、通常の親リーチより押し返しづらい。
これをキッチリツモって4000オール。大きなリードを築いた。しかし、これでは十分なリードとは言えない。
今回の対戦相手は暴君の瀬戸熊・ヒットマンの松本・イケメンの滝沢と、打点あふれるメンツ。3万点のリードでは足りない可能性があるのだ。
そして、気がかりなことがもう1つ…実況・日吉辰也である。
パイレーツ戦の実況をするとパイレーツの成績が下がり、特に瑞原の日は逆連対が多いという因縁の相手だ。
もはや他家より実況の方が強敵かもしれない。
かまわず親番を続ける瑞原は、3本場も鳴き三色のペンでテンパイを入れて連荘を狙う。
だが、そこに立ちはだかったのが滝沢。またもツモって跳満の大物手を聴牌。
待ちのうちが瑞原と被っている。
「これ以上瑞原さんを連荘させるわけには…」
といったところで、思わぬ紛れが起こった。
松本がテンパイ料狙いでを両面でチー。
このチーが瑞原の圧倒的リードをグラつかせる「地震」となった。
なんとこのチーで、瑞原のツモになるはずだったが滝沢の手元へ!