オンライン麻雀は
少し機械相手の要素がある
機械相手のギャンブルと人間相手のギャンブルでは、勝ち方が違う、と前回書きました。
オンライン麻雀は機械相手じゃ無いハズですが、いくらかその要素があると思います。
「親方、オンライン麻雀をやってくれませんか?」
数年前に、単行本「麻雀で食え!2」を出す時に、担当編集者に依頼されました。
やったのは「ハンゲーム」。 対人ゲームのハズなんですが、セットやフリーのリアルな麻雀とは少し違った印象でした。
数千回の私のデータは、トップ27%・2着28%・3着26%・ラス19%と、かなりゆがんだ数値でした。
連対率が55%はまずまずに見えますが、トップが2着よりも少ないのはマズいですね。
これは、ふだん自分の店で打っている順位構成とはかなり違ってます。
毎日もっとラスを取ってます。
また、私が良く記事に書いている
「棒テン・即リー・全ツッパ」「ラス覚悟でトップを狙え!」 では、こうはなりません。
だって、妙にラスが少ないでしょ。
棒テン・即リーは実践しましたが、全ツッパが少ないんです。 かなりセコくラス回避をしてました。
自分の店ではめったにしない、後付けや一発消しやハイテイずらしもやりましたよ。
私は無料会員で。アバターも買わずに、チャットもせずに、どのコミュニティにも属していませんでした。
その時だけの付き合いなのと、お互いに顔が見えないので、相手を少しだけ機械のように感じていたんだと思います。
私なりにさらに分析してみます。
●トップが少ないのは、実力不足と、みんながトップ重視で戦うから。
●ラスが少ないのは、みんなのラス回避の優先順位の低さを利用したから。
などがありそうです。
一見、ラスのペナルティが大きい「天鳳」向きに見えますが、実際にはそれぞれのルールに特化した打ち方になるので、そうはいきません。
ちなみに対人ゲームは、
「相手にとって、得だと思う選択をして来るハズ」
と言うのが基本ですが、オンラインの下位卓では、それすら無いことがあります。
なので少し機械寄りです。
フリー麻雀よりも、
高レートが対人戦略が要る
トップ・31%・2着27%・3着23%・ラス19%。
これは私の成績ではなくて、フリー雀荘たぬにゲストで来ていただいている、最高位戦の村上淳プロの、半チャン1000回分のデータです。
私がだいぶ前に出版した「麻雀で食え!1」に掲載したフリー雀荘でのデータは、僅か半チャン100回分でした。
現在では、100回ではデータと呼べないのが常識ですが、1000回になると説得力があります。 トップが多くて、しかもラスまで綺麗に数値が下がっているのがいいですね。
オンライン上でも、すごく強い人の着順の配分はこんな感じです。
村上プロは、15年前のたぬ創業時のクルーでしたが、大学時代からプロになり、プロ歴十年を超えてから、大きなタイトルを複数獲得して、今に至っています。
強さの秘訣は、なんと言っても打ってる回数と、その真摯な検証だと思います。
たぬのゲストの時にも、検証とブログ用に良く牌姿メモをしています。
多くの技術や仕事の成果は、理論と現場の繰り返しで向上するものですが、まさにそれを実践しているんです。
さて、たぬの常連さんにも、とても強い人がけっこういます。 フリーは不特定多数の人と打つという点では、少しだけオンライン麻雀的に似てるところがあります。
フリーの勝ち組に多いのは、やはり棒テン・即リー。
フリー麻雀のことをリーチ麻雀とも言いますが、まさにリーチ競走です。
リーチが間に合いそうも無い場合は、
「出るポン、見るチー、バックに形テン、片アガリ」
で、相手のチャンスをツブします。
「鳴き過ぎると、放銃が増える」
と言う人もいますが、鳴きに慣れてる打ち手は、安全牌候補を確保して手を進めてます。
また、
「ムダツモが当然のように、安全牌もツモって来るのが当然」
なので相手の攻撃を必要以上に恐れません。
ただし、フリーでそれを東1局から徹底的にやる人は、まだ過半数にはなって無いと思います。
理由として考えられるのは、
●東場から小さくアガっても、相手のチャンスをツブしても、トップへの貢献度が小さい。
●仕事じゃないんだから、ロマンのある遊びをしたい。
●せっかくの対人ゲームで、そこまでやりたくない、などがありそうです。