神様は白鳥を見捨てなかった!勝敗を決した四者四様のテンパイ【熱論!Mリーグ】担当記者:東川亮




熱論!Mリーグ【Thu】

神様は白鳥を見捨てなかった

勝敗を決した

四者四様のテンパイ

文・東川亮【木曜担当ライター】2019年10月10日

9月30日夕刻、筆者は「大和証券Mリーグ」2019レギュラーシーズン開幕戦を控えた、渋谷ABEMASの控え室にいた。チーム開幕戦を任されたのは、白鳥翔。昨シーズン個人成績21位と厳しい結果に終わった白鳥にとっては、まさに雪辱を果たすための1年となる。

開幕戦を控えた白鳥は、昂ぶる気持ちを抑えつつ、こんなことを話してくれていた。

「開幕は全く怖くなかった。最近は麻雀の調子もいいし、去年とだいぶ違う打ち方になると思う。僕の長所があるとしたら引き出しがめちゃくちゃ多いところだけど、去年はその中で使う引き出しを間違えたままやっていたなと思っていた。今はそこが整理された状態」

意気揚々と控え室を出ていった白鳥だったが、結果は箱下のラス。そして逆襲を期した10月10日の対局で彼が相対したのは、園田賢(赤坂ドリブンズ)、滝沢和典(EX風林火山)、小林剛(U-NEXT Pirates)という、昨シーズン再三にわたって白鳥の前に立ちはだかった、3人の男たちだった。

昨シーズンとの違いを見せられるのか、それとも。

白鳥の真価が問われる戦いが始まった。

(東家:小林 南家:園田 西家:白鳥 北家:滝沢)

東1局、白鳥はタンピン赤のイーシャンテンからカンをチーしてテンパイをとり、小林から2000点を出アガる。高打点も見える形ではあったが、取れる点棒を確実に取りにいく、白鳥らしさを感じさせる立ち上がりだ。

続く東2局、白鳥はファーストテンパイのカンで躊躇なくリーチを打った。Mリーガーにはこうしたリーチを積極的に打つ選手もいるが、白鳥がそれをしたのは意外な選択。このあたりが、白鳥が「去年と違う」と語った部分か。

白鳥はこの待ちをきっちりとツモり、1000-2000のアガリ。

2局連続で加点して親番を迎えるが、ここは生かせずノーテン流局、その後は園田と小林がそれぞれの持ち味を存分に生かした打ち回しでアガリをものにしていく。

そして迎えた南2局2本場

この局はおそらく、今シーズン全体を通してもハイライトの一つに数えられるだろう。

小林に、配牌から赤赤ドラが入る。マンズ、ピンズとある程度形が整った、誰がどう見ても勝負手である。

この手が順調に育ち、6巡目にはこの形。切りでピンズまわりを厚く持つ、切りでタンヤオへの移行を見るなどの選択の中で、小林は打を選択した。ピンズの・カン受けを残し、テンパイ時の待ちをぼかすことにつながる上、マンズの伸びにも対応できる柔軟な一打だ。

次巡、園田も急所のカンを引き入れてカンのテンパイとなるが、打でこれを拒否。にくっつけて、打点・形とも十分形で戦おうという手順を追う。

直後、白鳥はの出来メンツがあるところにツモ。打ちにくいドラということで手の内に残してと払うが、小林、園田とのスピード感の差は否めない。

 

かたや小林は、狙いの一つであったを引き入れてタンヤオへ。これで鳴きも使える形になり、さらにまで引き入れ、盤石の形から滝沢の打をチー。思惑通りにテンパイを入れた。

一方の白鳥、ドラを引いてやや受け気味の進行を余儀なくされていたが、12巡目に状況を一変させる牌を引き入れる。浮いたドラをリャンメンターツへと進化させる、ドラ表示牌のである。

白鳥はここから孤立牌のにくっつく、そしてラス牌だったと絶好のツモが続き、待ちのピンフイーペーコードラドラ、満貫のテンパイまでこぎ着けた。

そして一度はテンパイを外した園田も15巡目、三色が確定するを引いてカン待ち。卓上は3者が8000点クラスのテンパイを入れる、緊迫した場となった。

 

16巡目白鳥、ツモ。ここで白鳥は長考に入った。

河の状況はこう。※小林がチー

全員に通っていないは小林のフーロを含めて自身の目から3枚見え。は園田・小林の中筋であり、と比べるとやや安全そうな牌。または場に1枚切れ、自身で2枚使っており、が4枚見えということからほぼ間違いなく山にいる牌。自身の手にイーペーコーの手役があり、出アガリも可能ということから、白鳥は打でシャンポン待ちを選択した。

息をのむ三者のつばぜり合い・・・では終わらなかった。場の緊張をさらに高める、「リーチ」の声が卓上に響く。

意を決して堂々と切り込んだ声の主は「麻雀バガボンド」滝沢。手はリーチ三色、カン待ち。こちらもツモか一発、もしくは裏ドラが乗れば満貫の手だ。

実はこの局、滝沢の配牌も決して悪いものではなかった。ピンフ形で、伸びれば三色まで見える牌姿。

思いだしてほしい、小林が鳴いた滝沢の打を。彼は、この形からを打ち出している。123の三色、あるいは引き次第でジュンチャンも見たか。いずれにしても高打点を狙う手組みである。そして滝沢は、イーシャンテンの形から親の園田に通っていないまでツモ切ってアガリに向かっている。彼も、戦い続けて勝負の土俵に乗ったのだ。

四者がそれぞれ、見事な手順でテンパイまでたどり着いた。しかし勝者は一人である。リーチをした滝沢がをツモ切った。白鳥が待ちのままであれば8000点のアガリだったが・・・