そして僥倖のをツモり、2,000オールのアガリを決めた。
他家の動向もあるが、鳴いてなければテンパイも入っていなかったため瀬戸熊は唯一のアガリを拾ったとも言える。
確かに、鳴きを入れずに大物手を狙っていく麻雀の方がこれまでの瀬戸熊のイメージに近く、人によってはこのアガリも「瀬戸熊らしくない麻雀」に思えてしまうのかもしれない。
しかし、昨年の逆境を乗り越えたからこそ生まれたアガリを貪欲に追い続ける姿勢、それもまた一つの「魅せる麻雀」なのではないだろうか。
綺麗な高打点を決めるのは確かに美しいが、美しくなくとも泥臭く粘って勝ち取ったアガリは、人を魅了する。
あと数日で、雷電にとって勝負のセミファイナルがスタートする。
レギュラーシーズンは本田の活躍がチームを牽引してきたが、これまでメンバー一人のプラスだけでファイナルに進出できたチームは殆どなく、メンバーの内最低でも2人はポイントを稼いだチームが進出を決めてきた。
雷電が迎える最大の試練。
逆境を乗り越えてきた瀬戸熊が見せるアガリへの執念が巻き起こすであろうドラマを、予感せずにはいられない。
日本プロ麻雀連盟所属プロ。株式会社AllRuns代表取締役社長。業界を様々なやり方で盛り上げていくために日々奮闘中。Mリーグ観戦記ライター2年目。常に前のめりな執筆を心がけています(怒られない範囲で)。Twitterをフォローしてもらえると励みになります。
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