【Mリーグ2025-26】KADOKAWAサクラナイツが阿久津翔太の入団会見を実施

7月1日、前日に行われたMリーグ2025-26シーズンのドラフトでKADOKAWAサクラナイツが指名し、同日に入団が決定した日本プロ麻雀連盟・阿久津翔太プロの入団会見が行われた。会見には阿久津と森井巧監督が出席し、メディアからの質問に答えた。

森井監督

「今回、阿久津選手を獲得した理由は、既に昨日少しお話しした部分もあるんですけれども、大きく3つあります。

1つ目は、現時点で麻雀が非常に強いと僕が感じているということが、まずは一番大きいというところです。これはサクラナイツの練習会に阿久津選手に来ていただいたりしていて、非常にハイレベルな選手だと感じているところもありますし、自団体でもA1リーガーとして活躍しています。

2つ目は、非常に麻雀に対して真摯であり、本当に真面目だなという印象を持っています。これは阿久津さん自身のYouTubeで、牌譜を作るところから自分ではじめて、そこから自分で検討配信を、何人見ているとかも関係なくずっと続けている、みたいなところで、自分の麻雀に対してすごく研究熱心だなというその姿勢を、僕はとても高く評価していますし好感を持っています。

3つめは、とても若くて、成長性が期待できるというところです。先ほど、既に麻雀が強いとお伝えしたんですけれども、その中でもまだまだ成長の余地があるところも、僕としては評価につながっていると思っています。Mリーグ自体は本当に若い方々が見るコンテンツだなと思っていて、そういった若い方々の期待というか、麻雀を非常に熱心に研究したり、真摯に向き合っていたりする方がMリーガーになるということの意味も含めて、阿久津選手はその代表となっていただけたら、という思いもあって、今回獲得させていただいたという形になります」

阿久津

「改めまして、この度KADOKAWAサクラナイツに指名いただきました、阿久津翔太です。

ドラフトで指名された瞬間、やはりうれしい気持ちと、今までのドラフトと違って今回は選ばれるかもしれないというドキドキもあったので、ほっとしたという気持ちも少しあったんですけれども、僕はそれ以上に『勝たなければいけない』という使命感や責任感が非常に大きいです。先ほどの森井監督のお話にもありました通り、やはり実力を非常に評価されているということで、結果を出さなければならないというところもありますし、やはり世間の目からは『内川プロを自由契約にして入れた選手が本当に活躍できるのか、この29歳が』という気持ちもあると思いますので、そういった疑問だったり不安に対して、それを納得させるような麻雀の内容と結果を見せていかなければならないと思っています。また、サクラナイツというチームがよりファンの方に愛され、そして新しくサクラナイツを応援してくださる方が増えるように努めていかなければならないなと思っております。

また、サクラナイツというチームの印象としましては、やはり練習会に以前から参加させていただいていて、チームの選手とももともと非常に縁があるということで、チームとしてすごくやりやすいのかなと思っております。特に先ほどの、これはまた森井監督の話なんですけれども、僕自身の成長性といったところで、やはりチームに堀慎吾選手という誰もが認める最強の選手がいるということで、やはり自分が打った試合をすぐにフィードバックを強い選手からいただける機会、もちろん渋川選手も強いですし、それは麻雀プロとして成長する上で非常に重要なことだと思っているので、僕が成長するためにもこのチームは本当にいい環境だと思います。僕の成長がチーム優勝の一番の近道になっていくと思うので、これからチームに入って、まずは今の実力を示すとともに、シーズンが始まったらどんどん強くなっていく姿も見せられたらいいなと思っております」

-来季からMリーグの舞台で戦うことになりますが、ご自身の強みや個人としての目標をお聞かせいただけますでしょうか。

阿久津

「強みとしましては、かなり攻撃性が高めというか、定石とかにあまり引っ張られない、常に何が得なのかを考え続けて比較し続けるところ、『これが大体正解でしょ』みたいな感じじゃなくて、必ず毎回判断し続けるところが強みです。時代とともに麻雀の正解も少しずつ変わりつつあるんですけど、そういったところにも柔軟に対応できますし、また先ほど言った堀選手からの助言とかを生かす力も非常に強いのかな、と思っております。

個人としての目標なんですけれども、チームを優勝へ導く存在の一人となれるように、大きなプラスを持ち帰る、これはまず一つの目標であります。やはり世間の目からはどうしても、この度EX風林火山に入りました内川選手と比較されるところはあると思うので、そこは負けられないな、という気持ちは当然あります。

個人としての目標も大事なんですけど、何よりもこれから将来的に、KADOKAWAサクラナイツというチームが継続して優勝争いをし続けるチームになることが非常に大事だと思っています。毎年ファイナルに残り続けることができればいつか必ず優勝できるわけで、それが継続的にできて『今年もサクラナイツは優勝できるかな』と、そういったワクワクをファンの皆様に楽しんでいただくことができるよう、そのために勝っていくことが目標となります」

-現状の麻雀界では、特に20代の男性プロが台頭しにくい状況があると思います。その中にあって29歳でMリーグに入られたということで、若手男子プロの強さを証明するというところでも非常に重い責任があるのではないかと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。

阿久津

「第1期若獅子戦というタイトル戦は瀬戸熊プロが発案してくださった、30歳以下の連盟の男子プロが参加できるものです。僕はそちらで優勝したんですけれども、同じときに作られた桜蕾戦という30歳以下の女性プロのタイトル戦の第1期で優勝したのが伊達朱里紗プロで、その次に優勝したのが菅原千瑛プロでした。この2人がMリーグで活躍したということで、かなり若手の女流プロだったり、これから入ってくる女流の選手だったりのモチベーションにすごくつながりましたけど、若獅子戦の優勝者からはまだMリーガーが出ていなかったというところで、僕としても若獅子戦の優勝者からMリーガーが選ばれれば、若手男子プロにもどんどん希望の光が見えてくると思っておりましたので、今回この指名をいただけたというのは、麻雀業界において非常に大きな一歩なのかなと思っております。

この業界がどんどん大きくなるためには、若手プロがどんどん台頭していくのが非常に重要になってくると思いますので、僕がこれからMリーグで活躍することができれば、よりこれからの男子プロの活躍が表れてくるんじゃないかと、そういった意味でも必ず勝って、活躍しなければならないなと思っております」

森井監督

「そんなプレッシャーに感じなくていいですよ(笑)。さっきもめちゃめちゃ固いなと思ったけど、そんなに感じなくて大丈夫。のびのびやってもらうのがいいかなと思うので。今季はいろいろと比較もあると思いますけど、言っても若手なので、伸び伸びとウチのチームで阿久津選手らしい麻雀を打っていただくのが僕は一番大事かなと思います。

あと、堀さんのフィードバックって言ってたけど、一応渋川さんもね(笑)。何で堀さんと言っているかというと、練習会ではほとんど堀さんが指導役というか見る役で言っていたので堀選手の話が出ていましたけど、渋川選手もすごく力のあるプロなので、いろいろなフィードバックができるのがウチのいいところかなと、改めて思います」

-阿久津選手は、昨年の麻雀最強戦に内川プロの推薦で出場されて優勝されましたが、今回は内川さんと入れ替わるような形で、チームとしてももちろん、個人としても関係性のある方なので、どうしても意識するところはあると思います。今回は敵として戦う形になりましたが、思うところはありますでしょうか。

阿久津

「思うところはやはりいろいろあるんですけれども、内川選手が自由契約になって自分が指名された時に、後ろめたさではないですけど、内川さんに推薦してもらって最強戦に出させてもらって、その内川さんの代わりに入るというちょっとした気持ちがあったのですが、内川さんが風林火山に指名されたときは正直ほっとしたというか、気持ちを切り替えて、内川さんとの戦いを楽しもうという気持ちに変わりました。

同じ団体のA1リーグということで、A1リーグでの戦いもありますし、このMリーグでも戦えるということで、やはり推薦してくださった内川さんに自分の強さを証明するというところもありますし、やはり今季Mリーグを見てくださる方も、その対決は非常に楽しみにする一つなのかなと思いますので、まずはその戦いを楽しんでいきたいなと思っています」

森井監督

「昨日、亜樹監督が横に座っていて、僕とのコントラストがすごくて、天使のような亜樹さんと悪魔みたいな僕がいて、辛いと思いながらあそこに座っていました(笑)。亜樹監督もサクラナイツ戦では内川選手を起用するという話をしていて、それが本当かどうかは分からないですけど、それがMリーグ全体の盛り上げにつながればいいですし、僕らとしても全力で勝ちにいきたいな、と改めて思っています」

-阿久津選手を含めて多くのMリーガーが新しく誕生する中で、Mリーグ1年目として比較されると思いますが、昨日指名された他の選手の中で対局が楽しみとか、負けたくないとか、そういう存在はいらっしゃいますか。

阿久津

「昨日指名された選手ですと、やはり三浦智博プロは自団体の選手で、今連盟で活躍している比較的若手寄りの選手として比べられることも多い選手なので、負けたくない気持ちもあります。でも正直、心の中では自団体の選手が活躍してくれるのもうれしいところではあるので、敵チームですが頑張ってほしいなという気持ちも多少あります。

あとはアースジェッツの1位指名の石井一馬選手。本当に強い選手だというのはずっと前々から知っていて、むしろもっとスポットが当たるべき選手だと思っていました。タイトルはもともと獲ってはいたんですけど最高位とかに縁がなかったのが、今年最高位を獲って、さらに他のタイトルも獲得されて一気に名を上げてきて『ようやく来たか』と。そんな石井一馬選手との戦いというのも、非常に楽しみです」

-昨日のドラフトをどこで見ていたかと、指名された後にいろいろな方からお祝いの言葉をいただいたと思いますが、特に印象に残っている言葉ですとか、どなたからいただいたか、教えていただけますか。

阿久津

「当日は自宅で見ていました。日本プロ麻雀協会のリーグ戦がその日は放送されていて、僕は結構他団体の対局とかも見るんですけど、そちらを見ていて、ドラフトの時間になったらドラフトを見て、という感じでした。

本当にいろいろな方からお祝いの言葉をいただいて、高校の同級生だったりとか、昔一緒に働いた職場の仲間とか、本当にいろいろな方からの言葉が胸に残ったのですが、特に残ったところであると、私が地元を出て最初に働いたお店の責任者の方、本当に人生でも一番くらいにお世話になった方なんですけど、その方が『阿久津は嘘とかずるいこととか、そういうところから一番遠い存在だ』と、そういう誠実さを非常に評価してくれていて、自分のことをよく分かっている人がそういうふうに評価してくれているのは非常にうれしいなと思いました」

-サクラナイツさんと言えば、いろいろ楽しい企画をたくさん出されていますが、そういったエンタメ的なところはどれくらい得意でしょうか。そして森井監督には、そんな阿久津選手にやらせてみたい企画があれば、教えてください。

阿久津

「エンタメ力で言うと、やはりチームの今いる3人が強すぎて、僕はなんとかついていくので必死かなという感じなんですけども、強いて一つ強みを挙げるとすれば、実況とか解説を長らくやっていたということもあって、麻雀関係のしゃべるお仕事は得意なので、そういったところも生かせればなと思っております」

森井監督

「たとえば堀選手が入ったときに、エンタメ向きかと言われたら、みんなそんなことを1ミリも思っていなかったと思うんですよ。でも今見ていただいたら、こんな感じでいろいろなことをやっていただいてチームを盛り上げてくれることをしていただいているので、たぶんいろいろな発掘があるんじゃないかなと思っています。早速Xでのやり取りでは私服について、岡田選手と何かやるか、みたいな感じで掛け合いとかもあったりしたので、そういったのも企画にしたりできたらいいなと思います。

サクラナイツはとにかくオフシーズンが忙しいのと、あとは堀さんがすぐに『これは若手の、新人の仕事だから』と言ってすぐに振ってくるので、そういう仕事も増えていくんじゃないかなと思います。そういった活躍も、いろいろやっていけたらなと思っています。

7月のどこかで選手のタイミングを合わせて、まずはみんなで集まった配信をやりたいなと思っていますので、そこでもしかしたら新しい何かが生まれるかもしれません。ぜひ皆さん、楽しみにしていてください。これから調整したいと思います」

-岡田選手の印象や関わりについては。

阿久津

「岡田さんは非常に面倒見のいい先輩、という感じです。僕がジムに通い始めたときとかも、ちゃんと続けるように言ってくれたのが岡田さんですし、勉強会とかもあって非常に交流の深い先輩かな、といったところです。それこそ岡田さんがまだサクラナイツに入る前も、連盟の若手勉強会とかで一緒だったり、そういったところで付き合い自体は結構長い選手かなと思います」

森井監督

「ジムを続けていくのはいいんじゃない? サプリメントだったり、食事はこうだよ、とかって話はあったりするんですか」

阿久津

「そうですね。ちゃんとまず『痩せろよ』っていう話を会うたびにされます(笑)」

森井監督

「一時からすごい増えたよね」

阿久津

「1回ガッて痩せて、またちょっとずつ戻って、今はもう1回下げようとしてるところですね」

-Mリーグは7年経って、各チームごとにサポーターの個性が思いますが、阿久津選手から見たサクラナイツのサポーターの印象と、阿久津選手が入ることで、今後こういうファンを増やしたい、という思いがあれば教えていただけますか。

阿久津

サクラナイツのサポーター、ファンの皆様はすごくあったかいなと、SNSを見ていて本当に思います。厳しい意見とかよりも優しく選手に語りかけるというか、そういった声が非常に多くて、温かいチーム性がサポーターの皆さんにも表れているのかなと、僕自身は非常に思います。

そして、僕自身が若い選手ということで、若い層に好まれるチームになったら非常にうれしいなと思います。もちろんたくさんの世代に好まれるべきではありますけれども、このMリーグ自体がどんどん広がっていくとなると、やはり広がっていくのは若い世代が多いのかなと思いますので、そういった世代に愛されるようなチームになればいいなと思っております」

-サクラブレードの持ち方や色は決まっていますか。

阿久津

「まだ決まっていません」

森井監督

「それこそ4選手が集まったときにワイのワイのやる可能性があります。渋川さんのときも全然決まってなくて、気がついたらこうなってたからね。もしかしたらとんでもないポーズになるかもしれませんけど、それはみんなで話して決めたいと思います」

会見の最後には森井監督から渡されたユニフォームを初めて着用。

正式に、KADOKAWAサクラナイツとしての一歩を踏み出した。

阿久津がこれからMリーガーとしてどのような活躍を見せてくれるのか、ファンならずとも期待と注目が集まるだろう。

 

 

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