ただ、ここでを切っていれば…
このでの一発ツモはあった。
打が普通だと思うが、滝沢の胸にこのアガリ逃しが大きく残ってしまう。
この日、滝沢が浮上することはなかった。
滝沢がアガリを逃した直後、仲林の手が止まる。
北家・仲林圭の場合
完全なる手詰まりを起こしている。
何を切るのがよいだろうか。
放銃率が一番低いのはである。
を4枚持っていてが通っている。
それだけではなく、が先に切ってある上、を自分が持っているのでカン待ちが考えにくい。
というかそれしか切るものが見当たらない。
しかし、仲林が切ったのは…
4枚持っているだった!
全員がベタオリしている状況では、を1枚通したところでどうせ次に困る可能性が高い。
さらに岡田のリーチは
←リーチ
と、なんでもあるリーチだ。
はたしかに通りやすいが、シャボ待ちだってという形だってあり、それならば4巡凌げるの方がトータルで生き残りやすいと言えるのではないか。
この打によって運命が狂ったのが…
西家・本田の場合
本田もまた手詰まりを起こしていた。
仲林がではなくを切っていたらを切ることができた。(が4枚見えている)
だが出てきたのは… 本田の背中に嫌な汗が流れる。
本田は岡田の手牌に吸い込まれるようにを切った。
滝沢のアガリ逃し、仲林のひねり出したにより生まれた放銃。
本田もまた、オーラスまで浮上することはなかった。
以降も岡田の早いリーチ攻勢に仲林が食らいつくも及ばず、以下の点棒状況でオーラスを迎える。
本田は箱を割り、3着に浮上するにはマンガンツモが必要である。
苦しいか。
いや、苦しくはない。
マイナス1000ポイントを超え、戦いに参加することさえできなかった昨年を思えば、今の状況は僥倖だ。
雷電ユニバースは5年待った。
慢性的に勝てなくとも、全く条件がなくとも、ただただ4人を応援し続けた。
無条件に応援してくれる、ユニバースがいる。
信じてくれる、先輩がいる。
だから、絶対に間違えられない。
絶対に負けられない。
昨シーズン翻弄されていた男は、たった一年で頼れる存在になった。
この攻めを見た黒沢が2戦目にらしい大きなトップをとり