倒れるときは前のめりに 本田朋広、ユニバースが5年間夢見た ファイナルステージへ導く【Mリーグ2022-23セミファイナル観戦記4/11】担当記者:ZERO / 沖中祐也

ただ、ここで【4マン】を切っていれば…

この【8ソウ】での一発ツモはあった。
【發】が普通だと思うが、滝沢の胸にこのアガリ逃しが大きく残ってしまう。

この日、滝沢が浮上することはなかった。

滝沢がアガリを逃した直後、仲林の手が止まる。

北家・仲林圭の場合

完全なる手詰まりを起こしている。
何を切るのがよいだろうか。

放銃率が一番低いのは【4ピン】である。
【6ピン】を4枚持っていて【1ピン】が通っている。
それだけではなく、【1ピン】が先に切ってある上、【赤5ピン】を自分が持っているのでカン【4ピン】待ちが考えにくい。
というかそれしか切るものが見当たらない。

しかし、仲林が切ったのは…

4枚持っている【6ピン】だった!
全員がベタオリしている状況では、【4ピン】を1枚通したところでどうせ次に困る可能性が高い。

さらに岡田のリーチは

【白】【南】【1ピン】【1マン横向き】←リーチ

と、なんでもあるリーチだ。
【4ピン】はたしかに通りやすいが、シャボ待ちだって【4ピン】【5ピン】【5ピン】【5ピン】という形だってあり、それならば4巡凌げる【6ピン】の方がトータルで生き残りやすいと言えるのではないか。

この打【6ピン】によって運命が狂ったのが…

西家・本田の場合

本田もまた手詰まりを起こしていた。
仲林が【6ピン】ではなく【4ピン】を切っていたら【7ピン】を切ることができた。(【8ピン】が4枚見えている)

だが出てきたのは【6ピン】… 本田の背中に嫌な汗が流れる。

 

本田は岡田の手牌に吸い込まれるように【3ピン】を切った。
滝沢のアガリ逃し、仲林のひねり出した【6ピン】により生まれた放銃。

本田もまた、オーラスまで浮上することはなかった。

以降も岡田の早いリーチ攻勢に仲林が食らいつくも及ばず、以下の点棒状況でオーラスを迎える。

本田は箱を割り、3着に浮上するにはマンガンツモが必要である。
苦しいか。

いや、苦しくはない。
マイナス1000ポイントを超え、戦いに参加することさえできなかった昨年を思えば、今の状況は僥倖だ。

雷電ユニバースは5年待った。
慢性的に勝てなくとも、全く条件がなくとも、ただただ4人を応援し続けた。

無条件に応援してくれる、ユニバースがいる。

信じてくれる、先輩がいる。

だから、絶対に間違えられない。

 

 

絶対に負けられない。

 

 

昨シーズン翻弄されていた男は、たった一年で頼れる存在になった。
この攻めを見た黒沢が2戦目にらしい大きなトップをとり

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