【 #神域リーグ2023 セミファイナル第2試合観戦記】復活の天開司 地獄の底で燃え上がった炎は グラディウスを導く燈火となる【文 #後藤哲冶 】

復活の天開司
地獄の底で
燃え上がった炎は
グラディウスを導く
燈火(とうか)となる

神域リーグの主催者、天開司
麻雀を愛し、この麻雀プロも交えた大規模な私設リーグを作り、自ら盛り上げようと努力するVtuber。

そんな天開司の、今年は。

まさしく、地獄だった。
当たり牌を当然のように掴み。
選択は悉く裏目り。
渾身のリーチは空振り続ける。

不運を背負い続けた彼は、対局後に音信不通になったことすらあった。
自らが麻雀が好きだという気持ちで始めたのに、こんな仕打ちを受けてはそうなるのも当然だった。

天開はそれでも麻雀に対して真剣に取り組んだ。
どれだけの理不尽を受けて尚、必死に藻掻き続けたのだ。

セミファイナルは第1試合を終え、グラディウスは風見が奮闘したものの、ゼウスの天宮に僅かに上をいかれ、5位ゼウスとの差は縮まっている。
その差僅か37.3pt
この第2試合は間違いなく、セミファイナルの分水嶺。

地べたを這いつくばり、その槍は折れかけた。

さあ天開司
もう一度立ち上がり、チームを導く力は残っているか?

セミファイナル第2試合
東家 桜凛月  (チームゼウス)
南家 天開司  (チームグラディウス)
西家 鈴木勝  (チームアトラス)
北家 或世イヌ (チームアキレス)

東1局

まず開幕1枚目から動いたのは或世だった。
この神域リーグで或世の代名詞ともなったホンイツ。しかしそれはもう、ただガムシャラに向かうだけではなくなった。
今回も、役牌の【白】があること、ドラがピンズであることからピンズの染め手を選んだ。

【赤5ソウ】も当然のように切っていく。
その【赤5ソウ】に声をかけたのが。

ゼウスの桜だった。
【白】バックの仕掛け。ドラが鳴けるのであればと前に出る。
ここで桜がトップをとれば、ゼウスはファイナル進出に大きく近づくことができる。

しかしこの局は桜の頼みの綱である【白】が或世に持たれていたのが痛かった。
【南】が或世に捕まり、桜は3900の失点。

東2局

親番を迎えた、天開。
良い形が残っているとは言えないが、なんとかイーシャンテンまでたどり着いた。

ここは打【1ソウ】【赤5ソウ】が出て行ってしまうカン【2ソウ】の受け入れは拒否して、ドラは最低1枚使う構え。

テンパイ……だが、直前に勝からリーチが入ってしまった。
リーチの一発目。出ていくのは、【4ピン】【7ピン】を自身で3枚使っていることから、【4ピン】【7ピン】は勝にとても怖い。
更に、自分はカン【4ソウ】と待ちが悪い。

少しでも気持ちが弱い方に流れれば、リーチができなくなる、そんな場面。

天開が、目を閉じ、大きく息を吐いた。

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