熱論!Mリーグ【Sun】
愚直に最善を尽くすだけ!
絶望と希望の狭間で足掻く
赤坂ドリブンズの矜持
文・東川亮【日曜担当ライター】2020年1月19日
「大和証券Mリーグ」は、1/19の試合が終わるとレギュラーシーズンの全日程の2/3を消化する。
順位変動の大きいMリーグにおいてはまだまだどのチームもさまざまな可能性が残されているが、それでも残り試合数が1/3を切ってくると、順位に対する意識は強くなってくるだろう。
特に、最下位に沈む赤坂ドリブンズは厳しい。
ここ20戦トップがないという状況で、そろそろ浮上のきっかけをつかまなければ、エンジンがかかったときには手遅れだった、ということにもなりかねない。
1戦目
1/19の1戦目は、黒沢、前原による高打点の応酬となった。
東2局1本場、黒沢がもはや当たり前かのように3000-6000をツモれば・・・
次局、親番の前原が4000オールをツモって逆転。
その後、南場では前原が3000-6000、
2000-4000と立て続けにツモってリードを広げるが、
オーラス、親の黒沢が6000オールで前原を急追。
最後は逃げ切りたかった前原がで岡田に放銃してしまい、黒沢がこの試合を制した。
1試合をダイジェスト形式で振り返ってみたのだが、その中で鈴木たろうの名前は一度も出なかった。
全9局あったこの試合で、たろうは一度もアガっておらず、テンパイ料による収入すらなかった。
ただ一方で、他家への放銃も一度もしていない。
ツモとテンパイ料で削られ続け、素点でマイナスの4着となってしまったのだ。
しかしたろうは、この試合で何もできなかった、ましてや何もしなかったというわけではない。
南2局、この試合最後の親番において、たろうに与えられた配牌がこちら。
九種十牌、はっきり言って最悪に近い。
まず見える手役は役満・国士無双だが、そもそもアガリどころかテンパイにたどり着く確率が極めて低い上、他の手役との天秤もかけにくい。
だからと言ってここからメンツ手に向かうとなれば、よほどのことがない限り先制を取るのは不可能だろう。
それでも一縷の望みをかけ、を切ってチャンタを見つつの国士無双に向かうが、
3巡目、前原に持っていないをあっさりと鳴かれ、可能性はほぼ潰えた。
後はただ親番が落ちるのを待つのみか・・・しかし、そんな絶望的な状況でもただでは終わらないのが、鈴木たろうという男だ。
この形からをポン。
さらに、と立て続けに鳴いていく。
それでも手の中はご覧の通りバラバラ。
しかし、他3者から見ればトイトイなどでそれなりの打点がありそうに見えなくはない。
国士無双から牌が重なり、チートイツやトイトイに向かうというのはそれなりにあり得る方向転換だ。
このたろうの仕掛けを他家が警戒している間にテンパイが入れば・・・。
しかし、この時点ですでに前原にはテンパイが入っていた。
さらに無情にも飛んでくる、黒沢のリーチ。