困難は最高のスパイス
猿川真寿の目は
まだ死んではいない
文・ZERO / 沖中祐也【火担当ライター】2024年1月16日
稀代のいたずらっ子
猿川は幼少の頃からいたずらが大好きだった。
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その様子は漫画・追憶のMにも収められていて、マンガにはできないエピソードがいくつもあったのだが、マンガにはできなかったので、マンガにならなかった。
「みんなの驚く顔がたまらなくて」
ニヤリと不敵に笑うその表情は、小学生の頃から全く変わっていない。
第1試合
獣の一撃
東場はほとんど点棒が動かなかった。
猿川がいたずら好きっぽいツモ切りリーチからの
1300/2600をモノにしたくらいで、ほぼ横並びのまま南場を迎えたのである。
南1局、親番の猿川は息を呑んだ。
ドラが合計3枚ある手で、急所とも言えるカンを引き込みイーシャンテンになったのだ。
だが、ここからのどちらを切るかが難しい。
ドラ3だから678の三色にこだわらずにを落としてタンヤオを安定させたいところだが、が2枚切れている。
(もも2枚切れ… でも山にいる&みんなが切ってくれるのは)
(の方でしょう!)
678の三色という最高打点を残しつつ、テンパイ時のアガリ率を重視した選択。
この選択が
最高の形となって結果に結びついた。
タンヤオ・ピンフ・三色・ドラ2・赤の18000である。
「Mリーグは想定とだいぶ違った」
と語る猿川。
ここまでの成績は-252.5と不甲斐なく、チームもずっと最下位という泥土を這っている。
赤入り特有の速度に合わせすぎて、手痛いカウンターパンチを食らうことが多かったという。
大物手をアガリ切ったこの半荘は何が何でもトップをとりたい。
だが当然簡単にはいかず、必ず追ってくる者がいる。
今夜、追ってきたのは桜色のピアスが眩しい
岡田紗佳だった。
南2局、岡田はここからを切る。↓
ポツンと浮いているや、あたりも打牌候補に挙がりそうだが、を切るとその後のマンズを全て切ることになり、を切るとが激痛。
一方で、を切ってもツモは手が進み裏目にならない。