「”オリ慎吾”?
いいや俺は堀慎吾だ!」
天才が見せた至極の
「降りない進行」
文・渡邉浩史郎【火曜臨時ライター】2024年1月16日
第2試合
東家:瀬戸熊直樹(TEAM RAIDEN / 雷電)
南家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:鈴木大介(BEAST Japanext)
”オリ慎吾”
オリエンタルラジオの藤森慎吾さんの事ではない。
きっかけは先日の朝倉プロ解説の時だった。
ミーム的に突如として生まれた概念”オリ慎吾”だったが、定着する可能性は少ないのではないか。
なぜならば……
当の本人が”降り進行”大嫌い人間、オリナイ慎吾だからである。
【東1局】
オリナイ慎吾レベル★☆☆
瀬戸熊から四巡目の親リーチを受けるが手牌にドラドラ赤赤赤内蔵のタンヤオ手。食い延ばしのカンチーから発進していく。
これはオリナイ慎吾でなくても万人(約一名除く)が仕掛けるレベルだろう。
開幕ジャブ代わりのレベル1進行を見せてもらったところで、この半荘決定打となったオリナイ慎吾レベルMAXの手組は【南2局】に訪れた。
【南2局】
4000点近い抜けたトップ目に立っての親番。
和了れば押し込みから決め手まで狙えるそこそこの手牌で、生牌の・を残して一枚切れ自風のからとした。
どうせいずれ切る牌なら、少しでも自分が重ねたときに利のある牌を残す攻撃よりの進行だ。
を引いての選択は打。の受けが被っておりタンヤオにも不要なペンチャンターツ払い。ここでもライバル伊達の現物かつ端牌のを先に切って、引きでのターツつくりを目論んでいる。
目論見通りを引いたが、ここで堀がインタビューで語った第一の選択を迫られる。
巡目が進んで出た伊達のが誰にも鳴かれなかったことにより、手牌のの安全牌としての強度がだいぶ増している。
手に良計ターツも少なく、後に七対子などになればを持つことの意味も生まれてくる。トップ目ということもあり、一般的にはここでどこかしらターツの選択が生まれそうだ。
受けを狭めての安全進行か、目一杯の攻撃進行か……
堀はまっすぐにを打った!
そしてをポン!
変にこの手をを抱えた門前でこねくり回すよりも、最速の和了りを手にすることが結果的に相手の和了りを潰せるという判断だ。かつ、一手替わりにはタンヤオトイトイ赤という大きなリターンも見えている。
トップ目で中張牌だらけ、愚形だらけの手牌。不安だらけ、成り行き任せのlifeとなったが……
最初に残したも重ねてポンに成功。いよいよ手牌は全員への無筋のみとなったが、打点込みのリターンで聴牌ならまだ押せる手牌でもある。
こうなると堀が欲しいのは和了り牌の。そして……
このも、ツモ切ることに意味がある牌である。
で小考した以降は堀はほぼノータイムで、とピンズターツの処理をし続けてきた。
そのあとのツモ切りでの待ちは強烈の一言である。ピンズターツは完成していてソウズ待ちが濃厚、そう子供に思わせてしまえばの出和了りが十分に期待できる。
結果は山3のをそのまま持ってくるツモ和了りとなったが、切り、切り、ポン。どれか一手でも間違えればこの和了りは生まれてなかっただろう。
オリナイ慎吾レベル★★★
【南4局】
最後にオリナイ慎吾レベルこちらもMAX級の押し引きを見ていただこう。