熱論!Mリーグ【Tue】
「奇跡」と「躍動」
が止まらない!
滝沢和典は小説より奇なり
文・ZERO【火曜担当ライター】2019年1月29日
事実は小説より奇なり
誰が予想できただろうか。
上下の変動が激しいMリーグのルールにおいて、残り10戦を切った段階で
3~7位までの5チームが30ptの中にひしめき合っている大混戦を。
開幕前、私は長年麻雀界にはびこる「目無し問題」を危惧していた。
どうやってもファイナル進出が遠くなったチームがどう打つのか…と。
麻雀というのは、どのように打っても誰かに迷惑がかかるゲームであり、この問題はずっと解決していない。しかし今季に限っては目無し問題を心配する必要はなさそうだ。
ここから一戦一戦が非常に重要であり、名場面も多く生まれるであろう。
生き残りをかけたサバイバルレースが幕を開ける。
一回戦。
抜ける寿人を滝沢が追っていくという展開の中、大外から小林がひとまくりするという戦いだった。
決まり手となった6000オール。
リーチ後にを被っているが、そのときの小林の心境は
(お、ツモ以外の牌の中ではより安全な牌だ、ラッキー)
くらいにしか思っていないだろう。魚谷の先制リーチに対し、より通りやすい牌を宣言牌に選択したあとのことなので、後悔は微塵もないはずだ。
こうして、小林・寿人・滝沢・魚谷の順で一回戦は終了した。
続いて迎えた二回戦のメンバーは…
トップを獲ったU-NEXT Piratesの石橋以外、連闘という組み合わせとなった。
——思い返せば、私が初回に書いた観戦記の主役は、滝沢だった
【熱論!Mリーグ】
少牌、役満テンパイ…
滝沢和典は本当に
復活したのか
記事はこちら→2018年10月8日【熱論!Mリーグ】
少牌し、大三元テンパイも滑り、親番ではライバル・寿人に跳満を被せられ、いいところなくラスを引いた滝沢に焦点をあてた記事だ。
今読むと、余計な文章も多く恥ずかしい限りだが、その中で私はこう書いている。
>私はたしかに見た。逆境の中、保留の選択をせざるを得なかったものの、未来の逆転を見据えていた、滝沢の静かな瞳を。
競馬に「叩き二走目」という言葉がある。一回目は緊張のあまり、自分を見失ってしまったが、二回目以降は慣れてその実力を発揮できるはずだ。次回以降の滝沢にも注目していきたい。
この予見通り…とまでは言わないが、滝沢は2戦目以降、吹っ切れたように活躍しだした。
さて、二回戦。
まずは小場で迎えた東4局。
滝沢が寿人の切ったドラのをポンした場面。
ここから何を切るか?
ももオタ風なので、役としては頼みの手だ。そしては2枚見えている。
滝沢はあいも変わらず華麗な手つきでを切った。
瞬間、のポンだけはできるように構えておき…
手が進んだら→と連打していく手筋。
こうすることによって、相手の手とぶつかりそうな後半に、安全な牌を打ち出しながらテンパイにこぎつけることができる。
一回戦ラスを引き、あとのない魚谷からマンガンのアガリとなった。