345をチーしただけなのに
文・越野智紀【火曜担当ライター】2022年 11月 22日
第2試合

東家:勝又健志(EX風林火山)
南家:佐々木寿人(麻雀格闘倶楽部)
西家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:黒沢咲(TEAM RAIDEN / 雷電)
繊細な勝又・堀チームと豪快な寿人・黒沢チームに分かれた印象のある対戦カードで、二つの勢力が激しくぶつかる試合になりました。

豪快チームの黒沢選手のリーチに対して

無筋のから勝負した繊細チームの堀選手。
どうせ降りる気がほぼ無い手なら二番手三番手が来る前にを処理することが狙いなのかと思っていましたが、堀選手の麻雀は1回見ただけでは理解出来ない連載中のHUNTER×HUNTERのようなもの。
その複雑に絡んだ糸のような麻雀を解いていくと

多くの人が選択しそうな取りあえず安全なから切る場合では、テンパイしてから
を勝負する形になり現物の
待ちでダマテンにしても警戒されてしまいます。
これがの切り順を逆にすることで
を切った時にテンパイが入ったようには見えず、もしダマテンが入っていたならばそれ以前からテンパイをしていて
は
とスライドしただけか降りたかのどちらかに見えます。

二人が仕掛けたことも好材料で、ある程度やる気を出していた人が後から降りた場合に堀選手の手をテンパイしていないと思わせることが出来ればが打たれる確率は上がりそうです。

タイミング良く打たれる。
これは堀選手に取ってチャンス拡大な状況です。
もしを引いて
を切ることが出来れば
とのスライドかテンパイを外したかに見えるので、無警戒で
を打たれる状況が整っていました。

残念ながらここではテンパイは入らず。
黒沢選手の現物は鳴きたい牌なので、後に
を手出ししてトイツ落としかもと思わせるために
を切って
を残しました。
周りの警戒を解くことと、ダマテンが入った時にテンパイしていないように見える牌を手に残すことに集中します。
ここで実況の松嶋さんから「が無ければ
を引けば良いじゃない…ホリーアントワネット」という名言が飛び出ましたが、本編には関係ないので一旦スルー。

すぐに2枚切れのを切ってノーテンを主張する堀選手。
寿人選手に通っていないを残すことは一見リスクにも見えますが、堀選手の
切りの後に寿人選手が
を合わせていることから
からの
切りの可能性が減少していて
は安全度が高く手に残しやすい牌でした。

狙い通りにが鳴けて
切りでテンパイです。
この先に勝負して
切りからの
チーを見て、過去の記憶を遡った勝又選手。
を鳴かずに
を仕掛けた動きが、先週の

をスルーして3,900のテンパイ取らず

満貫テンパイで勝負をした局の思考と繋がり、
チーでは打点不充分な567の三色テンパイと読んでいました。
このの切り順は怪しすぎましたが、
さえ鳴かせてもらえればミッションクリアな堀選手。

これで有利な捲り合いに持ち込み、リーチの黒沢選手からを討ち取ることに成功しました。
この局は繊細すぎてよく分らない手順なので、単行本が発売されてからまとめて読み直そうと思います。
東2局

豪快チームの黒沢選手の何切る。
マジョリティーはドラの切りか、次点で
や
を切りそうなところ。

切り。
マジョリティでもマイノリティでもない、ロイヤリティな一打が出ました。

さらにを持ってきて空切りせずツモ切り。
のトイツ落としがバレても良しの豪快な構えです。
実際1枚手出ししたぐらいでは
のトイツ落としは隠しきれそうにないので、
近辺の情報を出さずにすむ良い判断に見えます。