熱く、
冷静に加点する堀慎吾と、
彼を追った3者
灼熱のオーラス
文・東川亮【月曜・木曜担当ライター】2022年2月17日
大和証券Mリーグ2021、2月17日の第2試合は、こちらの4名による対戦となった。
第2回戦
東家:茅森早香(セガサミーフェニックス) 226.4 ポイント/6位
南家:白鳥翔(渋谷ABEMAS) 91.5ポイント/11位
西家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部) 250.7ポイント/5位
北家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ) 140.0ポイント/8位
4者とも、今シーズンはプラスポイントを積み上げている選手たち。白鳥以外の3者は3桁プラスだ。チームの順位も3位から6位という4チームの対戦。勝利、そしてそれがかなわずとも、一つでも上の順位で試合を終えたいという思いは、熱いぶつかり合いを生む。

東4局、現状トップ目の堀が5巡目のチーでテンパイを入れる。
待ちだが、役は現状
での三色であり、
ではアガれない形だ。門前テンパイなら高打点も見込めそうだったが、
が場に3枚目で、これを逃すと三色にはかなりなりにくそう。

そこに、白鳥が待ちリーチで追撃をかける。

リーチの一発目、堀はをノータイムでツモ切った。この
、無スジのドラである。もちろん現状通っていないスジは多いのだが、待ちが悪かろうが行くと決めたらドラだろうとストレートに打ち抜く。

堀の打点は5800とそこそこで、リーチに対してはかなり戦うつもりだったという。同じ切るでも、こういう切りは見ていてカッコいい。


ここは白鳥がをつかみ、堀に軍配が上がった。

南1局。堀の手には三元牌が5枚入っていた。のポンから発進し、カン
ターツ払い。マックスで大三元までを見た進行。

しかし直後、状況は大きく動く。まずは白鳥がポンでチンイツへ向かう。ここで打ち出されたドラ
を

親の茅森がポン。2人とも、打点が見える仕掛けだ。

さらに茅森が堀の切ったをチーして、

を切り出す。三元役を狙うなら、当然のポンのはず。

堀は鳴かなかった。に一瞥をくれただけで虚空を見やり、思考を巡らす。

そして白鳥のポン打
に合わせる形で
を切った。たしかに大三元の可能性はあるが、現状手の内にターツはなく、大三元どころかアガリすら厳しそう。そしてドラポンの茅森は12000以上の打点が確定、白鳥も一色手なら高打点。アガリ率と放銃率、放銃時の失点を考えれば、前には出られない、という判断だ。

この局はトップ目の伊達がダマテンでアガリきり、2人の高打点成就はならず。その後、少し点数は動くものの順位変動はないまま、試合はオーラスへと進む。

南4局、7巡目の堀。リャンメンターツが多い手牌で、を引いて一つメンツが完成。ここで
を外すとリャンメンターツ3つの2シャンテンというある程度分かりやすい形で進行できる。

だが、堀は切りを選んだ。
のトイツを雀頭とし、リャンメンターツ候補4つから選ぶ6ブロック進行。この時点ではどこも選べず、そしてどこも逃したくない、ということだろう。

次巡、選択がかみ合う引き。もし
を切っていたら、ここからの進行がやや難しくなっていた。

注文通りのピンフリーチを打ち・・・

ツモアガリ。この時点では打点は1300オール、堀は「なんとか裏ドラ1枚お願い!」と祈ったという。

それがなんと裏裏で4000オール。堀が伊達を逆転し、トップ目に立った。

そして次局が最終局となるのだが、ここでは堀以外の3人が、濃密な戦いを繰り広げる。

まずは伊達、1巡目からをポン。堀との点差は9100、この手で逆転条件を作るならマンズのチンイツでの満貫ツモ、ということだろう。ただ、手の内のマンズはまだ8枚で、リャンメンでも使えそうな
だけに、ここから鳴いていくのはなかなか勇気がいる。次巡には
もポン。

白鳥はと、いずれも少考して切っている。3着にはハネ満ツモか茅森からの6400以上直撃という条件で、打点を考えれば一気にホンイツに行きたいところだが、
を引っ張って受け入れの広さを重視する。
暗刻で6400直撃が明確に見えるようになったのは大きいだろう。