熱く、冷静に加点する堀慎吾と、彼を追った3者灼熱のオーラス【Mリーグ2021観戦記2/17】担当記者:東川亮

そして茅森は、2着までハネ満ツモ、トップまでは倍満ツモが必要な状況。ただ、手の内はピンフ形かつドラ赤赤、三色まで絡めば逆転トップすら見えそうな材料がある。

先制テンパイは白鳥、【7ソウ】【9ソウ】待ち。【9ソウ】出アガリなら6400で、直撃条件クリア。ツモって一発か裏でハネ満もあるが、ここはダマテンとした。

2巡後の白鳥、ツモ【7ソウ】

だが、白鳥はツモを宣言せず、牌を横に置いた。ツモ西ドラ赤、2000-4000では、4着のまま試合終了となってしまう。

それを拒否する【9ソウ】切り。あくまでも着順アップを目指す。

そこへ、茅森渾身のリーチが飛ぶ。リーチタンヤオピンフドラ赤赤、【5ソウ】【8ソウ】待ち。【5ソウ】ツモなら、さらに2翻アップで逆転の倍満ツモだ。山には【8ソウ】がすでになくて【5ソウ】が1枚だが、打点女王が最後に条件を作ってきた。

だが、このリーチによって白鳥の条件も軽くなった。茅森がリーチ棒を出したことで、白鳥は満貫ツモで茅森をかわして3着に浮上できるようになったのだ。

そして、最後の【5ソウ】は白鳥の元へ。白鳥は待ち変えができる。フリテン【6ソウ】【9ソウ】【7ソウ】か、出アガリできる【2ソウ】【5ソウ】か。

白鳥は思考に時間をかけ、読みを入れる。マンズの一色手の伊達にソーズはなく、堀もそれほど固めてはいなさそう。そして全体的に【6ソウ】【7ソウ】が見えていないということで、ソーズが茅森に固まっているのではないか。試合後のインタビューでは【4ソウ】【5ソウ】【6ソウ】【6ソウ】【7ソウ】【7ソウ】からの【4ソウ】切りリーチ」と。自身の読みを語った。まさしく、ピタリである。

それゆえの【7ソウ】切りリーチ。行く以上は、打点アップの可能性を追う。

同巡、伊達もテンパイを入れた。だがフーロは【2マン】【9マン】【6マン】ポン、【白】単騎ではホンイツのみで打点が全く足りない。

そこへ、リーチの白鳥が【5マン】をツモ切り。出来メンツからチーして、チンイツへ移行する。リーチが入っていることで、満貫出アガリでも逆転トップ、なにより茅森と白鳥は【5マン】をツモ切るしかない。渾身の、かつ勝算もありそうな裸単騎である。

もつれたオーラスを制したのは白鳥だった。ラス確アガリを拒否してもぎ取った3着は、個人的にも価値があったはずだ。

そして試合は堀が逃げ切って勝利、この日の初戦に続く連勝を飾った。試合後、オーラスのリーチに裏ドラが2枚乗った場面について

「あの瞬間・・・麻雀、やめられないですよね」

心の底から同意したい。

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