振り返れば奴がいる
文・渡邉浩史郎【木曜担当ライター】2024年11月14日
第1試合
東家:二階堂亜樹(EX風林火山)
南家:浅見真紀(赤坂ドリブンズ)
西家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:猿川真寿(BEAST X)
「偽の怒り、偽の言葉、偽の勝負、うんざりなんだよ。そんな戯言じゃまるで埋まらない。期待してるぜ、本物を」
1回戦南2局。浅見が6000オールを決め、勝負の大勢は決したように見えた。
「親番があれば何が起こるかわからない。」とはよく使われる言葉ではある。実際Mリーグでも数多く見てきた。
しかしその裏には何倍もの順当決着があってこそだ。
普通に考えればここから浅見が捲られることなんて、5%もない確率だろう。
……本物を相手取っていなければ。
【南3局】
伊達の配牌は悪くない。しかし局面は亜樹・浅見・猿川の全員が伊達にラスを押し付けたいという方向で一致している。
7巡目でようやく一面子ができて、ターツの選択。ここはが2枚切れということで赤を使う方向にシフトする打。
次巡さらにメンツができて、ここでも選択が生まれる。
ちょうどが二枚切れになったところであり、多少最終形が弱くなっても打点でカバーする切りを選び抜いた。
このイーシャンテンの形から……
猿川から四面張のリーチが飛んでくる。それだけでなく。
亜樹も猿川の上に立つべく、ドラカンチャンリーチを決行。
このリーチですら山に2枚、猿川の四面張に至っては7枚。
当然ほぼ降りはない伊達だが、一軒ならともかく二軒から先制リーチが来るなら少し話は違う。
躱して局面を終わらせての連荘が至上命題となるため、このの裏目が今はひどく恨めしい。
浅見が今通ったを切ったことで、これが鳴けて聴牌。しかし未だ変わらず猿川の待ちは7枚山。都合11枚、勝率10%かそこらの捲り合い。
ドラマ風に言うのであれば、
「トップを取る可能性は0だ。
猿川が同巡掴んだのは10%の! この5800の和了りで下3者横並びの状況までもっていく!
続く【南3局1本場】、猿川のドラ暗刻リーチがわずか6巡で飛んでくるも……。
一発でツモリ上げる!!
リーチ・一発・ツモ・タンヤオ・赤赤・裏の6000オール。
ツモの流れに身を寄せて、これでもう浅見の背中は目の前。
【南3局2本場】も猿川のリーチを三連続空振りさせる和了りを決めて、