たとえ麻雀の神様は
振り向かなくとも…
園田賢が放つ卓上の魔法は
色褪せない!
文・渡邊浩史郎【金曜担当ライター】2020年10月16日
Mリーグ2020も二週目に突入した。
チームや選手の好調・不調も出てきて、応援しているファンの方達からすれば一戦一戦応援する手に力がこもるような展開が続いている。
1戦目
東家 近藤誠一(セガサミーフェニックス)
南家 沢崎誠(KADOKAWAサクラナイツ)
さて今回、1戦目に出てきた四人を好調・不調で分けるとどうなるだろうか。
KADOKAWAサクラナイツ・沢崎誠は2020開幕戦を鮮烈な逆転大トップで飾った。今年のレギュラーシーズンも好調を予感させてくれる。
EX風林火山・二階堂亜樹は2020シーズンから連帯を外さず、内容も充実した好調な選手と言って差し支えないだろう。
セガサミーフェニックス・近藤誠一はまだ今年トップこそとっていないものの、一昨年、昨年と結果を残してきている。一方で赤坂ドリブンズ・園田賢は目覚ましい成績を残した2018レギュラーシーズンのイメージから、どうしても2019~今にかけての状態を不調だと感じてしまう人が多いのではないだろうか?
もちろん不調といっても園田のマージャンが今までと比べて大きく変化したわけではない。展開だったり牌の積まれ方が噛み合わなかったりしていることが大半だ。
園田がそのことを証明するためには変わらぬ自分のスタイルで打ち続け、結果を残すことが必要である。当然、園田自身もそれを一番わかっているはずだ。
”不調と言われることからの脱却”。今回はそんな園田に焦点を当てて試合を見ていきたい。
【東1局】
園田はここから打とした。現状メンツ手としてのブロックは足りている状態。ならば四対子を重く見て七対子の即リーチに行きやすい字牌を残した形だ。対子のやが両面変化しやすいのも周りを見切るに値した要因であろう。
次順メンツが出来ても打として七対子の目は消さない。園田がこの手をかなり七対子に比重を置いていることがわかるだろう。
狙い通り両面が二つできて、ここで始めて七対子を見切る打。
を引いて、ここは……
メンツ手に向かったからにはを切っているとはいえ、両面の種で三色の種にもなる浮き牌は大事にしていく。
こんな悲しいフリテンのカンチャンターツが出来てしまうこともあるが……
聴牌までに引き戻せば問題ない!
を残す構想力で見事なイーシャンテンにたどり着いた園田だったがこの局はここから先が引けず、
仕掛けた亜樹と終盤に形式聴牌を入れた親の近藤の二人聴牌で連荘。
【東1局1本場】
今局は園田の手牌がいい。4巡目にして打点も形も見えるイーシャンテン。
そこに亜樹からの仕掛けが入る。一枚目の字風ののポンだ。
それを受けて園田は沢崎が切ったを両面で仕掛けて聴牌をとった。
亜樹の役牌一鳴きからのターツ外し、親の近藤のターツ外しとそれに伴って親の現物が増えたこと、そして何より自身の手に赤もドラもないことから、この手は躱し手と割り切ったのだ。
実際に亜樹はこの形。
親の近藤も盤石の一向聴だった。さすがの判断力といえるだろう。
聴牌の同巡、親の近藤からのリーチが入る。高め出アガリ18000の超勝負手だ。安めのが3枚切れとはいえ、仕掛けた二人を降ろしたほうが自身が有利な状況に持ち込めると判断してのリーチだ。
近藤のリーチの現物待ちだった園田だが、ドラ跨ぎのを引いていったん迂回の打。
しかしここは牌の巡りあわせが悪く、降りた矢先に親の近藤からがツモ切られる。それに合わせる形でツモ切った沢崎のを園田がチー。待ちの聴牌だ。