今、成すべきことは 渋川難波、最後の選択【Mリーグ2023-24ファイナル観戦記 5/16】担当記者 #東川亮

最終盤で、渋川にもう一度テンパイが入った。ただし、そこで出ていく【6ソウ】【7ピン】はいずれも無スジで、残りツモ回数は1回。一方、鳴いているのは【中】なのでアガれるし、なによりテンパイして流局に持ち込めば逆転トップの可能性をつなぐことができる。次局にとんでもない手が入って瑞原を沈めることだって、あり得ない話ではない。

まだ、チャンスはあるんじゃないか。

画面に出ているように、松ヶ瀬の待ちは【2ソウ】【5ソウ】で、【6ソウ】【7ピン】も当たらない。

そもそも松ヶ瀬のリーチはフリテンである。

渋川だって、こんな選択をしたくてファイナルに来たんじゃない。

この試合だって華々しく勝利を飾り、控え室で仲間やファンたちと喜びを分かちあいたかったはずだ。

それでも今成すべきは、奇跡を追うことではなく、可能性をつなぐこと。

それがたとえ英雄になれない道だとしても、渋川はブレなかった。

悔しさを抱えながら舞台を去る者がいて、

無念を受け継ぎ、悔しさを乗り越えて栄冠へと突き進む者がいる。

あらゆる感情が渦巻くファイナルの果てに、

5月17日、優勝シャーレを手にするMリーグ6代目チャンピオンが決まる。

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