魔王復活、佐々木寿人の爆勝劇 その陰で、敗れながらも強さを示した堀慎吾【Mリーグ2020セミファイナル観戦記4/22】担当記者:東川亮

魔王復活、

佐々木寿人の爆勝劇 

その陰で、敗れながらも

強さを示した堀慎吾

文・東川亮【木曜担当ライター】2021年4月22日

麻雀において「強い」とはどういうことか。

分かりやすいのは、アガリ倒してトップを取ることだ。

それには、訪れるチャンスをしっかりとものにする力が問われる。

一方で麻雀では、いい配牌やツモに恵まれず、苦しむこともある。

「キツいときにどう打つか」は、強くなるためには避けて通れないテーマ。

そこでの打ち筋も、強者の力が見て取れることは多々ある。

朝日新聞Mリーグ2020セミファイナル。

4/22の第2回戦では、異なる二つの形の「強さ」が見られた。

4月22日 第2回戦

東家:佐々木寿人KONAMI麻雀格闘倶楽部

南家:園田賢赤坂ドリブンズ

西家:堀慎吾KADOKAWAサクラナイツ

北家:萩原聖人TEAM雷電 

まずは、佐々木寿人の圧勝劇について触れていこう。

東1局

寿人はドラを重ねると、ソーズのカンチャンターツに手をかける。

三色も見えなくはない牌姿だが、手の内にはまだ1メンツもなく、場に中張牌がほとんど切られていない。

メンツ手では仕掛けが使いにくいため、七対子に重きを置いた選択だ。

先制テンパイは園田、中を仕掛けての【5ソウ】【8ソウ】待ちで寿人の親をあっさりと蹴るかに思われた。

その後引いた4枚目の【中】はカン、フラットな東1局ということもあってか、少しでも打点を狙った選択を見せる。

そこへ寿人が追いつく。

七対子の【4ピン】待ちで、ドラドラ赤と打点も十分。

仕掛けで目立つ園田が【1ピン】【7ピン】を切っていて【4ピン】は中スジ、特に園田は使えなさそうな牌だ。

狙い通り、園田からダブついた【4ピン】をヤミテンで捉えて12000の直撃。

これが魔王の蹂躙劇を告げる、はじまりの合図となった。

流局と園田の連続アガリで迎えた、東2局5本場

寿人はズバズバと有効牌を引き入れて【6ソウ】【9ソウ】待ちでリーチを打ち、高目をツモって裏を乗せるという効率の良さで3000-6000(+5本場)のアガリを決める。

東4局1本場では【發】【中】トイツの配牌をもらって【發】を仕掛けると、ホンイツを色濃く見た【南】残しの【7ピン】切り。

【2ソウ】【赤5ソウ】とドラが2枚あるが両方は使いにくく、両方を切ってもホンイツに仕上がるなら打点の上ではドラ2枚を使ったアガリと同じだ。

これを見事に仕上げきって2000-4000(+1本場)。

【7マン】が左端にあるのは、【1マン】と間違えたのだろうか。

南場の親番ではドラ暗刻のリーチをツモって4000オール。

次局はカン【4マン】待ちのリーチ赤赤を一発でツモって裏を乗せて6000オール(+1本場)。

3局連続の高打点ツモで、一気に他三者を突き放した。

もはやこの男にツモれない待ちなどないようにすら思える。

誰が言ったか、まさしく「魔王」。

強烈な攻めに打点が伴い、しかもツモられてしまったとあっては、他3者としては止めようがない。

南3局1本場ではわずか2巡でリーチ。

しかも捨て牌は【7ソウ】のトイツ落とし、他3者のうんざりした気持ちがこちらまで伝わってくるかのようだ。

もちろん、これもツモる。

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