試合前の「面白園田タイム」も恒例となりつつある。
長めのインタビューも含めて、園田はエンターテイメント性と実力を兼ね備えた選手だ。
さて、この試合のオーラスでは、
親番の仲林に牌が寄り、
6巡目でメンホンのテンパイが入った。
仲林は、時間を使ったあとで、を切っていった。
その後、
園田のチーが入り、
堀からが打たれたときに、
仲林はアガらない選択をした。
着順やトータルスコアがアガった瞬間は大幅に上がるので、この手を組んだのなら私はロンしそうだ。
ただ、どう立ち回っても優勝は決定しているので、仲林は「オーラスをこの1局だけで終わらせよう」としたのだろう。
どこから出てもアガらない、という考えだったのではないかと思われる。を切るまでの間はそれを決める時間だったのかもしれない。
また、アガったらアガったで「なんで何もしなくても優勝なのにアガるんだ!?」という声も出ていたように思う。
この局は園田がアガって、今シーズンの試合は全て終了となった。
一つ言えるのは、この局の見逃しで、ここまでPiratesが辿ってきた今季の優勝までの過程が色褪せることはない、ということだ。
最終戦のオーラスで見逃す選択肢があるくらいに、今季のPiratesは、
「圧倒的に勝つ」
を実現してきた。
レギュラー、セミファイナル、そしてファイナルを全て1位で駆け抜けた、本当に納得感のある「完全優勝」であった。
歴代最高スコアを叩き出したレギュラーシーズンの最終日は、
鈴木優が連勝し、そのスコアをもってMVPを獲得した。
ポイントとしては、
+437.7。
残った数値だけでなく、常人には押せない牌を切り飛ばして掴んだ印象的な勝利も多く、まさにMVPにふさわしい麻雀だったように思う。
その鈴木優の武器の一つとして、目線や間合いなどの「対人的な読み」がある。
思うに、2年目で「対人読み」の情報もだんだん溜まってきて、より一層有利にゲームを進められたのではないだろうか。
後ろで見ている我々の視点では汲み取れない強さが、鈴木優には存在する。
ということは、だ。
来年以降、さらに「戦闘民族」と呼ばれる鈴木優の押しに磨きがかかる可能性も高いと言えるだろう。
そんな優も、去年のセミファイナルでは、
最終戦で4着となり、うなだれた姿を見せていた。記憶に残っている人も多いことだろう。
それだけに、今年の大爆発を優本人も、
そして、
このアカウントを運営している奥様も喜んでいるに違いない。
優は単身東京へ来てMリーグに参加している。こういった形での奥様の応援や、
愛知にいる娘さんたちの存在が優の支えとなっているに違いない。
優と同時にPiratesに加入した、
仲林圭。
出番がある度に「仲林は強い」という声が大きくなっている実力派だ。ファイナルも含めて、安定感抜群の打ち回しであった。
思うに、仲林は「終盤の鬼」だ。
もちろん、序盤、中盤も強いのだが、捨て牌三段目にどんなに難しい場面が来ても、当たり前のようにこなしていく姿に、凄みを感じたシーズンであった。同じ感想を抱く人も多いと思う。
そんな仲林は、
父母をこの日のパブリックビューイングに招待していた。
高齢のお父さんは病気のため、仲林の記憶が曖昧になってしまっているそうだ。また、このように外出することも、今後出来なくなるかもしれないらしい。