麻雀新世代突入!!新時代への挑戦権を掴み取ったのは…… 麻雀最強戦2024【全日本プロ選手権】観戦記【A卓】文 渡邉浩史郎

麻雀新世代突入!!
新時代への挑戦権を
掴み取ったのは…… 

【A卓】担当記者:渡邉浩史郎 2024年10月13日(日)

最強戦2024

今年もいよいよ表が埋まってきた。

鈴木大介近藤誠一佐々木寿人堀慎吾といった”イツメン”もいるが、やはり注目は新世代の台頭だろう。

現最強位をはじめ、麻雀新時代の突入を予感させるような、そんな今年の最強戦。

こちらのA卓に揃った4人も、全員プロ歴10年未満。間違いなくここで勝つことは麻雀新時代への名乗り上げに繋がる。グランドラインに向けて、ルーキーたちが漕ぎだした。

まず最初に挨拶代わりの配牌を入れたのは、プロ歴9年目でこの卓では最年長の堤文吾。

親番で配牌ドラ暗刻・役牌の【白】が対子の大勝負手!

この一戦を通じてのことなのだが、とにかく文吾の発声が素晴らしかった。

普段から意識しているからこそ、この大舞台でも淀みなく発声・開示・取牌・打牌を分かりやすく、そしてよどみなく行う。文吾のプロとしての矜持もそこにはあるのだろう。そんな一面が見て取れた。

少し時間こそかかったが最初に聴牌を入れる。待ちは【3ピン】【6ピン】

これを見て悩むイケメンが一人。

プロ歴6年、平良将太だ。”愛媛県産みかん”と言ったほうが分かる人には伝わるだろうか。天鳳プレイヤーとしても名を馳せ、風林火山オーディションでは準決勝まで行った、いわば「Mリーガーイーシャンテン」だった男。

手牌はまだまだ降りたくないが、文吾の最終手出し【7マン】を見て小考。
対面の文吾は【白】ポンの後【2ソウ】【1ソウ】【6ソウ】【7ピン】【7マン】と手出し。安全牌の【東】を切っているため、【7マン】はまず関連牌。

放銃になるのはかなり形が限定された数パターンしかなく、自身の手に和了りもあると判断してここはまだ押しを選択。

しかし聴牌は入らず、上家の関本から【4ピン】が打たれる。

小考の末、ここは鳴かず。親の仕掛けを見て中盤降り出した折山はドラを複数枚持っておらず、同じく回り気味の関本にもドラは不明。相対的に親への【6ピン】での放銃率+放銃時打点が上がっているという判断か。

冷静な判断で開局12000の放銃を回避した平良。和了れなかった文吾はアンハッピーといったところか。

次局も文吾が畳みかける。今度は先ほどよりドラが少ないが【2ソウ】ポンして打【7ソウ】、供託回収も見込んでの仕掛け出しか。

ここに折山から七対子ドラ単騎のリーチが入る。

プロ一年目にしてこの舞台に立ったRMU:折山貴裕。サウスポーだから右脳雀士、という私の考察が正しいか正しくないのかは判断を任せるが、一年目とは思えない落ち着いた所作と打ち回しが印象的であった。

このリーチを受けて文吾は絶好の【3ピン】引き。だがここはおとなしく【3マン】から入った。

折山のリーチは【2マン】【3マン】と手出ししてからの【發】切りリーチ。
七対子は匂うが確定しているといったほどではないし、この形に受けておくと一番切りたくないドラの【2ピン】を自然に受けられる。自然な一打であると言えよう。

次巡、炸裂したのは文吾オリジナル。出た【4ピン】をチーしてシャンテン数の変わらない鳴き……

そして無筋の【5ソウ】! ソウズは両面で振ることは無いという色読み、それに加えてどちらも一枚切れで七対子に振ることもないと見て安全に落とせると判断したのだろうか。

聴牌にこそ結びつかなかったが、文吾の麻雀観が垣間見えた一局であった。

そしてここから残された男、関本が台頭する。

電通から雷電、雷電からプロ麻雀へと足を踏み入れた関本。黄色い閃光を右手に宿しているかと思われたが……

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