続く南3局2本場、追いかける身になった大塚が繰り出したのは、リーチ一発ツモタンヤオの2,000-4,000。
出越の先制リーチに真正面から無筋を叩きつけた大塚が再逆転に成功した。
リーチをぶつけられなかった自分と、リーチをぶつけて勝った大塚。
勝負の世界に身を置く出越にとって、このコントラストは目が眩むほどのものだったろうと察するが、どのように眺めているのだろうか。
かくして、勝者と敗者は決した。
今日の対局。
場数をこなしているはずの大塚でさえ終始牌が手につかない印象で、各選手が相当な緊張感で麻雀に向き合っているのが画面越しに垣間見られた。
それは、いつもの麻雀最強戦とは違ったように思える。
500人以上のプロたちが参加した全日本プロ選手権。
遙かなる道程を勝ち上がった8人にとって、この舞台はまさに「夢」そのものだろう。
負けて涙を飲んだ打ち手の思いや、応援してくれるファンの思い。
夢の舞台でそれらを背負って打つことは、プロとしてこの上なく幸せなことであると同時に、押しつぶされそうなプレッシャーとの戦いでもあるはずだ。
「全員にアガらせてあげたい。」
日吉プロが実況しながらしみじみ語っていたが、勝ち上がってきたプロたちの心情に思いを馳せながら対局を眺めていたら、私もそんな思いに駆られた。
この対局をご覧になった皆さんは、どんなふうに思っただろうか?
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