新生フェニックスの柱 #醍醐大 2年目の使命【Mリーグ2024-25観戦記 10/14 第1試合】担当記者 #後藤哲冶

【5ピン】が通っていることから、【2ピン】【5ピン】の形では当たらず。
【2ピン】は多井の目から3枚見えているため、シャンポンでも当たらない牌。
当たるとすると【1ピン】【3ピン】のカン【2ピン】だが、その場合、【1ピン】【1ピン】【3ピン】【3ピン】と持っている所から醍醐が切った【3ピン】を鳴いていないのが不自然だ。
もちろん、【3ピン】が切られた後に2回手出しが入っているので、その後持ってきたケースはある。

しかしやはり、浅見が【8ピン】を切ったタイミングで、未完成ターツが【1ピン】【1ピン】【3ピン】【3ピン】【6ピン】【8ピン】(雀頭)と持っている時、【3ピン】が通っていることからも、【3ピン】を切るのが自然なように思えることから、多井は【2ピン】を選んだ。

しかしこれが、四暗刻のイーシャンテンというレアケースだったからこそ、残ったカン【2ピン】に捕まってしまった。
多井にとっては痛い、8000点の放銃。

今年のABEMASには、強い逆風が吹いている。

東4局

醍醐が好配牌を仕上げ、【3ピン】【6ピン】のリーチを打つ。
これをツモることができれば、浅見亜樹の上位陣に食らいつけるリーチ。

しかし親番浅見がドラの【7マン】を重ねて追い付き、醍醐を追い越していった。
4000オールのツモアガリで、亜樹をかわしてトップ目に立つ。

南1局でも1000、2000を浅見が軽快にツモアガリ、現状のライバルである亜樹の親番を落とすことに成功。

流局を挟んで、南2局1本場

なんとか親番を繋いでいた醍醐に、勝負手が入った。
【發】が鳴けて、全てのドラを使い切れれば12000になる勝負手。

絶好のカン【6ソウ】を引いたところで、【4ピン】切りを選択。
上家の亜樹がピンズ染め模様で、先に処理しておく価値が高く、場に放たれやすい【4マン】周りのくっつきにも構えることができ、一見裏目の【8ピン】ポンができた時は、【5ソウ】【8ソウ】待ちに受けられる。

見事【4マン】【5マン】をくっつけてテンパイ。
3副露で目立っている亜樹には通りそうな【3マン】【6マン】待ちになったことは大きい。

これを多井から捉えた。
12000の加点で、順位こそ変わらないものの、上位2人の背中にぴったりとつけると。

続く2本場にも好配牌が入る。
3巡目に【5ピン】を引き入れて、三色赤ドラのイーシャンテンだ。

数巡後に、絶好のカン【8ソウ】引き。
ダマでも12000点のテンパイだが、迷いなくリーチへ。
ダマの長所は出アガリ率が上昇することだが、ドラ表示牌の【7マン】は全員が使いたい牌であり、ダマでもそう簡単に出てくる牌ではない。
であれば、リーチを打って周りが来こない間に、ツモ抽選を受けよう、というリーチだ。

試合後のインタビューで、醍醐はこの巡目に限り、カン【8ソウ】残りでもリーチしたかもしれない、と語ってくれた。
【3ソウ】【5ソウ】と連続で切ったカン【8ソウ】待ちは、【5ソウ】が関連牌でない可能性が高く、盲点になりやすい。
逆に、【5ソウ】が少し残り、安全牌を挟んでの【5ソウ】切りリーチは、579からのリャンカンの形を疑われ、出アガリ率が下がってしまう。
一巡の後先で、判断が変わる繊細な場面、結果は――

望外の一発ツモ裏1!
フェニックスサポーターにとってはたまらない【7マン】ツモでの8000オール。
このアガリで一気に大きなトップ目に突き抜けると。

その後も安定した局回しを見せ、見事トップを取り切ったのだった。

醍醐はこれで個人2連勝。
チームも首位をキープで好調な滑り出しとなっている。

昨季とは違い、序盤戦の段階で醍醐の柔らかい表情が見る事ができて嬉しい。

大きくチーム体制は変わった。
それが良い悪いではなく。

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