【南3局】、微差のトップ目で逃げ切りたいドラドラの聴牌から、ラス目の松本のリーチを受ける。持ってきたのはまさかのドラ。
今回は”普通なら”の判断が難しい。自身が両面聴牌である以上ツモ切るというのが少なくともつい最近までのトレンドではあった。
正直、高宮がこのドラをツモ切るイメージが全くなかったのは筆者だけだろうか。
高宮は先制・追う側での攻撃的な麻雀がフォーカスされがちだが、こういう点棒を持っているところから放銃時打点が高くなる牌を切るのを露骨に嫌がるイメージだ。
ソウズを切って大きく迂回する。567のソウズのブロックが全部落としやすいとみての素晴らしい判断だ。ここまでは予想の範疇であったが……
うまく回っての、この聴牌。ここから引きでさらに回ったのは予想外であった。
前巡を切っていたらこのでギブアップだったかもしれない。和了りには結びつかなかったが、高宮の”雀風”に新たな風向きが加わっているのをひしひしと感じさせた。
”雀風”は選択の結果である。決して選択の過程に組み込まれるものではない。”攻撃型”だから”こうする”のではなく、”こうする”のであれば”攻撃型”といった具合だ。
客体評価だからこそ、見る人の目・時代の進歩によって変化する。評価を受ける側としてはあまり他者からのイメージに振り回されずに進歩を続けることもまた重要である。
主体的には”単純に君のこと好き”くらいでちょうどいいのかもしれない。
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