充実の「BIGディエゴ」、醍醐大が見せつけた凄み【Mリーグ2024-25観戦記 10/24 第2試合】担当記者 #東川亮

映像ではハッキリ映っていなかったが、この【6ソウ】は大介が山からこぼしてしまった牌だったらしい。「失礼しました」という大介の音声は、マイクが拾っている。

【6ソウ】はいわゆる「見せ牌」ではあるが、それがある場所を知ってしまった。そして自分の手は手順上【6ソウ】がアガリ牌になる形になってしまった。そしてツモ筋が変わるなら、それが本田のアガリ牌でない限りツモ切られることも分かってしまった。

大介はそれをフェアではないとし、自身の見せ牌を戒めるような形で見逃したのだった。Mリーグでは以前、TEAM雷電瀬戸熊直樹が同様のプレーをしたのを、長くMリーグを見ているファンの方は覚えているかもしれない。

Mリーグには、「見せ牌をアガってはいけない」というルールはなく、この【6ソウ】をアガることになんら問題はない。ちまたの打ち手であればアガる人のほうが多そうで、なんなら筆者もアガりそうだ。ここでの本田からの直撃は着順アップに直結し、ポイント的には最低でも28.7ポイントのプラスになる。

ただ、大介はアガらなかった。本人の勝負哲学、あるいは美学といったものに殉じた形だが、 何よりもチームに迷惑をかけたことは事実であり、試合後には勝負師、あるいはチーム戦にふさわしくないと、批判の声も散見された。

もちろん、批判されてもおかしくはない行為ではある。ただ、大介としてここで自身の気持ちに反した振る舞いをしたら、自分の心中に少なからずわだかまりを残すだろうし、それが尾を引いて今後自身の麻雀を貫けなくなることもあるかもしれない。特に、大介はそういう心の部分を重んじる打ち手という印象がある。

 

本人的にも、思うところはあるはずだ。ただ、結果はもう変えられない。このアガらずの選択をした以上は、今後は見せ牌をしないのはもちろん、得られるはずだったポイントを、チームのため、ファン・サポーターのためにも、責任をもって自身の麻雀で取り返さないといけなくなった。そんな大介の戦いには、今後改めて注目したい。

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