6月30日、Mリーグ2025-26シーズンのドラフト会議が行われ、BEAST XはBEAST X メンバー入替オーディションで優勝した下石戟、そして東城りおの2名を指名、交渉権を獲得した。ドラフト会議終了後、チームの担当者である株式会社ジャパネットブロードキャスティングの佐藤崇充氏がメディアからの取材に対応した。
「チームとしては、すごくいいドラフトになったかなと思っています。先ほど日吉さんのインタビューでもお伝えした通りではありますけど、初年度が7位で今シーズンは9位という中で、チームの状況とかファンのコメントを見ても、シビアに言うと『エンタメばっかり考えているチームじゃないか』と言われる声も自覚はしつつあります。
ただ、Mリーグ自体が藤田さんの言われている通り、麻雀をしっかりと浸透させて、面白さをもっと伝えていきたいというところもあったときに、私たちの母体がジャパネットグループ、いいものをしっかり伝えていくところをすごく大事にしている会社です。私たちのチームもBS10という放送局として、伝えるところにはすごく重きを入れる会社ですので、そういった軸を大事にしながらも、一方で今回選ばせていただいた2人もそうですし、大介さん、中田さんも含め、新しい4人でしっかりと結果を出していけるんじゃないかなと思っておりますので、非常にいいドラフトになったかなと思っております」
-下石さんとは、オーディション終了後に話をされていたのでしょうか。
「4選手で集まる場はまだないのですが、下石さんとはオーディションを勝ち上がられた後に、うちのチームの担当者がご本人とお話しする機会がありました。会話をする中で『すごいプロ意識だな』と感じたのは、BEASTのオーディションで勝った後、別で出られた風林火山さんのオーディションをどうするかとなったときに、『そこまで戦い抜いて、しっかり結果を出してチームに合流したいです』と、本人がすごく強く意志を持たれていました。そういうプロの姿勢などは、これまで2年積み上げてきたBEASTにさらにいい血を入れてくれるんじゃないかな、という期待感を下石さんから感じた部分です」
-東城選手の復帰は、今回のドラフトで一番のサプライズだったと思います。どういう理由で指名をされたのでしょうか。
「Mリーグがこれだけ年々盛り上がってきている中で、今回の東城さんは『復帰』という形になると思うんですけれども、一度Mリーグの第一線で活躍をされていて、そのチャンスをある意味失った中で、もう一度チャンスの場があってもいい、というのは我々としても考えた部分でありました。
今回、チームの選手の入れ替えをしないといけないとなったときに『そういった軸もあっていいのかな』と思っていた部分もあり、セガサミーフェニックスでセミファイナル・ファイナルにも行った経験は、BEASTはまだセミファイナル・ファイナルを経験したメンバーがいないので、そういう方に入っていただくことでチームとしていい変化が生まれていくんじゃないか、というところをすごく期待しての指名とさせていただきました」
-他の元Mリーガーもいる中で、あえて東城さんを指名した一番の決め手、ポイントというのは。
「そもそもの麻雀のスタイル、というところはもちろん考えました。BEASTでこれまで積み上げてくれた猿川さん、菅原さん、中田さん、大介さんがチームのカラーを作ってきた中に、どういった方に合流していただくとBEASTがより良く発展していくのか。これはやってみないとわからない部分はあるんですけど、チームのマッチングのイメージと結果に対して求める部分、あとは我々が放送事業をしている中で、自分たちでも対局番組やBEASTを応援してくださる皆様に向けて毎週番組をやっている中で、麻雀の魅力だったり、BEASTを応援してくださるファンにしっかりと返す部分の姿勢も含めて、適任じゃないかなと思っております」
-東城さんを指名することは、大介選手と中田選手には事前に伝えていたのでしょうか。
「数日前に、チームのみなさんにはお伝えさせていただいていました。今週の水曜日に我々の放送で全員が集まる機会があるので、まずはそこでみんなで集まって意見交換も交わしながら、どういうシーズンを送るかというのはまさに今からですので、私自身もそうですしチームスタッフもそうですけど、新しいメンバーが顔合わせして来シーズンに向かっていくところは、今から非常に楽しみにしている部分です」
-今シーズン、新たな4人でどこまで進みたいですか。
「最低でも、と言ったらおこがましいですけど、チームとしてまだセミファイナル・ファイナルに行った経験がないところは、ここを何とか打破しないとたぶんチームとして一皮剥けないと思っていまして、何とかまず、そこはしっかりとクリアしたいというところがあります。そしてチームメンバーもそうですけど、我々は唯一、放送でチームのファンに対して交流する、メッセージを出せるという面もあるので、麻雀の良さ、面白さ、Mリーグの盛り上がりも伝えるところも、微力ですけれども放送事業をやっている会社としては、麻雀の面白さを普及・浸透させていくところを、もっと広めていきたいと思っております。
そのためにはチームが勝たないと、理想ばかりを掲げて『放送で面白さを伝えている』と言っても、成績が伴ってこないとなかなか難しい見方をされるでしょうし、ファンの方には来シーズンはもっと厳しく見られると思っていますので、そこは選手のみなさんにもそういったアンテナを張っていただいて、シビアに、みんなで成果に向かって進んでいく新しいシーズンにしたいなと思っています」
-下石プロがオーディションで優勝して、その後は風林火山のオーディションでも決勝まで残っていましたが、どのようなお気持ちで見守っていたのでしょうか。
「下石さんから『出て、しっかり戦い抜きたいです』という声を聞いたときには、正直、まずうれしさがありました。そこまで戦い抜いて『全部勝ち上がりますよ』というのは、生半可に言えない部分だと思います。それをしっかりと発言できる気持ちの強さは、『かっこいいな』と個人的な部分ですけど思いました。一方で少し複雑な部分もあり、『BEASTで決まったからBEASTで頑張ります』というところもあっていいと思うんです。
ただ、それはもうそれぞれの考え方だと思いますし、逆にオーディションは誰でも出られるわけではないので、二階堂亜樹さんも言われていましたけど、あれだけのメンツの中で打って結果を出す、下石さんも『自分の力を高めた上でチームに合流する』というところはすごく大事にされていましたので、そこはチームとして、逆にそう言っていただけることはすごく心強く、我々もメッセージをしっかりと受け取りました」