【Mリーグ2025-26】EX風林火山 二階堂亜樹監督 ドラフト後囲み取材

6月30日、Mリーグ2025-26シーズンのドラフト会議が行われ、EX風林火山はドラフト会議指名選手オーディションで優勝した永井孝典、そして単独で内川幸太郎を指名し、交渉権を獲得した。ドラフト会議終了後、新監督に就任した二階堂亜樹が、ドラフト指名の理由などをメディアに語った。

-監督としての初仕事を終えて、感想はいかがでしょうか。

「とにかく、緊張していましたね。普段は緊張することがほとんどないですし、自分でも緊張すると思っていなかったんですけど、いざあそこに座ってパソコンの前に行ったら、緊張しました。

私もやっぱり、一麻雀プロとしてMリーグの舞台の大きさは十分理解しています。特に今回は指名選手を決めるにあたっての話し合いをいろいろしてきた中で、その人の麻雀人生だったり、その人以外の多くの人が関わっているので、いろいろな気持ちが込み上げてきましたね」

-ご自身が指名されたときと逆の立場になっているところに、感慨深いものもあるのでしょうか。

「初年度は私自身、もう頭が真っ白になっていて、信じられない、みたいな感覚でした。指名された方がどういうふうに感じたかは分からないですけれども、内川さんはもともとMリーガーで、既に指名された経験がある人なので、私のときとは違うのかな、みたいには思いますね」

-オーディションを勝ち抜けた永井さんは、どういう選手ですか。

「見た目が華やかでもないですし、麻雀はオーディションをみんな見てくれていたと思いますけど、システムの特性上、攻撃的にならなきゃいけない部分があるので、そこだけで永井さんの麻雀を全て見せられたわけではないと思います。永井さんはまだプロ7年目とかで、リーグ戦とかもずっと参加してきて、リーグ戦の戦い方ももちろん分かっていると思いますし、オーディションの戦い方でMリーグでもそのまま同じように戦うとは限らないと思っていますけれども、基本的に私は永井さんの攻撃に特化したときの打ち方にすごく惹かれたので、それをMリーグでも発揮してもらいたいな、と思っていますね。

実際、永井さんがオーディションで勝ち進んでいったときの心境はまだ分からないですけど、絶対に緊張するはずなんですよ。その緊張の中で自分のパフォーマンスを100%引き出すことはなかなか難しいと思うんですけれども、永井さんが100%を引き出せたかどうかは分からないけれども結果を出しているので、そういった舞台で結果を出す、いわゆる『持っている』ことが麻雀プロにとっては一番大事だと思います。相手も強いし、そうそうたる舞台で優勝を勝ち取ったのは本当にすごいことだと思うので、その部分もすごく評価しています」

-2人目は内川さんとなりました。オーディションで敗れてから内川さんに決めるのもいろいろないきさつがあったと思いますが、どうして内川さんを指名されたのでしょうか。

「藤沢前監督が以前から『オーディションを誰が優勝するかで指名選手は変わる』という話は発信していたのですが、具体的にどうかというのは、正直決めていませんでした。『この人が優勝したらこの人』みたいなものについて、チーム全体で話し合いは続けてきたんですけれども、とにかく内川さんのファンの方の力、そこはすごく大きかったんじゃないかなと思いますね。もちろん内川さん自身の経験とか実績、実力、そういった部分もすごく評価しているんですけど、同じくらい評価している選手はオーディションメンバーにたくさんいて、もともとオーディションに参加されている皆さんは『誰を指名してもいい』と思う人たちを集めたつもりなので、その中で本当に微差かもしれないけれども、決定打といったらやっぱり応援の力なんですかね。

私はXくらいしか情報源ないんですけれども、Xとかを見ていて、とにかく声が大きいというか多いというか、内川さんの名前を見る機会が多かったんです。それは私だけじゃなくて、オーナー企業の方もそういうふうに感じたと思いますし、あとはオーディションが決まってから、内川選手が風林火山のイベントとかにもすごく力を注いでくれて、一緒に盛り上げていってくれたりだとか、そういった部分とかも評価されたんじゃないかな、と思います。いろいろ総合的に見て、ということですね」

-かつては滝沢さんがチームを去ってライバルになりましたが、今回はライバルがチームに加わることになりました。Mリーグという舞台で今まで戦ってきた相手が仲間になるというのも面白いと思います。

「そうですね、『どういう気持ちなんだろう』というふうにまず思うんですよ。私は滝沢さんがいなくなって、Mリーグで滝沢さんと戦うときには、何にも思わなかったと言ったら嘘ですけど、ただ『切り替えていこう』という気持ちで戦っていました。内川さんはどうなんでしょうね。燃えてるんじゃないかなって、正直思います。内川さん自身のMリーグでの通算成績だったりとか、注目度とか、たとえば四暗刻単騎を打って散々こすられた西のネタとか(笑)、そういうのとかも全部含めると、立場がちょっと違うというか。滝沢さんと内川さんの立場だったり、私からの見え方とか、そういう部分が違うので。

滝沢さんはウチから出たけど、ウチに対して『見返してやる』とか『燃えてる』とか、そういう感じはなかったと思うんですよ。ただ、内川さんはサクラナイツに対して燃えている部分がかなりあると思うので、本当にバチバチやってほしいなって思います。それが一番盛り上がると思っているので、あとは私が監督なので出す順番を決められるので、積極的にぶつけていったら面白いだろうなと思います」

-新たな4人での目標は。

「まず、永井さんが初年度で、Mリーグでの経験はもちろん少ないので、経験を積ませるのが第一に考えるべきことだと思うんですけれども、それがトータルの成績に直結するかどうかはやってみないと分からないというところで、どうしても試験的な1年目になると思うんですよ。内川さんに関しては心配は全然していないですけど、なので、とにかく永井さんの活躍次第なところは正直あると思います。ベテラン3人と言ってもいいくらいのチームではあると思うので、もちろん上を目指しつつ、永井さんもサポートしつつ、この1年でチームが完成できるかどうかは難しいと思いますけど、そこも監督の仕事だと思っているので、チームを完成させて優勝を目指します」

-監督兼選手という新しい立場で、チームをこういうふうにしていきたいというビジョンは。

「永井さんにはとにかく、早く馴染んでほしいという気持ちはあるんですよ。もともとウチのチームを応援してくれていて、2代目SSPですし、馴染むのは早いんじゃないかなと思います。内川さんはサクラナイツにいて、リーダーという立場でこの6年間やってきて、リーダーとしての責任感をすごく感じた部分があると思うんです。監督になったから今後リーダーは変わるかもしれないですけど、今の時点では私がリーダーだと思っているので、とにかく伸び伸び打ってほしいなという気持ちで、みんなで支え合って補い合って、とにかく自分の思うように戦ってほしいです。ウチのチームは『自由に打つ』がテーマなので、そこの部分を意識してもらって、みんなが仲良く、と言ったらアレですけど、絆を強く持てるチームにしていきたいなと思っています」

-内川さん以外にも指名選手は何人かいたと思いますが、何人くらいいて、トーナメント外の選手もいたのでしょうか。

「オーディションのメンバーの中から指名選手は決めようと思っていました。先週の日曜日にオーディションの決勝終わって永井さんが決まった後に、内川さんに決めるまでが2日間だったので。先週の火曜日に内川さんに決めました。正直、魚谷さんと考えていました。どちらにしろ復帰枠にはなるとは思うんですけれども、魚谷選手ももちろん、実績も実力もピカイチだと思っているので。

でも決定打というのが、やっぱりさっき言った総合力ということを考えると、私が決めたんじゃないからアレですけど、実質はオーナー企業の方が決めたことなんですけれども、本当にそのあたりはかなりチームメンバー全員で話し合って決めた、という感じですね」

-やはり、ファンの声が最後の決め手になったのでしょうか。

「そうですね。私自身が個人的に、たとえばイベントのゲストに行ったりだとか、そういったときとかにも内川さんを応援してくれている方とかもいっぱい来てくれて、内川さんを応援している、ということをとにかく発信してくれている方がすごく多かったので、そのあたりだったんじゃないかな、と思います」

-チームが変わると、さきほどおっしゃった四暗刻単騎の映像が使いにくくなるのではないかと思いますが。

「どうなんでしょうね・・・(森井監督『使っていただいていいですよ!』)、使っていただいても全然大丈夫かと思いますけど、伝説の四暗刻単騎の映像を無くすくらいの映像を、ウチのユニフォームを着て、それこそ天和とか地和とかアガってくれたらすごい伝説になると思うので、それを期待しています」

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀シリーズ 新刊情報/