己の…風林火山の…Mリーグの未来を変える勝又健志の「世界線」【熱論!Mリーグ】担当記者:阿部柊太朗

熱論!Mリーグ【Fri】

己の…風林火山の…

Mリーグの未来を変える

勝又健志の「世界線」

文・阿部柊太朗【金曜担当ライター】2018年11月16日

1つの小さな選択が、未来を大きく変える

――バタフライエフェクト

 

 

あなたはEX風林火山勝又健志

あなたの選択でチームのポイント、未来が大きく左右される。

この手牌、チートイツのイーシャンテンだが何を切るか。

状況を牌図にて説明する。

6巡目に対面の高宮が動く。

をポンして切り

ホンイツトイトイなどの手役に寄せた鳴きだと予測できる。

を手出し

をツモ切り

を手出し

そして冒頭のシーンに至る。

高宮がピンズのホンイツだった場合、ピンズが余ったように見える。

ラス目の親番でどうしてもアガリに向かいたい局面。

――さて、あなたの選択は?

麻雀では目の前の小さな一手の選択が、後に大きな差を生み出す。

選択は枝分かれとなり、一度その世界線を外れるともう二度と戻れない。

選択の先には、また選択が待ち受けていて、さらなる世界線の枝分かれを起こす。

麻雀とは、無数に広がる世界線の中から、自分にとって最も得だと思う世界線を追求するゲーム。

勝又の選択は切り。

 

・高宮の手役がホンイツとは断定できないこと

ホンイツだとしてもテンパイ率はそこまで高くないということ

ホンイツでテンパイしていたとしてもの切り順からが比較的通しやすいこと

 

から場況に自信のあるを残す攻撃的な選択とした。

この選択が秀逸であった。

数巡後、を重ねてテンパイすると単騎でリーチに踏み込み….

 

 

4枚目のを掘り当てて3,200は3,300オールをアガリきってみせた。

ここからの勝又は誰にも止めることができなかった。

1,000は1,200オール。4,000は4,300オール。6,000は6,400オール。

切りの選択の先には、50,000点を稼ぐ世界線が待ち受けていた。

改めて先ほどの選択を振り返る。

あの場面、を切っていたらどうなっていただろう。

打点UPを狙う高宮からポンが入る可能性があり、この未来にはならなかったかもしれない。

あの場面、を切っていたらどうなっていただろう。

リーチ宣言牌にが残っていないので、下家の小林により一発消しをされることはなかった可能性が高い。

その場合もこの未来にはならなかっただろう。

決して「食い流れた」などという結果論的な主張がしたいわけではない。

一手の選択が大きな世界線の変動を促すということが言いたいのだ。

それだけ麻雀における”選択”とは、重く尊い。

だからこそ選手は、その一手に全身全霊をかけて挑む。

勝又は高精度な読みの一手より、この世界線に辿り着いた。

――バタフライエフェクト

勝又がトップを取った世界線の先には、EX風林火山のどんな未来が待っているだろうか。

阿部柊太朗

最高位戦日本プロ麻雀協会所属。オンライン麻雀「天鳳」の牌譜機能を駆使した超緻密な観戦記が話題に。ブレイク間近の若手プロ雀士。

(C)AbemaTV

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