熱論!Mリーグ【Fri】
これが恋なのか…
やられても不死鳥の如く蘇る
近藤誠一に魅せられて
文・アホ東大(院)生【遊軍ライター】2018年11月2日
私は、ネット麻雀で名を馳せているプレイヤーでもなければ、日々麻雀を追求する麻雀プロでもない。
そこら辺にいる至極、冴えない理系大学生だ。
そんな私だが数年前から友人の勧めで麻雀にはまり、麻雀を打つよりも見ることが好きな自分は、よく麻雀動画を見ていた。
過程では評価しづらく、結果のみが評価の対象になる麻雀というゲームで、十人十色、様々な「色」の麻雀を打つ麻雀プロに関心を持ち、感心していた。
その麻雀プロがしのぎを削りあう新たな舞台『Mリーグ』の開催が発表されたときは、期待に胸をふくらませ全身から鳥肌が立ったのをいまでも覚えている。
「お前ただのファンじゃん」と言われればそれまでだが、初めての観戦記、背伸びせず私にしか書けない観戦記を書きたい。
近藤誠一
彼は、ネットで麻雀動画を漁っていた私に違和感を与えた。正直言うと変な手順で打っていたのである。しかし、動画内で最後には大きく勝っているのだ。
巷では感覚派と呼ばれる、一般的な手順を前後させる近藤プロの打ち方に、自分にはこの打ち方は真似できないなと思う反面、魅了されていた。そして、思考回路をのぞいてみたいと何度か思った。
これが恋なのか…
彼は、果たして何者なのか?本当に感覚派なのか?
その正体を暴くために今回は彼を追っていく。
第1試合は
石橋伸洋プロ(パイレーツ)
二階堂亜樹プロ(風林火山)
近藤誠一プロ(フェニックス)
村上淳プロ(ドリブンズ)
の対決だった。
《東2局》「一色即発!近藤 VS 亜樹」
東1局で、近藤が700-1300点のツモあがり迎えた親番で、局は大きく動き出す。
解説の多井も言っているが、このドラが内蔵された2メンツある配牌は染めない選手もいるだろう。しかし、近藤はこの配牌から一直線に染め手に向かい、大きく打っていく。
みるみるソウズを引きいれていき、すぐさま清一色のイーシャンテン。
亜樹がこのイーシャンテンの形からを切り、
近藤がでチー、切りで18000点の間待ちテンパイ。
対して亜樹は、を引きいれ面前清一色のイーシャンテン。
ソウズの近藤は
の形から村上のをポン、切りで、待ちに取れたが、鳴かずに間待ち続行。
この判断は、
①2つ鳴きを入れ、を手から切ってしまうとソウズを切ってきた村上、亜樹からのロンアガリの可能性が極端に低くなる。1つの鳴きであれば、勝負牌としてが打ち出される可能性は高い。
②待ちは近藤の目から5枚見えで、かつ亜樹の捨て牌のソウズはのみでのターツを持っている可能性がわずかにある。
この2つが大きな理由だろう。
条件反射で鳴いてしまう人もいるこの場面、近藤はじっと場を見つめていた…
好形のイーシャンテンの村上からツモ切られたを亜樹がすかさずでチー、待ちの清一色テンパイ。
武田軍が反撃の狼煙をあげる。
近藤は、亜樹の手から出てきたを鳴いての食い延ばしはせず(が3枚切れ)。