襲い掛かる幾たびの危機を乗り越え、パイレーツをファイナルに導く その男の名は…【Mリーグ2021観戦記3/29】担当記者:江嵜晋之介

襲い掛かる幾たびの
危機を乗り越え、
パイレーツをファイナルに導く
その男の名は…

文・江嵜晋之介【火曜担当ライター】2022年3月29日

第2回戦


東家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:石橋伸洋(U-NEXT Pirates)
西家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:勝又健志(EX風林火山)

いよいよ折り返しを迎えたMリーグ2021-22セミファイナル。
セミファイナルに突入した時点で首位だったパイレーツは、開始早々逆連対が続き、7戦が終わった時点でのチーム順位は5位。

パイレーツはセミファイナルで敗退した場合、次のシーズンでは選手を1人以上入れ替える義務が発生する。
まだ試合数が半分残ってはいるが、これ以上マイナスしてしまうと4位以上のチームとポイント差が大分できてしまうため、他チームから厳しいマークを受ける可能性がある。

そんな第2試合、登板したのは石橋伸洋

レギュラーシーズンではマイナスで終えてしまった石橋だが、過去のセミファイナルでは毎回好成績を残している。
石橋の闘牌が、パイレーツ浮上のきっかけになるか。

東1局、開局早々、石橋と勝又の手がぶつかった。


先制は勝又のドラ3リーチ。【5ピン】【西】のシャンポン待ち。

直後、石橋も【2ピン】【5ピン】【8ピン】待ちで追いかけリーチ。
道中、使いにくそうなドラの【4ソウ】を残していたのが成功し雀頭に。
平和ドラ2の理想的な手に仕上がった。

2件リーチに困ったのが親番の岡田。

共通の現物がなく、オリるとしても何かを勝負しなければならない。岡田が選んだのは2枚持っている【西】だった。

これが勝又へ8,000点の放銃に。

放銃した岡田も苦しいが、チャンス手を潰された石橋も同様に苦しい。リーチ時に石橋の待ちは【2ピン】【5ピン】【8ピン】が一枚ずつ、勝又の待ちは【5ピン】が一枚だけと石橋が有利な状況だった。

つづく東2局の親番で石橋はダブ東とドラの【白】が対子のチャンス手が再び訪れる。

これがなんと山に4枚全て生きていた。
今度こそ大物手を決めることができる…!

しかしこの4枚が終盤まで顔を出さず、タンヤオ対々和のテンパイを入れていた勝又が伊達から出アガり、またしても石橋のチャンス手を潰す。

対局中、表情に変化が少ない石橋も、これにはやや悔しそうな表情を浮かべていた。

そして東4局、悲劇が石橋に襲い掛かる。


巡目、平和タンヤオ赤の【5ソウ】【8ソウ】待ちテンパイ。
ノータイムでリーチをかける。

直後、伊達が【5ピン】【8ピン】待ちで追いつくこちらもリーチ。

そして実は平和一通ドラのヤミテン満貫【4マン】【7マン】待ちのテンパイを入れていた岡田が同巡【4ピン】を引き入れ【1ピン】切りリーチ。
一通は崩れるが2人に【4ピン】は無筋のため、安牌の【1ピン】切りを選択する。

待ち牌は【5ソウ】【8ソウ】の石橋、【3ピン】【6ピン】の伊達、【4マン】【7マン】の岡田、3人とも2枚残りと誰が勝ってもおかしくなかったが…。


他家の当たり牌を掴んでしまったのは石橋だった。
岡田の当たり牌【4マン】を一発で掴んでしまう。一通は崩れていたにもかかわらず、裏ドラが2枚乗り12,000点の放銃。

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