襲い掛かる幾たびの危機を乗り越え、パイレーツをファイナルに導く その男の名は…【Mリーグ2021観戦記3/29】担当記者:江嵜晋之介

ダンラスになってしまった石橋。
セミファイナルを通過できなければメンバーの誰かがチームを去らなければならなくなるが、ここでラスを引けばいよいよ敗退が現実的になってくる。

石橋は南1局にリーチツモ平和ドラ1の1300,2600をアガり3着目伊達まで僅差に付ける。

そして、後が無い石橋の勝負の親番が始まった。

南2局1本場

石橋の手牌、打点こそないが好形のイーシャンテン。
親なので先制でリーチをかけることができれば他家にプレッシャーをかけることができる。

しかし先にテンパイを入れたのは南家の伊達だった。
【1ピン】【3ソウ】の役無しシャンポン。平和・好形の変化を期待してテンパイ取らずの打【3ソウ】を選択する。

この【3ソウ】に西家の勝又からチーの声がかかる。
勝又は愚形が多いものの、【發】ドラ5が確定している超大物手。
急所の一つであるペン【3ソウ】を解消しつつ前に出る。

そしてこのチーにより次巡伊達が引いてきたのは【6ソウ】
タラレバになるが、もし伊達が打【3ソウ】を選択していなければチーが入らずこの【6ソウ】は石橋のツモとなり【1ピン】【4ピン】【7ピン】のテンパイとなっていた。

この【6ソウ】を伊達はツモ切り、すかさず勝又がチー。
急所だらけだった手牌がわずか数巡で両面待ちの12,000点テンパイとなる。

2巡後、石橋は【7ピン】を引き【3ソウ】【6ソウ】待ちでリーチ。

石橋の【3ソウ】【6ソウ】が山に残り2枚に対し、勝又の【3マン】【6マン】は山に5枚残っていた。
打点待ち枚数ともに勝又の圧倒的有利に思われたが…。

このめくり合いを制したのは石橋だった!
勝又が【6ソウ】を一発で掴む。裏ドラこそなかったものの5,800点の放銃となる。

続く南2局2本場、石橋にまたしても良い手が入る。

ドラ2が確定した手。
満貫は勿論、一盃口や偶然役が絡めば跳満まで見据えることができる手だ。アガればトップが現実的になってくる。

そこに伊達がチートイツのイーシャンテンからダブ【南】をポン。
一旦シャンテン数は落ちてしまうものの、【4ソウ】を対子落とししてマンズの混一色に向かう。

形そこまで良くはなかったが、すんなりとテンパイに。
カン【2マン】待ちで山には2枚残り。

そこに石橋も追いつく。
【5ピン】を引き入れ一盃口が完成したダマテンでも満貫の嬉しいテンパイ。待ちも【2ソウ】【5ソウ】待ちと場況が良く、山には4枚残っていた。
石橋はダマテンに構える。

しかしここは伊達に軍配が上がる。
カン【2マン】をあっさりツモり、石橋を逆転し再び3着に浮上する。

南3局1本場
ここまで高打点が飛び交う展開が続いていたが、親番になった伊達についにチャンスが訪れた。
なんと四暗刻のイーシャンテン。役牌が3組あるので鳴いても高打点が狙える。

岡田から放たれた1枚目の【南】をポンして、出アガり満貫ツモって跳満のテンパイを入れる。

伊達は【赤5ソウ】【6ソウ】と切っており、その後引いてきたドラの【4マン】2枚ツモ切っている。高打点のテンパイがほぼ確実に入っており、対局者には相当なプレッシャーがかかっていただろう。
追い込まれたラス目の石橋。【5ソウ】【8ソウ】待ちのテンパイを入れる。

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