今シーズン初の「RMO」
TEAM RAIDEN / 雷電 瀬戸熊直樹が己を信じて真っすぐ突き進む
文・髙倉拓馬【木曜臨時担当ライター】2024年9月19日
Mリーグ2024-25シーズンはこの日が3日目。
前シーズン優勝のU-NEXT Piratesが満を持して登場し、これで全9チームが出そろう形となった。
Mリーグで初の2回優勝を成し遂げたU-NEXT Pirates。その1戦目を任されたのは女海賊の瑞原明奈。前シーズンは378.4ポイントという高スコアをたたき出しながらも、同チームの鈴木優、風林火山の勝又健志に敗れ個人成績3位。こちらも初となる2回目のMVPを目指す思いは強いはずだ。「ゴリゴリに攻める」と事前のインタビューで話していたが、はたしてどのような戦いになったのか。
第1試合
南家:瑞原明奈(U-NEXT Pirates)
西家:瀬戸熊直樹(TEAM RAIDEN / 雷電)
東1局、いきなり二階堂亜樹に大物手が入る。
リーチドラ2で高めはドラ。4巡目にして満貫が見えるチャンス手が入る。
そこからの瑞原の立ち回りが難しい。
安全牌は0、かといって押し切るほどの手牌価値のある手でもない。
ここは打とする。にくっつけば押す構想もあるし…
進まなければ、中筋にしたでオリ気味に進行する。
手詰まりを起こしたらセットで打てる牌を探すのが、ベタオリの原則の1つだ。
だが、瑞原の手はここから思わぬ展開を見せる。
前巡にも手詰まりを起こし、先ほどと同様に降りるなら➝3枚でオリ、手が入れば押す方針を取ったところ、四暗刻のイーシャンテンになった。
これは勝負手になった。迷わずにを押す。
をカンがくっついてリャンメンテンパイ。
降りることはない、一発や裏の可能性を見てこの手でリーチをかける。はこの時点で4山。
だがあがったのは亜樹。リーチツモドラ3で4000オール。
この表情。オフシーズンにはネット麻雀をしていたが、展開にキレていて旦那さんに心配されていたそう。この瞬間なにを思っていたのだろうか。
東2局
ここから瀬戸熊の進軍が始まる。
と払った清一色がぼんやり見えなくもないが、まっすぐに、牌効率に素直にを打つ。
ドラ1あるのですぐにリーチをかけても十分な手牌だ。
日向からドラのポンが入ったが、
それでもまっすぐに、を河に放つ。まだ1副露でテンパイ率は低い。の景色が非常に良く、ここが最終形になればアガリ率は相当高く感じる。
このが鳴かれ、2副露。
字牌の南が出され、日向のテンパイ率はぱっと見ではかなり高そう。が2枚切れ。実質5枚残りの待ちリーチか、一盃口のカンでリーチやヤミテンにする選択肢、またはオリの選択肢も考えられる。瀬戸熊は待ちでリーチをかけた。
日向の仕掛けを整理すると、手出し➝手出し➝ポンして打➝チーして打が4巡連続で起きている。
この4巡からわかることは
- ドラの対子固定が起きていること
- よりの方が手牌に必要だったこと
- 安全牌のを手牌に残せること
この3点である。