特に①と③から、この瞬間のピンズテンパイ率、いや、そもそものテンパイ率すら低いことが想像できる。
例えばこのような牌姿。が必要なことから、対子の待ちを想像してみる。
が3枚見えとはいえ、このチャンス手でを残してを打つ人はそう多くはない。
つまり、をポンする前に2対子以上あった形は、打を対子に固定したその時点で可能性がかなり下がる。
すなわちこの手牌から想定される形は「アタマが無い形」。テンパイだとしても、単騎待ちの可能性が高い。筆頭はのノベタンだろうか。
別の角度から日向の仕掛けを考える。
をチーした段階で2副露、残りは2メンツ+1雀頭、計3ブロックでアガリ。この3ブロックの所在がどこかを考えてみる。
・ドラの固定が起きているのでピンズの4~6あたりのメンツがあまり無さそう。
・がの対子落としよりも前に起きていてがチーされている。ソウズのブロックが無いこともありそう。
・がより必要だったので、マンズの2~4に1ブロックはありそう
と考察できる。
マンズのブロックがほぼ確定していて残りは2ブロック。ソウズのブロックが無い可能性を考えると、ピンズの6~8あたりにブロックが1個あっておかしくなさそうだが、
なんとそのを自分が3枚所持しているのだ。
すなわちこのは日向のド急所になる可能性が高く、これが
「待ちでリーチを打った」最大の理由である。
日向の欲しい可能性が非常に高いをブロックし、さらに自分の待ちでもあるので河に放たれることも無い。実際に日向にはカン受けがあり、この時点で瀬戸熊のリーチが日向への放銃になる可能性はかなり低かった。
この選択がはまり1000-2000。
日向の勝負手をつぶした格好になった。
こうなると瀬戸熊のターン。
3メンチャンでリーチ、日向に競り勝ち
僥倖のツモで瑞原に競り勝ち。このアガリがトップの決定打となった。
2着には二階堂亜樹。
この打が丁寧。
下家の瑞原がをポンして打。とスライドしたくなるが、が関連しているとするとの対子所持率が高め。ポン材になりうるところを止めを打つ。
瑞原には対子。テンパイ巡目を遅らせることに成功した。
3着には日向藍子。
親の瀬戸熊のリーチに対し、ドラのを止め打。
当たり牌となる…と思われたが、は瀬戸熊の当たり牌。これをチーしてさらに打とし、
カンでテンパイ。安全にテンパイを取り切った。
4着となったのは瑞原。手は入ったもののアガリに結びつかず苦しい展開だった。
だが、個人MVPを取り、ここ数年トップ3を譲らない女海賊はここで止まることはないだろう。
トップとなった瀬戸熊は、終始シャンテン数に、牌効率に、忠実に進みトップをものにした。
今シーズン初の「RMO」。
チーム雷電は今年も面白い麻雀を魅せ、RMOを量産し、そして先には悲願のシャーレを目指して、今シーズンも真っすぐ突き進んでいく。