今シーズン初の「RMO」 TEAM RAIDEN / 雷電 瀬戸熊直樹が己を信じて真っすぐ突き進む【Mリーグ2024-25観戦記 9/19】担当記者 #髙倉拓馬

特に①と③から、この瞬間のピンズテンパイ率、いや、そもそものテンパイ率すら低いことが想像できる。

例えばこのような牌姿。【1マン】が必要なことから、【2マン】対子の【5ピン】【8ピン】待ちを想像してみる。

【1ピン】が3枚見えとはいえ、このチャンス手で【南】を残して【3ピン】を打つ人はそう多くはない。

つまり、【2ピン】をポンする前に2対子以上あった形は、打【3ピン】を対子に固定したその時点で可能性がかなり下がる。

すなわちこの手牌から想定される形は「アタマが無い形」。テンパイだとしても、単騎待ちの可能性が高い。筆頭は【3マン】【6マン】のノベタンだろうか。

 

別の角度から日向の仕掛けを考える。

【5ソウ】をチーした段階で2副露、残りは2メンツ+1雀頭、計3ブロックでアガリ。この3ブロックの所在がどこかを考えてみる。

・ドラの固定が起きているのでピンズの4~6あたりのメンツがあまり無さそう。

【7ソウ】【南】の対子落としよりも前に起きていて【5ソウ】がチーされている。ソウズのブロックが無いこともありそう。

【1マン】【3ピン】より必要だったので、マンズの2~4に1ブロックはありそう

 

と考察できる。

マンズのブロックがほぼ確定していて残りは2ブロック。ソウズのブロックが無い可能性を考えると、ピンズの6~8あたりにブロックが1個あっておかしくなさそうだが、

なんとその【7ピン】を自分が3枚所持しているのだ。

すなわちこの【7ピン】は日向のド急所になる可能性が高く、これが

【4ピン】【7ピン】待ちでリーチを打った」最大の理由である。

日向の欲しい可能性が非常に高い【7ピン】をブロックし、さらに自分の待ちでもあるので河に放たれることも無い。実際に日向にはカン【7ピン】受けがあり、この時点で瀬戸熊のリーチが日向への放銃になる可能性はかなり低かった。

この選択がはまり1000-2000。

日向の勝負手をつぶした格好になった。

こうなると瀬戸熊のターン。

3メンチャンでリーチ、日向に競り勝ち

僥倖の【赤5ピン】ツモで瑞原に競り勝ち。このアガリがトップの決定打となった。

2着には二階堂亜樹

この打【4マン】が丁寧。

下家の瑞原が【白】をポンして打【3マン】【1マン】とスライドしたくなるが、【3マン】が関連しているとすると【1マン】の対子所持率が高め。ポン材になりうるところを止め【4マン】を打つ。

瑞原に【1マン】は対子。テンパイ巡目を遅らせることに成功した。

3着には日向藍子

親の瀬戸熊のリーチに対し、ドラの【5ピン】を止め打【東】

当たり牌となる【赤5マン】…と思われたが、【5ピン】は瀬戸熊の当たり牌。これをチーしてさらに打【東】とし、

カン【4ピン】でテンパイ。安全にテンパイを取り切った。

4着となったのは瑞原。手は入ったもののアガリに結びつかず苦しい展開だった。

だが、個人MVPを取り、ここ数年トップ3を譲らない女海賊はここで止まることはないだろう。

 

トップとなった瀬戸熊は、終始シャンテン数に、牌効率に、忠実に進みトップをものにした。

今シーズン初の「RMO」。

チーム雷電は今年も面白い麻雀を魅せ、RMOを量産し、そして先には悲願のシャーレを目指して、今シーズンも真っすぐ突き進んでいく。

 

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