上だけを見た
サクラナイツの
ノブレスオブリージュ
文・越野智紀【火曜担当ライター】2023年2月21日
第2試合
東家:内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:鈴木優(U-NEXT Pirates)
西家:高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
世界各地の神話や民話に「見るなのタブー」というものが多く存在します。
パンドラの箱や玉手箱・大きな葛籠といった見た人に災いが降りかかる系の話しで、日本神話のイザナギとイザナミの「後ろを振り向いてはいけない」もその一つ。
6位サクラナイツの選手は上だけを見て戦うことを強調して話すことが多く、それは後ろを振り向くことをチームでタブーとしているかのようでした。
この試合は東場に4度流局をして接戦のまま南入と、それだけ聞くと水の張った洗面器に顔をつけての我慢比べのような試合展開を思い浮かべてしまいますが…実際の試合展開は
高宮選手のリーチに対し、降りるよりも押した方が損失が少ないとをプッシュしたたろう選手。
を仕掛けてテンパイが入ると、とプッシュしても暗カン。
を掘り起こし「ここまで我慢して押してきたけどこれは無理」とダウンします。
これがゼウス流の我慢比べで
最後のツモでテンパイ料も獲得。
このように、洗面器の水を飲み干すような展開で南入していました。
南1局2本場
供託も2本あり大事な一局。
高宮選手は役牌とピンフのどちらの道も残し、最速でアガリを目指してドラのを切ると
これを仕掛けた内川選手。
全員でのアガリ競争なら2つ目以降も鳴けそうな状況で
展開も良く、イーシャンテンのたろう選手からが打たれ
テンパイ一番乗りをします。
すぐに高宮選手と
たろう選手からリーチが入りますが
この試合最大の勝負所を制した内川選手。
4,000は4,200オールと供託リーチ棒4本の加点で接戦から抜け出しました。
そしてここからが本番。
点棒を持ってからのゲームメイクは得意分野の内川選手
配牌ランキング下位1%に入るような国士無双の4シャンテンの手でしたが、下家は現在9,000点差の二番手で親番の鈴木優選手。
タンヤオで仕掛け放題になってしまうことを嫌がり国士無双は狙わず、親だけが役牌になるを重なる前にと切っていきます。
それからタイミングを見計らってをリリースすると
たろう選手がポン。
これも国士無双を狙っていたら出来なかったプレーの一つです。
サクラナイツを捕まえたいドリブンズたろう選手と、下位のチームは気にしないサクラナイツ内川選手。
思惑の異なる2人の共同作業は続き