大誤算とは言わせない
超重量級の戦いで
醍醐大が魅せた諦め
文・ZERO / 沖中祐也【火曜担当ライター】2024年1月30日
超重量級の戦い
卓と小林が小さく見える。
1月最後の日、ボーダーラインを挟む攻防戦に送り出されたのは、超重量級の3人だった。
第1試合
東家:醍醐大
セガサミーフェニックス
▲452.5pt
北家:小林剛
U-NEXTパイレーツ
+483.3pt
見た目とは裏腹に、南場を迎えるまで小さな動きで進行していった。
局を諦め、勝負を諦めない
南1局2本場。
「ポン」
まずは松本が動く。
ポンはバック(後付け)の構えである。
ドラのは簡単に打ち出される牌ではないが(特に仕掛けを入れると)スルーするとテンパイすら苦しい。
さらに言うと、この手牌はトイトイになる可能性も十分にある。
この仕掛け自体は自然に見えるが、やる気のでない手牌からがたった今重なったばかりであり、すぐに反応できるあたりが松本の高い瞬発力を示している。
「ポン」
次に動いたのは小林である。
松本の手牌と違って門前リーチが狙える上に、小林はラス目。
安全牌も無く、多くの打ち手がスルーするのではないか。
1ハン確定させ、手牌をアガリに近づける。
好調だろうと不調だろうと、やることは変わらない。これが小林の平常運転。
二人の仕掛けに挟まれた格好になったのが親番の醍醐である。
サザエさんのような髪型で悩む醍醐の手牌がコチラ。
678の三色が見えるこの手牌で、醍醐は上家に合わせるように
を切った!
手を崩したのである。
浮いているドラのを含め、この手牌では間に合わないと判断したのだろう。
松本(下家)の捨て牌が濃い上に、タンヤオっぽくない。
となると、残っている役牌はだけなのだ。
やだってトイトイに危険である。
それにしても… である。
開幕からチームも自身もずっと苦しい展開で、そうして迎えた負けられない1戦。
最後の親番を諦めるのはどれだけ辛いだろうか。