熱論!Mリーグ【Tue】
日本で一番叩かれる
プロ雀士・萩原聖人は
小島武夫を超えられるのか
文・梶谷悠介【火曜担当ライター】2018年11月13日
『魅せる麻雀』
という言葉は故小島武夫プロの雀風を表すものだった。
高い手作りをして豪快にアガる麻雀は観ているファンを喜ばせ、その明るい人柄と相まって愛されるキャラクターを作っていった。
プロはファンありき
その考えを誰よりも大事にしていたからこそ、麻雀界を代表するプロであり続けたのだろう。
ここにもう一人『魅せる麻雀』を信条とするプロがいる。
萩原聖人プロである。
「麻雀を五輪種目に」
萩原は大真面目にそう語る。そのためにはネガティブなイメージを変えなければならない。ネガティブなイメージをポジティブにするにはファンが感動するような麻雀を見せなければならない。
萩原にとってプロとは、単に勝ちにこだわる競技者ではない。ファンを魅了し、麻雀の面白さ、素晴らしさを伝えていける者こそがプロとしてのあるべき姿である。
萩原にとって『魅せる麻雀』とは?
「一言でいえば“スゴイ”と思わせる麻雀を打つこと」
「決して役満とか派手なアガリばかりではなく、1000点をアガるために親のリーチに無筋をバンバン切り飛ばしてカンチャン待ちをツモったとか、プロ同士のヒリヒリするせめぎ合いを見せること。」と氏は語る。
そう、萩原にとって尊敬する小島プロとは意味合いが少し違うのである。
「魅せる麻雀も進化しなければならない」
打点の高い派手な麻雀は確かに見栄えは良い。だが麻雀が五輪種目に認められるためには競技としての中身が必要不可欠となってくる。
例えばボクシングで派手なKOシーンばかり見せられてもそれはただのショーである。観客はそれだけを求めているわけではない。高い技術の攻防だったり、逆境から這い上がる人間ドラマを見て人は感動する。それがボクシングに存在するからこそプロスポーツとして高い地位を確立しているのである。
麻雀にもギャンブルではない競技としての本質があり、そこに大きな魅力がある。そう信じてそれを伝えていく場が萩原にとってのMリーグなのである。
麻雀のファンも昔と違い大きくレベルが上がった。情報発信も容易にできるようになった。ミスを1つしようものなら即叩かれる時代である。それを理解しつつ、おもしろい麻雀を打つのは大変に勇気のいるものだと私は思う。
前日ラスに沈んだ試合後インタビューで、
「迷走しそうになったんですけど、正面突破目指します。」
と答えた萩原は、結果が出ずスタイルを崩しそうになったが、本来の形でまた攻めますと語っているように聞こえた。
『魅せる麻雀』も結果が伴わなければその説得力を失う。萩原がどのような戦いを見せるか、これで注目しないわけがない。
起家 萩原聖人 (雷電)
南家 白鳥翔 (ABEMAS)
西家 茅森早香 (フェニックス)
北家 鈴木たろう (ドリブンズ)
東1局0本場
違う…
親の第一打に心の中で叫んだ。
これほど配牌が整っているのなら第一打はだ。切る巡目が遅くなるほど鳴かれるリスクは上がる。局を軽く流されないためにもどうせいらないのならできるだけ早く処理したほうがいい。
それには重なったときに有効牌として使える。
萩原の麻雀は意志の麻雀だ。一打一打にその手の理想を思い描く。だがそのせいで理想に不要な牌の扱いに丁寧さを欠くことがある。
上家からが出たがスルーしている。
次巡も出ているがやはりスルー。
やはり門前へのこだわりがあるのか。
東3局0本場
ドラがということで打としたが
直後に赤を持ってきてしまい、