二階堂亜樹の光と影 “打者一巡”したMリーガーたちの変化 【熱論!Mリーグ】

熱論!Mリーグ【Fri】

二階堂亜樹の光と影

“打者一巡”した

Mリーガーたちの変化

文・masasio【遊軍ライター】2018年11月2日

日程の1/4を消化して、いよいよ中盤に差し掛かってきたMリーグ。

一時はABEMASの独走かと思われたが、最下位だった麻雀格闘倶楽部の頑張りもあり、上が詰まってきた。

各選手様々な打ち筋を見せてくれているが、ルールやメンツに応じて徐々に打ち筋を変えてくるころだろう。

野球でいうところの

「打者1巡してさあここから」

ということだ。

毎日目まぐるしく順位が入れ替わり、ファンの皆様は一喜一憂の日々だろうが、順位だけではなく、各選手の打ち筋の変化にも目を向けていくとより楽しく見ることができるのではないだろうか。

 

本日は2位、3位、4位、6位の対決。

好調パイレーツ、風林火山と、苦しいながらもなんとか食らいついているフェニックス、ドリブンズという組み合わせ。

特にパイレーツは首位ABEMASの背中がもうそこまで見えている。

まだまだ先は長いが、やはり順位は一つでも上の方がよいに決まっている。

はやく首位に立って独走態勢を築きたいところだ。

 

1回戦

「亜樹の光と影」

 

 

対戦相手はこちら。

亜樹、近藤、村上の3人はポイントプラスだが、石橋だけがポイントマイナス。

チームは好調だが、石橋本人はいまいちピリッとしない。

ここでトップを取れば、個人もチームも一気に勢いがつきそうだ。

「よろしくお願いします!!」ひときわ大きな村上のあいさつを合図に、亜樹起家でゲームスタート。

1

近藤が好配牌を効率通りに進めてリーチ!

 

で高め三色のリーチ。

近藤は効率から外れた一打を見せることが多いが、ここは基本に忠実に手を進めてきた。

リーチを受けた親の亜樹

 

さあ困った。

 

あ、この顔見たことある。

この顔は・・・?

を切らずに通っているを切って放銃を回避。

リーチの近藤の捨て牌がツモ切りの後手からを切ってリーチ。

はかなり危険だが、親のこの手なら勝負する選手もいそうなところ。

ノーテンからは切れないが、テンパイなら勝負ということだろう。

すぐに近藤が安めのをツモ。

亜樹としては助かった形だ。早速守備力で魅せる。

 

2

また近藤。

 

ソーズ10枚という配牌から、堂々とと切っていく。

親なのでマンズのカンチャンを残す選手も多そうだが、ここは効率から外れて大きく打っていく。

対する亜樹はこの手から

 

切り。

近藤があからさまにソーズに見えるので、先にを切りたくなるが、の周りを引いても使えるようにした。

も1枚も出てないので悩ましいところだが、

もしをポンされたら対応を考えようということだろう。

もしをチーされたらもうは切れない。

亜樹らしい1打だ。

そして次の巡目で急所のを引き入れて、今度はさすがにを切る。

近藤はチーしてテンパイ。

またしても亜樹

 

下家の近藤がをチーしているところ。

役牌は全て切れているのでチンイツが濃厚だろう。

ソーズはまだ余っていないので、テンパイしてないことも多そうだ。

今度こそ先にを切るかと思ったが・・・

切らない。

亜樹の方針は、

「テンパイなら勝負、ノーテンなら切らない」

で徹底している。

結局次巡をチーしてチンイツテンパイ。

すぐにツモアガった。

もし先にを切っていたら、

「親のあの捨て牌にを切るとは何事だ」

と警戒されてが切られないこともあるだろう。

東1局に続いて、亜樹の丁寧さが光る。

対する近藤はいまいち乗り切れない

 

3

ここまで出番のなかった石橋が

ダブポンで仕掛ける。

をポンしてテンパイ。

 

赤、ドラで12000!

対する亜樹

 

テンパイ。

しかも赤。

確か亜樹の方針は「テンパイなら勝負」ということは、

ここは勝負・・・

せず。

親の仕掛けにピンズが危険ということで

を切って回った。

テンパイでも切れないものは切らない。

 

4

前局12000テンパイしながら、近藤に8000放銃になってしまった石橋。

カンチー、ポンと、遠いところからだが積極的に仕掛ける。

 

そして自風のが重なってイーシャンテン。

ここでドラのを切るのが自然だが、

切り。

これが石橋らしいところで、効率で考えると

のロスは大きいのだが、ここでドラを切ってしまうと周りからなめられてしまう。

また、を引いたところで2000点。もしうまくが重なればもうけものだ。

こういう遠い仕掛けをするときには是非覚えておきたい手筋だ。

注文にハマったのが亜樹。

 今赤を引いたところ。

さえ切れれば、絶好ののテンパイだった。

亜樹の方針は「テンパイなら勝負」

まして自分はトップ目。は切りきれる牌ではなかった。

結局、この仕掛けに全員がオリて石橋悠々一人テンパイ。

石橋らしい見事な仕掛けだった。

亜樹はアガリを逃してしまったが、本人も納得だろう。

亜樹。ぶれない。

 

3

ここまで完璧なゲーム回しを見せてきた亜樹だが、少しほころびを見せる。

 

今上家からが切られたところだが、これをスルーしてしまう。

は2枚切れだが、トップ目だし、鳴いてからの変化もある。

ここはチーの一手だが見送ってしまった。

唯一といっていい亜樹の弱点はこういう鳴きだろう。

門前の手順と、後手を踏んでからの押し返しのうまさ、守備意識はMリーグ随一なので、こういう鳴きまでできればもういうことはない。

これからの亜樹に期待したい。

そしてオーラス事件が起こる。

まずはラスを回避したい石橋がリーチ!

 

アガれば3位以上は確定だ。

リーチを受けた亜樹。

 

現物はないが、のトイツがある。

石橋は北家だが、ここはだろう。

 

ポリポリ・・・

ん?考えているぞ?

なんと選んだのは!!!

 

「嘘でしょ??!!」

 

石橋のロン牌だ。

正直これには驚いてしまった。

あの堅い亜樹がどうしてしまったのか。

「放銃したときに一番安い牌を選んだ」とのことだが、はドラまたぎ。

が切られているので放銃してしまうと、確実にドラがある。

百歩譲って切るなら待ちの時に安めになるだろう。

結果は裏ドラが乗らず、振りトップだったが、裏が乗っていれば2着に落ちていた。

結果オーライでトップを取ったとはいえ、最後の2局に少しほころびを見せたように感じた。

逆に言えばこの辺りさえ改善できれば、鬼に金棒である。

今後の亜樹の戦い方に注目だ。

 

 

2回戦

「初トップなるか⁉︎」

対戦相手はこちら。

 

1回戦ラスの近藤が連投。

他3チームは選手を変えてきた。

注目すべきは、風林火山・勝又だ。

Mリーグも全日程の1/4を消化したが、まだトップのない選手が2人いる。

1人が麻雀格闘倶楽部・高宮、そしてもう一人がこの勝又である。

チームが好調というのがまだ救いだが、チームが好調ゆえにもどかしさがあるかもしれない。

“麻雀IQ220”の本領を見せることができるか。

 

2

 

東初に8000点を放銃した園田のリーチ。

これを受けて勝又。2シャンテンながらここからを押していく。

筋とはいえ、宣言牌の筋なのでそこまで安全ではない。

自身の手はアガリが十分に見込めるのでまっすぐ押していった。

今までの勝又ならを切りそうなイメージだが、しっかり攻めてトップを取ろうという気合を感じる。

しかしこの局の主役は近藤。

 

なんと四暗刻単騎リーチ!!!

結局園田への放銃になってしまったが、超大物手のテンパイを見せてくれた。

 

3

 

勝又。

良いとは言えない配牌から、

オタ風のと切っていく。

今までの勝又だと

はたまたなどを切って字牌をため込んで形を狭めていたのではないだろうか。

そういう局面を何度も見たが、この局は丁寧に打ち進めている。

この辺りもトップ取りに向けて変えてきたのだろうか。

そのご褒美というわけではないだろうが、カンで即リーチ。

一発ツモでマンガンのアガリになった。

初トップに向けて上々の滑り出し。

 

4

 

園田がカンチー、オタ風のポンとマンズの混一模様。

トップ目ということもあり、あたりを切りそうだが、ここはまっすぐを切っていった。

仕掛けているのが園田ということもあるだろうが、やはり今日の勝又一味違う。

 

2

 

今回も親ということもあり、字牌から丁寧に打ち出していく勝又。

を引いて分岐点。

受け入れ枚数でいえば切るのが良いが、

を引いてものシャンポン待ちとあまり良くない。

それならばを切ってソーズの伸びを見るのが自然だ。

しかし勝又は打!!!

 

「嘘でしょ??!!」(2回目)

 

を引いて即リーチで良しということだろうが、これには驚いた。

ドラということも切りを後押しするだろう。

積極的にいこうと行き過ぎるあまりを切ったように見えた。

打ち方を対応させようとすると、どうしても反動が出てしまう。

その反動だろうか。勝又まだ進化の途中か。

 

4

勝又が軽快に役牌のを仕掛ける。

 

トップははるか彼方。

もうここは2着を死守する局面だ。

上家は策士・園田。

アシストも十分期待できる。2着は堅い。

・・・

はずなのだが、なんと園田がアシストしてこない。

風林火山はポイントをもっているため、厳しく打とうということだ。

園田の目論見通り、親の近藤がアガり、勝又は3着に落ちてしまう。

 

42本場

ラス抜けを目論見る朝倉

 

をポンしてここで長考。

大三元があるのでは切らないだろうがで悩んだのだろう。

その隙を見逃さなかったのが勝又。

 

このテンパイから、大三元に怖いを勝負!!

自身の手もアガれば2着の可能性があるので、朝倉の長考がなくても勝負した可能性が高いが、朝倉が考えた以上、が大三元で当たることはない。

もし大三元なら悩む必要がないからだ。

この冷静な勝負が実を結んだ勝又。

園田から8000の出アガり。

順位こそ上がらないが、失点を最小限に抑えた価値ある3着だ。

園田としては目論見通り、風林火山を3着に落とすことには成功したが、自分のポイントを減らしてしまった。まだまだ先が長い中、少しやりすぎかとも思ったが、園田の作戦だろう。今後もこういった順位を考慮した選択が多くみられるはずだ。

 

パイレーツの首位奪還なるか?!というところだったが、残念ながら一歩後退。

しかしラスを引いた朝倉も、これはしょうがないラスだったと割り切れるだろう。

そして風林火山がいよいよ2位まで順位を上げてきた。

好調の亜樹、滝沢に加えて、勝又もかなり対応してきているように見えた。

いまだ進化中の風林火山。

これからますます首位争いを盛り上げてくれるだろう。

チームの成績だけではなく、亜樹、勝又の打ち筋にも大注目だ。

 

masasio

天鳳8段、元雀荘のメンバー。ライター初挑戦のニューフェイス。Twitter→こちら