セレブ #黒沢咲 は高い手をアガりたい！　～剛腕達の麻雀乱打戦～【Mリーグ2023-24観戦記 2/15】担当記者 #後藤哲冶

セレブ黒沢咲は
高い手をアガりたい！
～剛腕達の麻雀乱打戦～

文・後藤哲冶【木担当ライター】2024年2月15日

麻雀とは、戦である。

そして黒沢咲は、セレブである。

黒沢はメンゼンっででの麻雀を好み、高打点を連発するその姿は、今までもファンを魅了してきた。

しかし今シーズンは、なかなか高打点リーチが決まらず、個人ポイントもマイナスで低迷している。

今日の対戦相手には、剛腕鈴木大介と、強気なベルセルク高宮、そしてもはや一部ではMリーガーナンバーワンプレーヤーとも呼び声高い仲林と強敵揃い。

それでも、このセミファイナル進出争いも加速する後半戦。
黒沢咲の復活が、雷電には必須なのである！

２月１５日　第２試合

東家　高宮まり　（KONAMI麻雀格闘倶楽部）
南家　黒沢咲　　（TEAM雷電）
西家　鈴木大介　（BeastJapanext）
北家　仲林圭　　（U-NEXT Pirates）

剛腕が揃った第２試合だったが、序盤は意外な展開を見せる。

先手をとったのは黒沢だった。
ドラ表示牌のカン待ちと待ちこそ心許ないが、ドラを２枚使った先制リーチ。
実はこのが、ドラ表示に捲れている１枚以外全てが山に眠っていた。

そこに大介が、を引いてなんと切り。
は現物であるのにも関わらず、三色にこだわってを打つのはなんとも大介らしい。
単純な待ちであれば、ドラがなため、安目であるということも大きかったか。
こうしておくことで――

このカンを仕掛けられる。
を切って、カンのテンパイ。

これを、ドラ３でアガりに来た親の高宮から捉える。2000点のアガリ。
黒沢のリーチと、高宮の親番を蹴る事に成功。

東２局は単騎のチートイツリーチを敢行した仲林が、高宮からアガリを取る。
3200のアガリ。
ここまでどちらも、比較的低打点で局が進行している。

だがもちろん、この剛腕達はこのまま低打点の戦い、とはいかなかった。

東３局。この局の黒沢の手順に注目だ。

２巡目、黒沢はこの手形から――

打。
あたりを切るプレーヤーが多そうだが、黒沢が目指すのはタンヤオピンフ系。
まだ２巡目だからこそ、ドラも絡めば満貫から跳満まである高打点ルートを目指す。

５巡目。順調にタンヤオ牌が集まって来たところで、来る。
リャンメンターツができたが、いわゆるターツオーバーの形。
麻雀に必要なのは４メンツ１雀頭なのだが、手牌の中にその要素が溢れてしまっている状態だ。
頭は１つで良いので、対子をほぐす、切りや切りなんかも選択肢にはありそうだが――

黒沢は切り。
南を切った時から決めていた。この手はタンヤオ系に仕上げると。
だからこそ、ツモは元からいらず、だけはロスになるが、イーペーコー等の手役を見た形だ。

黒沢が魅せれば、大介も魅せる。
カンを引いてかを切ればイーシャンテンだったが、大介は打でリャンシャンテン戻し。
ドラが出ていく頭の形を拒否し、からより良い形でのリーチを目指した。