軍師・勝又健志が
生み出した三つ巴
混迷を極める優勝争いの
結末を見逃すな
文・東川亮【月曜担当ライター】2021年5月17日
朝日新聞Mリーグ2020、ファイナルシリーズ。
この戦いが始まった一週間前は、大半の方が渋谷ABEMASとKADOKAWAサクラナイツの直接対決を想像していたと思う。
それは、EX風林火山がファイナル初日に連勝してもなお、変わらなかったのではないだろうか。
一週間後、状況は一変していた
5/17の第1回戦で、勝又健志がトップを獲得。
これで自身ファイナル3勝目、チームとしては9戦5勝という驚異的なチャージをかけてきたのである。
もし、連闘で第2回戦に登場した勝又が連勝するようなことがあれば、優勝争いに本格参戦となる。
もちろん、他の3チームがそれをやすやすと許すはずがない。
5月17日 第2回戦
東家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
東1局は多井が仕掛けで主導権を取る。
ポンからソーズのホンイツに向かうと、
のポンをへて待ちテンパイ。
だが、そこに勝又が待ちでリーチをかけてくる。
多井のロン牌は勝又の現物であり、堀から出てもおかしくない形だったが、引きで迂回ルートができた。
は生牌だが自身で2枚持ち、放銃の可能性は低いと見てプッシュ。
結果は多井がを掴んで放銃。
この日の初戦を制した勝又が、この試合でもスタートダッシュを決める。
さらに次局はのノベタン待ちテンパイを入れていた勝又に対し、待ちリーチをかけた多井が高目のドラを掴んでしまう。
勝又同様に連闘だった多井だが、この日は初戦から通じて牌の巡り合わせが悪い。
8000点の放銃で、大きなラス目へと叩き落とされてしまった。
南1局1本場、勝又はドラドラ赤で打点のチャンス手。
ピンズが寄ってくる中、
多井の切ったをカンチャンで鳴き、
待ちテンパイ。
直後、堀の手に。
ドラ周りを使うなら不要な牌だ。
勝又はと手出ししており、
からの切り出しで
が当たるパターンがあるが、
その間にを挟んでいる。
だと、
先にを切っていそう。