茅森と魚谷“天才”と“最速”の合成は成功するのか⁉︎【熱論!Mリーグ】担当記者:masasio

熱論!Mリーグ【Fri】

茅森と魚谷

“天才”と“最速”の

合成は成功するのか⁉︎

文・masasio【金曜担当ライター】2018年11月16日

午前0時。

Mリーグ観戦記ライターが活動を始める時間だ。

Mリーグは夜7時からの放送である。じゃあ7時から見ればいいじゃなかと思うだろうが、

そう簡単な話でもない。

手牌を確認するのにどうしても停止したり巻き戻したりする必要があるのだが、再放送が見られるのが深夜0時からなのである。

コーヒーを淹れて準備万端。

BGMは何にしようか。紅白に初出場するというあいみょんにしようか。

いや、あいみょんは刺激が強すぎる。やはり集中するには無音が一番。

明日も朝から仕事だ。集中して一気に書き上げてしまおう。

ポイント状況はこちら。

本日は1位、3位、5位、6位の対決。

上位争いと下位争いといったところか。

下位陣はボーダーの4位まで少し差が開いてしまっている。

少しでもプラスして離されないようにしたい。

対戦相手はこちら

5位セガサミーフェニックスは11月に入って4戦2勝、ラス無しの好調茅森が先発。

試合前にはツモ力をよくするために腕立て伏せをしているという茅森。

今日はチームメイト魚谷を背中に乗せて鍛えたそうだ。

筋力とツモの関係は諸説あるが、良い流れで試合に入れそうだ。

6位麻雀格闘倶楽部は先日バースデートップを取った高宮が先発。

チーム自体も最下位を脱出して連対を続けており勢いに乗っている。

上位2チームが好調な女性陣をどう抑えるかが見ものだ。

 

1局茅森

茅森は「天才」と呼ばれていて長い間第一線で活躍しているプロだ。

どの辺が天才なのかといわれるとなかなか難しいところだが、一つには字牌の扱いに特徴があると思う。

この手から切り。

手の中は中張牌が多く、ある程度形も決まっている。

最近の流行だと第1打にを切ってしまいそうなものだが、温存した。

おそらくだけなら切ったかもしれないが、

もう1枚ドラのが浮いている。

この2枚が不安定で切りたくないということだろう。

少し進んで

切り。

先ほどは何となく嫌だなーくらいの感じだっただろうが、今回ははっきり字牌を絞っている。

親の滝沢の河が

となっており、手出しが多い。

はターツ落としだ。

もちろんこの河だけで読めるわけではないのだが、

ダブとドラのはちょっと切りにくい。

滝沢はこの手

こそ無かったが、

ダブと役牌のがトイツのチャンス手。

茅森の手が進んでは鳴くことができたが、テンパイどまり。

このは配牌からトイツだったので、早々に茅森が切っていたらどうなっていたか分からない。

茅森の特徴がよく出た1局に思う。

続く1本場も

当然役牌を切らず重なりを見ていく。

しかし同2本場

ここからはノータイムでドラの切り。

形としては345の三色に決めてあたりを先切りしておきたいところだが、ここはめいっぱいに構えた。

がチー出来てテンパイまでいくも高宮のアガリとなった。

自分がアガれると踏んだら2シャンテンからでもドラでもすっと切れるのが茅森の良いところだ。

 

東2局親 茅森

さきほどドラ切りで見切りの良さを見せた茅森。

ここからまたしてもノータイムでドラの

もちろん形的にはが一番広いのだが、

を引いた時に打点も待ちもべらぼうに良くなる。

またすぐにを引いた時もを先に切っていたほうが

待ちがアガリやすくなるので先にを打つ人も多そうだ。

茅森は引いてのリーチにも魅力を感じているのだろう。

なるほど、確かに手なりのリーチ攻勢が多いのも茅森の特徴だ。

しかしこの局もポンのテンパイどまり。

この手をアガれないのはつらい。

続いて

東3局茅森

赤赤のまぶしい手で何切る?

かドラのか。

手なりならだ。

茅森は即リーが多い打ち手。

ここはを切るだろう。ドラを引っ張ると後々危険になる。

と、思ったら茅森は打

当たらない。

もちろんも自然な1打だ。タンヤオで仕掛けも効くし打点も高くなる。

まだ巡目も早いのでこちらの方がいいかもしれない。

おそらく茅森は即リーを打とうとか、字牌を絞ろうとか特に意識しているわけではなく、自分の中で自然に打っているのだろう。

それが見ている人の「茅森ならこう打つだろう」という先入観を裏切り、意外性もあって「天才」と呼ばれているのではないだろうか。

そんな気にさせる切りだった。

目論見通りこの局は赤3ドラドラのテンパイ。

またしてもテンパイどまりでなかなかアガれない。

「ちょっとくらいアガらせてよ!」と思ったかどうかは定かではないがこの表情。

この怒っているような表情も茅森の魅力だと思うのだが、私だけだろうか?

続いて1本場

好配牌を得た茅森。

この手からは字牌を絞らず、当然役牌を切っていく。

何気ない局面だが、ここは茅森の癖が出ている。

画像では見えづらいが、

親の朝倉の第1打が

ということは2枚目のを合わせた格好だ。

しかしここまで良い手なら、は安全牌候補にして

親に鳴かれる可能性のあるを先に切ったほうが良かった。

もちろん親が配牌からトイツの可能性もあるが、巡目が経つごとに重ねられる可能性も増えてしまう。

結局手が進んで2巡目に処理でき、事なきを得たが、処理が遅れて大変なことになった…ということは皆さんも記憶にあるだろう。

今後の茅森の字牌の切り出しにも注目したい。

この局は高宮から先制リーチを受けるも、果敢に追っかけリーチをしてマンガンのアガリ。

続く東4局もあっさりハネマンをアガリトップに。

オーラス高宮の粘りに合い、嫌なムードも漂うが、トップで1戦目を終えた。

「インタビューよりも麻雀打っているほうがいいです」語る茅森。

11月に入り、5戦3勝の活躍にこの笑顔だ。

怒った顔も素敵だが、やっぱり笑顔がいい。

この先もたくさん笑顔が見られるだろう。

 

午前1時。

今日はペースがいい。

これなら仕事にも間に合いそうだ。

冷めたコーヒーを温めなおし、後半戦だ。

対戦相手はこちら

高宮は連投。

風林火山は勝又に、パイレーツは小林に交代。

フェニックスは好調の茅森に代えて、魚谷に交代してきた。

この交代はちょっと意外に思えた。

魚谷はここまで個人19位と低迷している。

インタビューでも「チームにも迷惑をかけて…」としょんぼり。

まして1戦目、茅森がトップの後ということで、折角増やしたポイントを減らしてはいけないという心理も働くだろう。

しかし、このプレッシャーがかかる状況でトップを取れば大きい。

この選手起用がどう出るかが見ものだ。

 

東1局魚谷

第1打

 ここから

これが魚谷の良いところ。

茅森と対照的で面白い。

そこまで良い手ではないが、ドラもあり、十分アガリも見込めそう。

ならば、重ねられる前に切ってしまおうという作戦だ。

このようにめいっぱい構えると、「攻撃的だな」と感じるだろう。

確かに攻撃的なのだが、

小林の仕掛けに対応してメンツを壊す打

小林の河がこちら。

マンズの染め手模様で今手からが切られたところ。

染まっているかどうかは分からないが、

が出てきたとなると、ホンイツテンパイでも言い訳はできない。

は通るだろうが、自分の手が間に合わないと見るやあっさり中抜きした。

この守備力がないと、なかなか序盤に字牌は切れない。

手の中に字牌がないと、他から仕掛けやリーチが入った時に、安全牌が無くなりやすい。

逆に言えば、「数字の牌だけでも対応できますよ」という自信の表れともいえるだろう。

魚谷はギリギリまで攻めて、そこからの守備への切り替えが非常にうまい選手だ。

あとは結果がついて来るだけなのだが・・・

魚谷2,600をアガるも、終始小林ペースで場が進んで、南1局。

めちゃくちゃアガれそうなイーシャンテンだったが、

ドラのを引いてきてしまう。

親の勝又は2フーロでまで切ってきている。

ほぼテンパイだろう。

1枚も見えていないドラのは打てない。

午前2時。

望遠鏡で親の手が覗ければいいのだがそうもいかない。

何とかドラが重なって形式聴牌を入れるも、親の勝又のツモアガリ。

なかなか思うようにいかない。

 親の勝又が連荘して、3本場

魚谷、ドラもなく形もあまり良くないが、

と役牌をぶった切っていく。

ぶれない。

ぶれないが怖い。

大丈夫なのだろうか。

案の定2軒リーチが入り勝又のツモアガリ。

厳しい。

続いて4本場

1巡目からポン!

まだ3シャンテン。

怖いところだが、役牌はポン。

ここからは字牌は切らず、スリムに構える。

メンゼンで行けそうなら字牌切り。

鳴いたときはめいっぱいいかずスリムに。

この辺りも見習いたいところだ。

この局はを重ね、を暗刻にして期待が膨らむが、親の勝又6000オールツモアガリでダントツに。

厳しい。

同5本場

ようやく先手が取れてリーチ!

しかしは親とモチモチ。

またしてもアガれず。親の連荘。

厳しい。

午前3時

外は真っ暗だ。

この表情は「ちょっとアガらせてよー」というよりは、

モチモチか・・打たなくてよかったな」の表情だろうか。

魚谷は常にポーカーフェイスだ。

同6本場

今度はアガれそう。

リーチ!!

ツモり四暗刻をテンパイしていた小林が

をつかんでホラ、アガれ……

 

 

ない。

小林剛。切らない。

確かに2枚切れ、はドラ表示牌とあればアガリは難しそうだ。

とはいえツモれば役満。

ツモれば大逆転。

小林、さすがの選択だ。

魚谷またしてもアガれないかと思われたが、

終盤に最後のをツモ。

6本場で大きなアガリになった。

続く南2局も仕掛けて3900を出上がり、2着がぐっと近づく。

午前5時。

まだ外は暗いが、少し遠くが白んできたか?

しかし南3局には4巡目に小林のダマテン2600、オーラスには仕掛けていた勝又に赤赤の3900を放銃してしまい、微差で3着に落ちてしまった。

ポーカーフェイスの魚谷の表情からは心情は図れない

「最後放銃しなきゃなー」と思ってるだろうか、いや、私には3着には落ちてしまったが、自分の納得いく麻雀が打てたという表情に見えた。

午前7時。

外はもう明るい。

今日の魚谷の麻雀を見いて、今日の朝日のように明るい未来が待っていると確信した。

いやー、今日もいい麻雀だったなあ!!

観戦記ライターもお役御免の時間だ。

何か大切なものを忘れている気もするが、私は布団にもぐりこんだ。

masasio

天鳳8段、元雀荘のメンバー。ライター初挑戦のニューフェイス。Twitter→こちら 

(C)AbemaTV

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