【閲覧注意】「麻雀の化身」
多井隆晴にしか打てない
驚愕の一打
文・ゆうせー【木曜担当ライター】2024年1月11日
多井隆晴は、
ここから何を切ったと思いますか?
第1回戦
東家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
南家:渡辺太(赤坂ドリブンズ)
西家:萩原聖人(TEAM RAIDEN / 雷電)
北家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)
この日が今季10戦目。
ようやく規定打数に到達したABEMASのエース、多井隆晴。
まずは、親番でキレのある手順を見せつける。
ここから、
打とする。
はドラで、678三色のタネ。
ドラ周りで1ブロックを作るために、愚形ブロックとの交換を図る。
もしドラにくっつかなくても、マンズが繋がっているので挽回は十分可能だ。
「価値ある手」を作るための、急がば回れ作戦。
次巡、
おおっ!
ドラを重ねた多井。を鳴き、
この形でをツモアガリ。
リーチをかけてきた太とのめくり合いを制し、4000オールで一歩リード。
こうなると、「守備の化身」多井隆晴のペースである。
多井隆晴は、Mリーグで、いや麻雀界全体でも稀有な「守備力に特化した立ち回りをよく見せる」打ち手である。
南1局2本場、
多井の第一打は、
!
3トイツで0メンツの手。リャンメンも1つだけの手で、アガリを深追いしない一打だ。
手役を七対子に絞りながら、最も危険な数牌から打ち出していった。
このあとは、多井の代名詞ともなっている、得意技の「配牌オリ」手順となるわけだが、これがまた難しい。
細かい技術と、全方位に対するアンテナがないと出来ないものだ。
例えば、
9巡目までの捨て牌は
こうなっているが、
中盤に、危ない牌を処理するタイミングが絶妙なのだ。
5巡目のドラは茅森に合わせてのツモ切り。同じように、7巡目のや、今切ったも「合わせ打ち」をすることで、打ち出すときのリスクを最小化している。
オリているからといって、無造作に危険な牌ばかり並べて「ロン」と言われては本末転倒だ。そのあたりにも多井は細心の注意を払っている。
さらに、注目すべきは「残している牌」だ。
オリているからといって、字牌ばかり残せばいいわけではない。この局の萩原のように、変則的な河の他家がいる場合もあるからだ。
ここで、もう一度立体図を見てみると、
萩原にはがある。そして、親の茅森にはのトイツがあるのが心強い。対面の太にはとが安全。