テッペンは見えているか? 寿人、朝倉、亜樹、黒沢それぞれの「Mリーグ坂」【熱論!Mリーグ】担当記者:花崎圭司

熱論!Mリーグ【Mon】

テッペンは見えているか?

寿人、朝倉、亜樹、黒沢

それぞれの

「Mリーグ坂」

文・花崎圭司【月曜担当ライター】2018年11月12日

ナカダカナシカ! 

ナカダカナシカ! 

俺のナーカーダーカナシカ!

このフレーズを見て中田花奈さんを思い浮かべた人は、乃木坂46ファンですね。そして「熱闘!Mリーグ」に出ている子だ、と分かった人もいるのでは?

「熱闘!Mリーグ」は爆笑問題の田中裕二さんがMCを務め、中田花奈さんは3回ゲストに来ています。こちらからMリーグに興味を持って、見てくれる人もいるのではないかと思います。

その「熱闘!Mリーグ」も前回からいろいろと演出が変わり、Mリーガーのキャッチフレーズと名前を押すようになって、そこから名前を覚えてもらいやすくなったのではと思います。

一方Mリーグの方は、対戦チームの紹介がローマ字表記、かつ3人一度に出るので、初めて見る人には分からないのではと、第1戦から感じていました。

ローマ字表記のカッコ良さより、分かりやすさ重視で漢字でいいと思うのですが、どうでしょうか?(野球やサッカー中継も紹介の時は漢字ですし。ユニフォームはローマ字でよいと思います)

さて、私の観戦記名物“脱線話”はこれぐらいにしておいて。

Mリーグ第7週 第25節。

せっかく乃木坂46の話をしたので、

今回は麻雀を「坂」に例えていきましょう。

あなたは「坂」をどう上りますか? 真っ直ぐ頂上を目指す? それとも危なそうなところがあったら迂回したり下ったりする? 遠くに「三色すみれ」の花を見つけたら、その花を摘むためにそちらによっていく?

今回の対戦カードは

東家・黒沢咲(TEAM雷電)

南家・二階堂亜樹(EX風林火山)

西家・朝倉康心(U-NEXTパイレーツ)

北家・佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)

チーム的には2位風林火山と3位パイレーツ、6位雷電と7位麻雀格闘倶楽部の直接対決となっています。特に7位、つまり最下位の麻雀格闘倶楽部は開幕からずっと最下位で、そこから抜け出せないのではというぐらい沈んでいたのが、ついに雷電の背中、いやしっぽがつかめるところまで上ってきました。

解説の多井隆晴プロは赤ドラを「ザリガニ、ザリガニぐらい赤い」と名言を数々生み出していますが、今回もドラを持っている人は「昼間」、持っていない人は「夜」とわかりやすい解説をされていました。

「カーモンベイベー赤ドラ」、どっちかの夜は昼間状態です。

はい、分かってます。「麻雀」という坂の上り方の話に戻りましょう。

この4人の中で上り方に特徴があるのは、

朝倉プロと

ヒサト(佐々木寿人)プロでしょう。

少々乱暴な言い方をすれば、朝倉プロは地図を広げ緻密に計算をし、ケガなく坂の頂上へ行くタイプ。ヒサトプロは、坂の上が見えたら、多少ケガを負ってもグイグイまっすぐ行くタイプ。

今回はどのような戦い方をするのか?

 

東2局2本場 供託1本 ドラ

一番最初にテンパイをいれたのは朝倉。3巡目早々にチートイツのテンパイを入れる。

 

巡目が早いのとホンイツも見えるのでダマ。

しかし6巡目、「強気のビーナス」黒沢咲がリーチ。

 

ツモり三暗刻のリーチ。

ここで朝倉、ホンイツからは撤退するが、チートイツの機動性をいかして、坂道を上る“迂回ルート”を探す。

「卓上の舞姫」二階堂亜樹プロも黙ってはいない。(彼女のキャッチコピーと故・小島武夫氏の「ミスター麻雀」が一番長く、そして広く知られているのではないだろうか)

 

ここで亜樹がを暗カン。新ドラは

 

そしてリンシャンから

ツモってきた牌が

亜樹の眉間にしわが寄る。

 

少考して黒沢のゲンブツのを切ってテンパイ。リーチはしない。そして次巡、

ドラのを持ってきて、切りでオリを選択。私だったら喜んでリーチしてしまうが、きちんと守備のことも考えるのが亜樹流の「坂の上り方」そして「下り方」なのだろう。

そしてこの戦いにヒサトがついに参加!

 

中ぶくれのの役なしテンパイ。

そしてここでお待たせしました朝倉、

 

「朝倉ローリング」

が炸裂しテンパイ。

しかし次巡をツモり、

黒沢の安牌であるを切ってオリる。上ったり下りたり忙しい!

一方ヒサトはを持ってきて、

タンキ待ちにしてリーチ。

そして同巡、黒沢がを持ってきてヒサトに一発で放銃する。

 

真っ直ぐ坂を上ったヒサトがテッペンに届いたが、朝倉もベタオリではなく、復活が見えるさすがの手順を見せる。

その後、朝倉は柔らかく手組をし、ヒサトは電車道「ヒサト・トレイン」を作って坂を上っていく。ポッポー。

そして南4局2本場 供託2本 ドラ

点数状況は、

黒沢  6700点

亜樹  24100点

朝倉  33500点

ヒサト 33700点

黒沢が離れた状況で朝倉・ヒサトがトップ争い。亜樹は満貫圏内に入っている。

ここで最初に動いたのが朝倉。

場風のを鳴く。

 

この200点差のトップはウマ・オカのボーナスポイントを考えると4万点の勝ちがある。

亜樹も手牌からドラが出て、ホンイツの満貫狙いが見える。

それに朝倉は速度で応戦。チーを入れてテンパイ。

 

ここでを切り、

待ちとする。優勝テンパイだ。

しかしここで黒沢がリーチ!

 

待ちで朝倉と同じである。

ここで圧倒的に不利なのがヒサト。

朝倉がアガれば、ヒサトの負け。

黒沢ツモで、ヒサト親かぶりでヒサトの負け。

ヒサトが勝つには、自分がアガるか、黒沢が朝倉にロンアガりをするかだけだ。亜樹がツモアガれば自分は2着どころか3着になるだろう。

こうなったらヒサトはアガるしかない。

だが同巡、

朝倉は黒沢のゲンブツのを切り、オリた。

ヒサトもそれを見てオリる。朝倉がノーテン流局でも勝ちだからだ。

この南2局の坂は、黒沢と亜樹のものだ。

「亜樹さんアガらないで。黒沢さんはツモって」

これが朝倉の心情。

「亜樹さんアガらないで。黒沢さんは横移動で」

これがヒサトの心情だろう。

そして流局なら朝倉はノーテンなので、このままトップで終われる。

しかし!

 

ここで朝倉がを押す! テンパイ復活した! この人は何回踏み台昇降ができるのだろうか! 強靱な足腰! そして朝倉がテンパイ復活したのではと、ヒサトは感じたはずだ。

その時のヒサトの手牌は

 

結構バラバラ! しかも13巡目であと6巡ぐらいしかない! ヒサト、これはテンパイまで戻れない?! となると流局でも負け!

一方朝倉は流局OK! 黒沢ツモOK! 亜樹がツモった場合はしかたがない。2着キープなのでOK! ダメなのが黒沢に放銃すること。

しかし無情かな、

朝倉は黒沢のアタリ牌をツモってくる。

 

テンパイを崩しても、放銃しても2着のまま。当たるな、

と願いながら振り替わりのを切るがロン。

 

朝倉は2着に終わった。

「朝倉EYE」「朝倉ローリング」が

「ヒサト・トレイン」に負けた。

ただこれは今回こうなった、という話で、もちろん次は別の形になるだろう。麻雀に同じ戦いは起こらない。

ただ今回はヒサトのイデオロギーが勝ち、開幕からずっと最下位だったKONAMI麻雀格闘倶楽部が6位に浮上した。これはとても大きな事だ。

Mリーグも中盤戦に入り、それぞれチームカラーが出てきたが、中でもU-NEXTパイレーツとKONAMI麻雀格闘倶楽部は真逆の色を持っているのではないだろうか。これからの戦いも楽しみだ。

ちなみに平均打点がヒサトが9329点でトップ。朝倉は8229点で2位。実はハードパンチャー同士の戦いでもあった。さらにちなみに現在個人成績ダントツの多井隆晴プロの平均打点は5638点の18位。しかし18位でもこれだけの点数があるのがMリーグのルール特性だ。

そんな危険だらけのMリーグという坂。ただオリるだけじゃない、ただアガるだけじゃない。Mリーガーそれぞれが持つ“リスクマネジメント”のやり方を今後も見ていきたい。

 

おまけのおまけ。

Mリーグ中継の最後の最後。解説の多井プロがバイバイと手を振ろうとしたけど、

 

タイミングを間違えたというか手を振る空気ではなく、

 

なんとか頑張ってごまかした姿が可愛かったので、そこも見ていただきたいです。ぜひ!

 

 

花崎圭司(はなさきけいじ)

放送作家・小説家・シナリオライター。映画化になった二階堂亜樹の半生を描いた漫画「aki」(竹書房刊)の脚本を担当。

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