ノストラダムスでも予言できなかった19年後の二階堂亜樹【熱論!Mリーグ】担当記者:梶谷悠介

熱論!Mリーグ【Mon】

ノストラダムスでも

予言できなかった

19年後の二階堂亜樹

文・梶谷悠介【月曜担当ライター】2018年11月12日

『1999年』

今から19年前のこの年に何があったか、みなさんは思い出せるだろうか。

ノストラダムスの大予言で世界が滅亡するとされ、ジャイアント馬場が死去し、ヤマンバギャルが登場。石原慎太郎が東京都知事となり、新幹線0系こだまが最終運転、野球では松坂がプロ初登板し、ダイエーホークスが日本一となった。世界的にはユーロが導入され、マカオがポルトガルから中国に返還されている。

一方、麻雀界においては、「天牌」の連載がスタート、New Wave CUPで『デジタルの申し子』長村大が鮮烈デビューし、この年の最強位に輝いて一気にデジタルという用語が全国に広まった。ちなみにNew Wave CUPは萩原プロ(当時アマ)が優勝している。

そして

 

我らが亜樹ちゃんが若干18歳でプロデビューした年でもある。

そう、彼女はこう見えてキャリア19年のベテランなのだ。

 

うん、とても19年の月日が経ったとは思えない…

 

そして彼女は11/15に37歳の誕生日を迎える。

多少フライング気味だが15日に対局の予定はないためバースデーを勝利で祝いたいところだ。

 

起家 黒沢咲(雷電)

南家 二階堂亜樹(風林火山)

西家 朝倉康心(Pirates)

北家 佐々木寿人(麻雀格闘倶楽部)

東2局1本場

1300と2900を連続で和了した亜樹。

親でメンタンピンドラ1リーチを打ち、トップを固めにいく。

 

しかしここは黒沢が冷静だった。

フリテンのでテンパイしていたが

をビタ止め。流局となる。

続く東2局2本場

黒沢がツモり三暗刻のリーチを打つと

 

を掴んだ亜樹の手が止まる。

ひとまずをプッシュしイーシャンテンを維持。

 

次巡絶好のがきた!をカン!

でテンパイ!

ここは攻めるところだろう。

リンシャンから持ってきたのは

だった。

 

ん?何かやけに険しい

は朝倉がを2枚切ったところで、

は黒沢が1枚、寿人が1枚切っている。

まさかとは思ったが、が薄いとみたか

現物の打としてのシャボに受けた。

だがも場に1枚切れている。トップ目でリスクを冒したくない気持ちが裏目に出たのではないだろうか。

こんなときデジタルなら…

デジタルなら迷いなく両面で曲げるはず。東場の親でカンを入れた勝負手なら、少しでも枚数の多い待ちにして打点を高くするためにリーチをかけるだろう。

だが彼女は悩んでいた。局面を単純に捉えることは19年のキャリアがそうさせない。亜樹の表情を見るとそんなことが頭に浮かんだ。

 

そしてドラのを掴んで撤退する。

リーチの捨て牌は

とあって、真ん中の切り出しが多く対子手や変則手もありそうに見える。

場に見えていないは最も当たりそうだ。そう考えても不思議ではない。

全員の手が見えている私は何とも言えない気持ちになった。

南3局1本場

寿人が先制の待ちリーチをいれると

 

亜樹も同巡を引き入れテンパイを入れる。

だが平和イーペーコーが確定した手で亜樹はダマテンを選択する。

(リーチをいかないのか…)

おそらく観ている側の多くはそう思ったに違いない。リーチの現物待ちではないこの手でダマにする理由はないように感じる。

考えられるとしたら、ドラのをツモってきた場合にスライドできるということと、リーチ棒を出して満貫を放銃してしまうとオーラスラス目に満ツモ圏内の接近を許してしまうということか。

南4局0本場

トップを争う二人の配牌の差は歴然だった。寿人はホンイツに、朝倉は喰いタンに向かう。

 

そんな中、亜樹は

 

バラバラの手から字牌を絞っていた。

オーラス黙っていたら3着で終了してしまう状況である。字牌から切り出してなんとか面前テンパイを狙いにいっても良さそうだが、なんとこの場面でアガリを拾おうとしない。

 

終盤、寿人がテンパイを入れたところで亜樹の意図を汲み取ることができた。

この点数状況では寿人は確実にテンパイを取りに行く。字牌を絞ってテンパイ巡目を遅らせれば流局の可能性がぐっと上がるというわけだ。

結果狙い通り流局し望みをつなぐことができた。

南4局2本場

ここまで我慢した亜樹にようやくチャンス手が入る。トップまでは満貫出アガリ条件。筒子の両面を切り出してホンイツに向かった。

 

手なりで打てばアガリ牌だっただが、1000/2000では3着のままだ。仕方なく切ると

 

をポンしていた朝倉にチーされのテンパイをいれさせてしまう。

 

その後、黒沢のリーチを受けた場面。

 

満貫を放銃してしまうとラスまで落ちる。を切って粘る手はあったが、打点を作って直撃を狙いたい黒沢が変則手だった場合、字牌は最も危険なところだ。おそらくこれまでも同じような局面で狙われたことがあったのだろう。19年の月日はノーチャンスの対子落としを選択した。

そしてこの局は粘ってテンパイを入れた朝倉が黒沢の当たり牌を掴み幕を閉じた。

1位:佐々木寿人 +53.7 

2位:朝倉康心 +9.0 

3位:二階堂亜樹 ▲15.9 

4位:黒沢咲 ▲46.8

惜しくもトップはとれなかったが、亜樹はここまで12戦打っていまだラスなし。ポイントランキングでは個人2位につけている。19年前と見た目は変わらず少女のままだが、中身はとんでもない雀士に育ってしまったのかもしれない。

梶谷悠介

最高位戦日本プ麻雀協会所属。HNツケマイとして天鳳やブログで一時話題となる。去年パパと麻雀プロに同時なった男。最高位とMリーガーを目指して連続昇級中。

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