静かなること林の如く__
二階堂亜樹が選んだ、勝負の形
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2025年1月7日
第2試合
東家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:小林剛(U-NEXT Pirates)
西家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
北家:二階堂亜樹(EX風林火山)
Mリーグ2024レギュラーシーズン122戦目。
南場に突入した時点でのトップ目は渋川。
ただその持ち点は33,000点と、平たい点数状況が続いていた。
場が動いたのは4巡目。
亜樹がツモ切ったドラのを、茅森がポンする。
の後付けが本線だが、トイツがもう1つできればトイトイが狙えピンズが伸びればピンズのホンイツへの移行も視野に入れている。
鳴く前でもチートイツの2シャンテンなのでスルーする人も多そうだが、ドラポンで他家を牽制しつつ進めることで速度を補っていく。
その直後
亜樹にテンパイが入る。
待ちの確定三暗刻。出アガリで満貫が確定しているが、リーチをしてツモれば跳満になる。
亜樹の点数は21,800点で、トップとは11,500点差。
是が非でもアガりたいが、可能な限り打点も狙いたい。
亜樹の選択はダマテンだった。
当然四暗刻への手替わりも狙っているが、手替わった際に、今回のように真ん中の牌のシャンポン待ちになるような待ちが弱くなる場合は思い切って現状のリャンメン待ちでリーチしてしまうのも手だ。
ただ、今回はドラポンをしている茅森がいる。
茅森の手は役牌バックかトイトイが本線に見えるため、字牌と真ん中の牌なら、先に真ん中の牌が切られるケースが増える。
気配を消しつつ、確実な満貫を拾いにいく。
その直後、親番渋川もチーしてテンパイを入れる。
をでチーして・のシャンポン待ちテンパイ。
高打点が見える手だったが、ドラポンが入ったのなら悠長なことは言ってられない。茅森に速度を合わせ親番継続を狙う。
その2巡後
亜樹に四暗刻のテンパイが入る。
は既に山に無いが、は山に2枚生きていた。
紛う方ない最終形だが、亜樹はリーチをかけずダマテンを貫き通す。
リーチをかければ打点アップが期待できるが、ダマでも既に跳満が確定しており戦況を変えるには充分なアガリになる。
茅森、渋川どちらもまだテンパイしているか分からないため、リーチをしてプレッシャーをかけ進行を遅らせ、ツモ回数を増やすという選択肢もあるが、警戒されていないうちに勝負を決めにいく。
数巡後、渋川がツモ切った東を茅森がポン。
イーシャンテンとなるが、その数巡後に引いた渋川の当たり牌である中で迂回する。
その直後、渋川がを引く。
茅森が直前にを手出ししているため、茅森を警戒して一瞬が止まりかけたが放銃となる。
タンヤオ・トイトイ・三暗刻・赤の12,000点をトップ目の渋川からの直撃に成功する。
手が開かれた際
3者の驚いた表情から亜樹が完全に気配を消していたことが推測できる。
闇夜でバッサリと決まった跳満で、亜樹はトップに浮上。
放銃となった渋川も、南3局にチートイツでリーチをかけ、赤を一発ツモ。
跳満でトップに。