進撃の武田軍! 戦乙女・二階堂亜樹と軍師・勝又健志が魅せる 風林火山の打ち回し!【熱論!Mリーグ】

熱論!Mリーグ【Thu】

進撃の武田軍!

戦乙女・二階堂亜樹と

軍師・勝又健志が魅せる

風林火山の打ち回し!

文・真中彰司【遊軍ライター】2018年11月1日

「風林火山」 …歴史を勉強した人なら1度は聞いたことのある言葉だろう。これは中国の兵法書である「孫子」の一節であり、武田信玄の軍旗にも記されていたとされる 「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」 という句を現代風に略した言葉である。 そして、このMリーグにもその系譜を継ぐチームが存在する…そう、EX風林火山である。今回はそんなEX風林火山の麻雀に注目していこう。 現在(11月1日開始時点)のトータルポイントは+7.3で全体3位。1位のABEMASと2位のパイレーツとは少々差が開いてしまっているので、なんとか離されずに食らいついていきたいところである。

【第1戦】

第1戦の出場選手は以下の4名。(起家から)

EX風林火山 二階堂亜樹

チーム雷電 萩原聖人

渋谷ABEMAS 白鳥翔

麻雀格闘倶楽部 前原雄大

注目のEX風林火山からは「卓上の舞姫」こと二階堂亜樹が出場。もし亜樹を戦場の役割で例えるなら「戦乙女」であろう。ちなみに「戦乙女」とは「武器を持って戦う女性」のことである。

東1局からその戦乙女・亜樹にチャンス手が入る。 親の亜樹が配牌からあったドラの対子を活かして待ちで親リーチ!

「疾きこと風の如し」このリーチで先制攻撃なるか!?と思われたが…

先に三色の仕掛けを入れていた萩原に上手くかわされてしまう。 これには亜樹も「私より早い人がいたのか…」とやや悲しそうな顔。 しかしこんな顔をしていても可愛い。もはや全国の麻雀ファンがため息をつくレベルだ。 亜樹も気を取り直して次こそは!と意気込むも、その後は萩原の満貫、前原の2連続ガラクタリーチ成功と、ひたすら耐え忍ぶ展開に。 東2局では親の萩原の仕掛けにテンパイ気配を察知したか、潔くの中抜きを選択。 続く1本場でも手を育てて終盤まで粘るが、巡目も深くなってきており、無筋のを両方通すのは厳しいと判断してオリに回った。

まさに動かざること山の如し。 次に亜樹にチャンスが訪れたのは東4局。

まずは親の前原がをポンして・赤1・ドラ1の待ちでテンパイ一番乗り。 対して亜樹はイーシャンテンだったが、このポンで転機が。

なんと大切に取っておいたドラのが重なる!さすが「ドラは恋人」の名言で知られる亜樹。恋人を健気に待っていた甲斐あって、満貫の見えるチャンス手になった。 しかしここで立ちはだかったのがABEMAS・白鳥。 亜樹はツモ切ったで白鳥にタンヤオ・ピンフ・赤赤の8000点の放銃となってしまう。 守備意識が高い亜樹も、自身が満貫の見える手とあっては止めようが無かった。 こうしてラスに落ちてしまった亜樹。南1局の親番で挽回に賭ける。 しかし配牌はバラバラ、辛うじて赤ドラの両面ターツが1つあるだけ。 そんな亜樹にさらなる試練が襲いかかる…

白鳥が先に待ちでタンヤオ・ピンフ・赤・かつ高目で一盃口のテンパイを入れていたのである。 更に前原が白鳥からドラのをポン、をチーして待ちの満貫テンパイ。 2人テンパイに囲まれ、もはや亜樹は絶体絶命かと思われたが… 前原がテンパイを入れた直後に亜樹もテンパイ! ラス目の親番、ここで退くわけがない!

侵掠(しんりゃく)すること火の如し!

颯爽と待ちでリーチを掛ける。 だが、この時点で白鳥の待ちは残り3枚、前原の待ちは残り3枚。 対して亜樹の待ちは…なんとが1枚のみ。 枚数だけで見ればあまりに厳しすぎる亜樹のアガリ。麻雀の神様は亜樹には微笑んでくれないのか…と思われたその時! なんと最後のを一発ツモ!そして裏ドラも乗せて6000オール! 燃え盛る炎の前では枚数など関係なかったようだ。そして表ドラだけでなく、裏ドラまでも恋人にしてしまった。 解説の鈴木たろうもコメントしていたが、亜樹のアガリは周りを笑顔にさせてくれる。 この跳満で一気に持ち点を回復してトップ目に立つと、続く1本場では白鳥とのリーチ合戦に打ち勝って2900の1本場、3200を加点。火のように勢いに乗じて攻めていく。 そしてダメ押しは南3局。 ここからをチーして打とした。はそれぞれ2枚切れで、中張牌のバラ切りからタンヤオの線も薄い。またを切っていることから567の三色の可能性もほぼ消え、周りから見れば形式テンパイかドラのバックにしか見えない仕掛け。ドラであるが故に他家から出る可能性も低いのだが、親番でラス目の白鳥からはテンパイ時の勝負牌として僅かに出てくる可能性がある、と考えてチーテンを入れた。 ところがこの、実は2枚とも山に残っていた。次巡にすぐツモって満貫のアガリ。 これが決定打となり、火のような攻めを見せた戦乙女・亜樹が自身2勝目を挙げた。 勝利者インタビューでは「ホッとしました」と満面の笑みで語る亜樹。 これだよ!この可愛すぎる笑顔が見たかったんだよ! この笑顔のためにMリーグを見ている、というそこのあなた。あなたも立派な武田軍だ。共に風林火山の戦いを見守って応援していこうではないか。

 

【第2戦】

続く第2戦の出場選手は以下の4名。

(起家から)

EX風林火山 勝又健志

渋谷ABEMAS 松本吉弘

チーム雷電 瀬戸熊直樹

麻雀格闘倶楽部 前原雄大

日本プロ麻雀連盟の鳳凰位3名に若きヒットマン・松本という組み合わせ。 EX風林火山からは「麻雀IQ220」こと勝又健志が登場。その緻密な打ち回しは「軍師」と呼ぶに相応しいだろう。実はまだトップを取っていない勝又。亜樹に続く形で是非とも自身初のトップが欲しいところだ。 場は東1局からぶつかり合いに。 ABEMAS・松本が一盃口確定のカン待ちで先制リーチ。 を引けば跳満まで見える手だったが故に不満もあったが、巡目も深くなってきたため致し方なしか。だがこのは3枚も山に残っており、アガリは十分見込める。 しかし親の勝又にもチャンス手が入っていた。 こちらもタンヤオ・一盃口が確定しているイーシャンテン。 松本のリーチ宣言牌はだが、が4枚見えているためカン待ちはない。 更には自身が対子で1枚場に見えているため、シャンポン待ちや単騎待ちにあたることもほぼ無いため、ここはを選択してイーシャンテンをキープ。 麻雀IQ220ならばこの程度は数秒ではじき出していることだろう。 するとが重なってテンパイ。ここはを勝負して、松本の現物であるカン待ちでヤミテンとした。リーチせずとも満貫で、打点は十分だ。 このカンを松本から討ち取って12000のアガリ。 これには解説の鈴木たろうも「勝又、テンパイ組んでたの!?」と驚きを隠せない。

まさに「徐(しず)かなること林の如し」。 次局はリーチ合戦で松本に8000の放銃となってしまうが、東2局に再び勝又が魅せた。 この親の松本の先制リーチに対し… ここから無筋のをプッシュ。松本の河にが序盤に切られていて、がツモ切りだったことからは通るという読みか。 しかしの裏スジであるは止め、の筋を頼りにで迂回。 実際には松本の入り目であるため、的確な迂回である。 そして回り回ってこんな待ちのテンパイに。がフリテンのためリーチには行かなかったが、もしツモれば親を流せる上に、あと数巡しのげばテンパイ料を貰えるため、テンパイに取る価値は十分にある。 そしてこれを本当にツモって1300-2600のアガリ! 松本の親を流すだけでなく、リーチ棒も込みで6200点の加点。またもや「徐かなること林の如し。恐るべし武田軍。 続く東3局でも勝又の打ち回しが光る。 まずは親の瀬戸熊がをポンしてダブ・赤・ドラの12000をテンパイ。 数巡後に勝又もの役無しテンパイを入れるが、瀬戸熊を警戒したのかリーチはせずヤミテンに構えた。 役無しのヤミテンというのは他家からの出アガリが出来ないため、想像以上に胆力の要るものである。また打点的には安いことが多いため、押し引きが非常に難しい。勝又がどこまで押せるかに注目が集まったが… 最終的には勝又がすぐにツモって300-500のアガリ。 点数的には少ないが、見事に瀬戸熊の親満を阻止した。このアガリこそ、この日の中で最も「徐かなること林の如し」アガリなのではないだろうか。 と、ここまで勝又の「林」の打ち回ししかお伝えしていないが、その勝又が別の一面を見せたのが南2局。 ここからをポン。既に自分の親番が無いため、早く局を回して自分の失点を少しでも減らしに行き、もしドラが重なれば満貫を狙うつもりなのだろう。まさに「疾きこと風の如し」 最終的にはドラを切って待ちのテンパイを入れた。 この局は4人テンパイまでもつれるも、勝又が前原から出アガって2000点。 リーチ棒込みで4000点の加点となった。 このあと勝又は失速してしまい、最終的には瀬戸熊・松本にかわされて21800点の3着に終わるも、その緻密な打ち回しで存分に魅せた半荘となった。

 

この2半荘で風林火山は1着→3着でポイントを加点し、順位は変わらないが上位との差を詰めることに成功した。そして全てのチームが全試合の4分の1を消化したことになり、Mリーグもいよいよ中盤戦へと突入する。中盤戦、更に激化していく戦いの中で、「戦乙女」亜樹と「軍師」勝又、そして「大将」・滝沢がどのような麻雀を見せてくれるのか。今後もEX風林火山から目が離せない。

真中彰司

関東の理系大学院に在学中の学生。個別指導塾の数学講師という顔も持つ。主に統計学を研究する傍ら、都内各地にて麻雀修行中。

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