【第2戦】
続く第2戦の出場選手は以下の4名。
(起家から)
EX風林火山 勝又健志
渋谷ABEMAS 松本吉弘
チーム雷電 瀬戸熊直樹
麻雀格闘倶楽部 前原雄大
日本プロ麻雀連盟の鳳凰位3名に若きヒットマン・松本という組み合わせ。 EX風林火山からは「麻雀IQ220」こと勝又健志が登場。その緻密な打ち回しは「軍師」と呼ぶに相応しいだろう。実はまだトップを取っていない勝又。亜樹に続く形で是非とも自身初のトップが欲しいところだ。 場は東1局からぶつかり合いに。 ABEMAS・松本が一盃口確定のカン待ちで先制リーチ。 やを引けば跳満まで見える手だったが故に不満もあったが、巡目も深くなってきたため致し方なしか。だがこのは3枚も山に残っており、アガリは十分見込める。 しかし親の勝又にもチャンス手が入っていた。 こちらもタンヤオ・一盃口が確定しているイーシャンテン。 松本のリーチ宣言牌はだが、が4枚見えているためカン待ちはない。 更には自身が対子で1枚場に見えているため、シャンポン待ちや単騎待ちにあたることもほぼ無いため、ここはを選択してイーシャンテンをキープ。 麻雀IQ220ならばこの程度は数秒ではじき出していることだろう。 するとが重なってテンパイ。ここはを勝負して、松本の現物であるカン待ちでヤミテンとした。リーチせずとも満貫で、打点は十分だ。 このカンを松本から討ち取って12000のアガリ。 これには解説の鈴木たろうも「勝又、テンパイ組んでたの!?」と驚きを隠せない。
まさに「徐(しず)かなること林の如し」。 次局はリーチ合戦で松本に8000の放銃となってしまうが、東2局に再び勝又が魅せた。 この親の松本の先制リーチに対し… ここから無筋のをプッシュ。松本の河にが序盤に切られていて、がツモ切りだったことからは通るという読みか。 しかしの裏スジであるは止め、の筋を頼りにで迂回。 実際には松本の入り目であるため、的確な迂回である。 そして回り回ってこんな待ちのテンパイに。がフリテンのためリーチには行かなかったが、もしツモれば親を流せる上に、あと数巡しのげばテンパイ料を貰えるため、テンパイに取る価値は十分にある。 そしてこれを本当にツモって1300-2600のアガリ! 松本の親を流すだけでなく、リーチ棒も込みで6200点の加点。またもや「徐かなること林の如し」。恐るべし武田軍。 続く東3局でも勝又の打ち回しが光る。 まずは親の瀬戸熊がをポンしてダブ・赤・ドラの12000をテンパイ。 数巡後に勝又もの役無しテンパイを入れるが、瀬戸熊を警戒したのかリーチはせずヤミテンに構えた。 役無しのヤミテンというのは他家からの出アガリが出来ないため、想像以上に胆力の要るものである。また打点的には安いことが多いため、押し引きが非常に難しい。勝又がどこまで押せるかに注目が集まったが… 最終的には勝又がすぐにツモって300-500のアガリ。 点数的には少ないが、見事に瀬戸熊の親満を阻止した。このアガリこそ、この日の中で最も「徐かなること林の如し」アガリなのではないだろうか。 と、ここまで勝又の「林」の打ち回ししかお伝えしていないが、その勝又が別の一面を見せたのが南2局。 ここからをポン。既に自分の親番が無いため、早く局を回して自分の失点を少しでも減らしに行き、もしドラが重なれば満貫を狙うつもりなのだろう。まさに「疾きこと風の如し」。 最終的にはドラを切って待ちのテンパイを入れた。 この局は4人テンパイまでもつれるも、勝又が前原から出アガって2000点。 リーチ棒込みで4000点の加点となった。 このあと勝又は失速してしまい、最終的には瀬戸熊・松本にかわされて21800点の3着に終わるも、その緻密な打ち回しで存分に魅せた半荘となった。
この2半荘で風林火山は1着→3着でポイントを加点し、順位は変わらないが上位との差を詰めることに成功した。そして全てのチームが全試合の4分の1を消化したことになり、Mリーグもいよいよ中盤戦へと突入する。中盤戦、更に激化していく戦いの中で、「戦乙女」亜樹と「軍師」勝又、そして「大将」・滝沢がどのような麻雀を見せてくれるのか。今後もEX風林火山から目が離せない。