熱論!Mリーグ【Mon】
女たちの
“2100秒の攻防”
Mリーグ女流大戦勃発!
文・阿部柊太朗【遊軍ライター】2018年10月22日
「ロン、2000は2900。」
会心のアガリだ。
全員の意地とプライドが正面からぶつかり合う、息の詰まる35分間の攻防。
その2100秒の間に一体何が起こったのか。
始まりは東3局に遡る―――
静かな立ち上がりだった。
魚谷と高宮が積極的な仕掛けとリーチで先手を取りに行き、二階堂と黒沢は対応しながら大きく手を構える。
およそ4者のイメージ通りの展開。
局面が動いたのは東3局。
黒沢がリーチ一発ツモ平和ドラ裏のアガリ。お釣りのないお手本のような3000・6000を決め、セレブリティを見せつける。住居は白金だろう。
東4局、シロガネーゼ黒沢のアガリに触発され場が一気に熱を帯びる。
親番の高宮、ここから場に1枚切れのの対子落とし。
若くして成城石井で買い物をするような、若干無理のある生活設計にも見えるが、セレブへの高い意気込みを感じる。
西家の亜樹。
親の対子落としを受けて、ここから打。
「あれ?亜樹ってこんな残すような打ち手だったかな?」
親の高宮がやる気に満ちているのは明白。ここはを切ってを残すのが、今までの亜樹ではなかったか?何かがおかしい。
魚谷もドラドラで役牌を仕掛けて前に出る。
さらにシロガネーゼ黒沢もここから打。
全員が安全牌を抱えず、守備を捨てて前に出てきた。
血で血を洗う、連盟女流骨肉の争い。
第一次Mリーグ女流大戦開幕だ。
先制攻撃は黒沢。
セレブリティ全開のきらびやかなリーチで宣戦布告。
魚谷も待ちの聴牌で追いついて、総攻撃。
しかしここは、2人聴牌で流局。
高宮と亜樹がノーテン罰符という名の和解金を払うことで第一次大戦はで終結。
南1局1本場、戦いはさらにヒートアップ。
亜樹がこの形からダブをポン。
ダブとはいえ、残りがこの形。
かなり積極的な仕掛けだ。
立ちはだかるは、やはり親のシロガネーゼ黒沢。
七対子のドラ単騎でリーチに踏み込む。
これを受けて単騎で聴牌していた亜樹はがカンツに。
のワンチャンスでを切るか、現物のを抜いてベタオリするか。
亜樹の選択はなんとのアンカン。
やはり今日の亜樹はいつもと違う。
「この面子では絶対に負けたくない!」
そんな思いを感じる。
だからこそアガリたい。しかし放銃もしたくない